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中原中也詩集

特に読みたい本もなく
中原中也を読んでみた

詩というものの甘美さは
何度読んでもわからない

ビールのうまさがわかっていくように
大人になれば大人になれば
そういうものでもないらしい

彼の人生三十年
わたしは彼より長生きだ

長生きをして彼ほどの
想いをこの世に残したか

月に関する彼の詩は
ああ、ああ、わかる、なんとなく

自由に文を書き綴るより
詩という型が道化を纏い
自由な思いを吐き出せた

自分を知ってほしいなら
中也の詩集をご覧あれ

自分の全てを出さなくて
なんで相手がわかろうか

苦しいこころ
汚れっちまった悲しみを
詩という型にのせるのは

産道を通る赤子のごとく
彼には一つの道なのだ

ありのまま、むき出しの感情
曝す恐怖や恥じらいを
詩という型が
包み込むのだ

中原中也を読んでみた

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