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ドラマ『今際の国のアリス』 NETFLIX
夜明け間近の浅い眠り、レム睡眠の短い時間で人は夢を見るという。いつ終わるかと思うような長い夢でも実際には瞬くほどの時間に過ぎないようだ。
先が見えない人生に、つまらない説教。言われなくても分かっていることこそ言われれば腹が立つ。無駄に過ごしていることは自覚していても、どうしたら良いのか分からない。正解を探す程に正解は遠ざかっていくものだ。
世の中の不条理は時に合理をもろともせず、理不尽なことばかりで世界は回っている。正しいと思っていたことが正解ではないと突き付けられ、大抵の人はそれが仕事だからと言い訳する。
仲間や友情のような綺麗事を抜かしていては生き延びれないのが現実の社会というもので、殺伐と見えるのはまだ甘いということ。
このドラマは、突然迷い込んだ世界で強制的にゲームに参加させられる主人公達の物語だ。そこは現実とそっくりの街に見えて現実とは全く違った世界。
負ければ死を意味するゲームはまさしく命を懸けた勝負。全てのゲームをクリアした先に何があるのかも明かされないまま、ゲームへの参加を強いられる。負けていく者たちはバタバタと倒れ、死んでいく。
やらなければやられる状況に追込まれた時、人は何を優先するのだろうか。愛情、友情、それとも自分。所詮人は自分が大切なんだよ、と登場人物の一人は言う。きっと、そうなのだろう。でも…、と思いたくもなる。
何のために生きなければならないのか。どうして辛い思いをしてまで生きなければならないのか。どうして生かされているのか。
そんなことを考える暇などない。それが日常だ。しかも答えなどそう簡単には見つかる筈もない。
それでも、たとえ無意味に思えても、一歩踏み出すことこそが生きる意味を与えるのだ。
ゲームの参加者たちが生きる世界は果たして夢なのか現実なのか。最後に目にする光景は答えを与えてくれるのか。
最終回を見終わった今、現実世界にいる私が言えるのは…。
言葉にすればチンケになるから言わないでおこう。
おわり
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