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キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて

岩波ジュニア新書
『キング牧師〜人種の平等と人間愛を求めて』を読んだ。

キング牧師といえば、公民権運動。
黒人のリーダーとして黒人のために活動した、という印象しかなかったが、
リーダーの孤独を嫌というほど経験した人物だった。

黒人に自分たちと同じ立場になってほしくない白人、
同じ黒人でも、キング牧師のやり方には賛同ができない黒人がいて
白人からも黒人からも批判を受け続けた。

自分を恨んでいるその人の為に行動しているのに、理解されない孤独は耐えられるものではなかったはずだが、
それでも運動を続けられたのは、人類愛ともいうべき慈悲だったのだろう。

本当に自分のやっていることは正しいのか、
何度も自問自答したのではないか。
そのたびにキリスト教の精神に立ち返ったり、子どもたちの未来を想像したりして、自分で自分を奮い立たせたのではないかと思う。

自分は聖人ではない、とキング牧師自身が言っているように、
大学時代の論文に、文章の盗作があったり、女性関係も清廉とは言えなかったり、
人間としての弱さもしっかり垣間見える。

人間としての葛藤が見て取れるから、
私はキング牧師に好感を覚え、
少しの勇気をもらえたのでした。

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