見出し画像

姿勢を正そう

 どんな変化が起きたお陰なのか、高校生の頃からしばしば酷い腰痛に悩まされていたのが、社会人になってからはそんな腰痛には見舞われずに済んでいる。
 それでも時々、腰回りが不調になって痛みで動きが制限されることがある。先日もそうだった。一般的にはこれも腰痛のうちに入るのだろうが、這って動くのも辛い腰痛を何度も経験した身に取っては腰痛には入らない。

 重いものを持ち上げようとした時など原因がはっきりしていることも稀にあるが、腰が痛くなる時は特段に何かをした訳ではないことも多い。ちょっとしたきっかけで筋肉を痛めるのだろうか、それとも筋肉のバランスが変化してそのアンバランスによって不調を感じるのだろうか。

 最近分かったのは、肩痛にしても腰痛にしても、痛くなる部位そのものよりも、その周囲に原因があることが多いのではないかということだ。周囲の筋肉の不調が特定の部位に影響することで痛みに繋がる。
 その場合、痛いところをいくら揉んでもあまり改善しない。
 そうではなくて、痛いところの周囲、時には遠く離れた部位を調整することで痛みが改善することがある。

 先日は右腰が不調になって、普通に立っていても鈍痛がし、腰を後ろに反ることが出来なくなった。いろいろな部位をストレッチしていく中で効果があったのは、右ももの前側だった。日頃から右腿前部が硬いのだが、ここのところ数ヶ月間は痛みを伴っていた。簡単には柔らかくならないものの、腿をストレッチすることで腰の痛みが引いていった。

 もちろん、いろいろな箇所をストレッチしているから、本当に腿の硬さが腰痛に繋がっていたのかは分からないが、筋肉は意外なところに繋がっていたりするから、想像していなかった箇所の筋肉の強張りが別の箇所の痛みになることがあってもおかしくないだろう。
 特に腰回りの筋肉は長く、前腿の筋肉も膝から腰までつながっているものがある。
 また私の場合は、右肩の動きを制限しているのが前腕や上腕の筋肉だったりする。それらの筋肉は大胸筋や小胸筋とも関連しているようで、痛みが出る肩や首からはかなり離れたところをマッサージすることで肩の動きが改善されたりする。

 人体には600を超える筋肉があると言うから、それらのバランスをちょうど良く保つ方が難しいだろう。
 日頃の姿勢の癖や、身体の動かし方の癖、荷物を持つ手、良く使う利き手・利き足など、日常生活でのアンバランスは顕著だから、何もしなければ身体は歪んで行くのだろう。
 その歪みが蓄積すれば、歩行も困難な程の痛みに襲われたり、それどころか、内臓疾患を含めた各種疾患まで引き起こすような気がしている。

 定期的に身体のメンテナンスを行うようになって、街中を行き交う人に目が行くようになった。多くの人は歩き方に癖があるのだということに気付いたからだ。
 自分では姿勢を正していると自覚していても、案外周囲から見れば歪みが出ていることだってある。
 だから、自分が歪んでいるかどうかは、第三者の目に頼らざるを得ない。

 何だか、身体の姿勢の問題だけに言えることではなく、いろんなことに通用する考え方であるような気がしてきた。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?