たて

1998年生まれ。読書が好き。

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最近の記事

スピノザ推しがマルクス・ガブリエル「なぜ世界は存在しないのか」を読んで感じたこと

「なぜ世界は存在しないのか」今回読んだのはこちらの本。 タイトルにあるとおり、著者は「世界は存在しない」と主張しており、その考えに至る理由と、その視点からみたときの自然科学、宗教、芸術(絵画やテレビドラマ)について語っている本である。 マルクス・ガブリエルの考え方「存在」についての新しい定義 マルクス・ガブリエル(著者)は、「新しい実在論」を説く哲学者である。「新しい実在論」に基づくと、「世界は存在しない」という結論に至る。 そもそも新しい実在論では、「存在」を以下のよ

    • 機械(AI)が世界を支配するSF小説「プレイヤー・ピアノ」の感想文

      あらすじ・世界観戦時中に導入された、「生産性・効率性重視」の価値観と人的資源を節約するための「機械化」はアメリカを勝利に導いた。結果、その価値観と機械化はさらに勢いを増してアメリカを支配した。 機械を設計する「技術者」、機械や工場を管理する「管理者」には、高い地位が与えられたが、そうなれなかった人々の仕事は奪われた。エリート以外の市民は、平和な軍隊に入るか、道路補修工事の作業員(単調な作業の繰り返し)をするかのどちらかの道しかない。 エリートになるためには、決められた試験

      • 「羽生結弦」は史上最強のスケーターなのに、色々葛藤してて謎だがそこが好き⛸

        今回のアイスショーの概要2023年2月26日17:00〜20:00、東京ドームで行われたアイスショー。スケーターとして史上初の東京ドーム単独公演。(凄すぎる) 🏅羽生結弦選手の戦績 羽生くんを好きになったきっかけ2015年NHK杯のSEIMEIを見た時。 羽生くんがオリンピックで金メダルを獲得し、世界一の称号を手にしたのはたった19歳のとき。「この若さで世界一とっちゃって、これから彼はどうするんだ?!どうやって生きてくんだろう?」って思っていたところで、SEIMEIを見

        • デザイン理論の備忘録①

          経緯edXでデザイン理論の講座を見始めた。そろそろデザインの理論を勉強したいなと思って講座を探したらみつけたのでとりあえず見てる。 英語わからん。悔しい。 学んだことまずはデザインの定義から。といってもいろんな考え方があるが、大きく2つの潮流があるようだ。 ・形態が機能を形作る(forms > function) ・機能が形態を形作る(その逆) 形態優先の方は、形式主義者の考え方。デザインは美的現象。アートやクラフトに近い。 デザインの本質は、構成や見た目の美しさ、それら

        スピノザ推しがマルクス・ガブリエル「なぜ世界は存在しないのか」を読んで感じたこと

        • 機械(AI)が世界を支配するSF小説「プレイヤー・ピアノ」の感想文

        • 「羽生結弦」は史上最強のスケーターなのに、色々葛藤してて謎だがそこが好き⛸

        • デザイン理論の備忘録①

          舞台「セールスマンの死」をみて

          自分や家族の嫌なところを凝縮させたものを 見せられているみたいだった。 何者かになりたい、 自分が理想としているものに近づきたい、 自分の憧れを所有したい、 という希望が叶えられない。 (願いではない) その絶望を受け入れることができない。 希望が叶えられたという幻想を口にすることで 周りも自分もそう騙そうとする。 自分が何も成し遂げられなかったこと 成し遂げる見込みがないことを 受け入れる苦痛。 しかも、何かを成し遂げることが当たり前だと されている世界で。 アメリ

          舞台「セールスマンの死」をみて

          美味しいチョコレートをいただいた話

          Minimalというお店のチョコレートをいただきました。 ミニサイズの3種類のチョコレートのセットでした。 味は「NUTTY」「FRUITY」「SAVORY」の3つ。それぞれ違った特徴があります。 本当に全部違った味がして面白かったです。 チョコレートを食べ比べるという経験がそもそも初めてだったのでとても楽しくいただきました。 Minimalのチョコレートは、ザクザクとしたカカオ豆の食感が特徴。 特に「NUTTY」は、ナッツの風味と相まって、ナッツが練り込まれているチョ

          美味しいチョコレートをいただいた話

          反出生主義者が子供を持つとしたら

          反出生主義に出会ってから、すっかりその思想に染まってしまって、自分が子供を持つということを全く想像できずにいる。一方で、私は「家庭」に対して憧れが強いタイプらしく(占いをするといつもそういった結果が出る)、いつか結婚や出産が経験できればいいのに、とも思っている。 私が反出生主義に共感できる理由は、社会に対してあまり期待ができていないからだと思う。社会には、自助努力でなんとかできる範囲を超えて、大きな課題がさまざま存在していると感じている。例えば、貧困などの問題が再生産され、

          反出生主義者が子供を持つとしたら

          反出生主義を知って考えたこと

          中学校の部活の先生が、「誰でも死にたくなることがある」といっていたことが印象に残っている。 そのとき隣にいる友達に聞いたら「あるよ」と言っていたのも衝撃的だった。「私だけじゃなかったんだ」という方の衝撃。 私は、失敗した時や落ちこんだ時にはなんとなく死にたくなることがあったけど「死にたい」という表現はあまりしっくりきていなかった。 改めて考えてみると、「死にたい」よりも「存在していたくなかった」の方が適切な表現であるような気がした。 「死にたい」は未来に対する期待が失われて

          反出生主義を知って考えたこと

          「人間の建設」を読んで

          年末年始に読んだ本がとても面白かった!ので、感想を書く。暇と退屈の倫理学のときに気合い入れてアウトプットしすぎて、次何を書くかすごい悩んでしまったのだけど、もともと150字以上書けばおっけ〜のつもりだった初心を思いだして、とりあえず書く。 直観についてスピノザ『エチカ』でも「直観」について述べられているけれど、あまり実感が湧かなかった。しかし、『人間の建設』の直観はとてもわかりやすかった。 人間には知情意(知性・感情・意志)と感覚がある。 心から納得するには感情が承知し

          「人間の建設」を読んで

          暇と退屈の倫理学、読み終わったので感想を書く

          アイキャッチを目次にしてみた。「暇と退屈の倫理学」を読んで色々考えさせられたので、マインドマップで頭の中を整理した。使ったのはこちらのサービス。 目次みたいなアウトライン表示もできたので、ついでだからスクショをとって載せてみた! 今回は「面白かったこと」「自分で考えたいこと」「感想」の3部構成です。 面白かったこと定住革命 2足歩行の初期人類が誕生したのが約400万年前。それから長いこと人類は「遊動生活」をしてきた。しかし約1万年前に氷河期が終わりを告げ、人類の生活環

          暇と退屈の倫理学、読み終わったので感想を書く

          インプットとアウトプットについて

          ※現時点の個人の見解です。(免罪符ください) インプットは2つのタイプに分けられる。 ①探究型 あるテーマについて、自分から積極的に情報を求めにいく。能動的なインプット。 ②受容型 偶然の出会いから情報を得る。受動的なインプット。 (定義)インプットとは? 外部にあるものを内部に取り込むこと 同じようにアウトプットにも2つの種類がある。 (1) 拡声器型 他者に影響を与えようとするアウトプット。 (2) ハムスターの回し車型 自分による、自分のためのアウトプット

          インプットとアウトプットについて

          「生命とは何か」を読んで

          ウェットなシステムという考え方電子機器やコンピューターに由来する喩えは、細胞や生き物を理解するのに役立つが、注意も必要だ ハードウェアに対する、ウェットウェア。 ウェットウェア=「柔軟性のあるコンピューター材料」=生命のこと。 ウェットウェアは動的で柔軟性が高い。 ハードウェアに例えられると生命の仕組みは、すごく理解しやすい。 細胞のなかのモジュール(1つの機能をなす部分部分の塊)を、スマホの中のアプリが対応しているイメージ。 もし、スマホがない時代だったら、細胞の中身

          「生命とは何か」を読んで

          なんとなくの感情にも原因があるよっていう話

          エチカシリーズ第2段。喜びについて、っていうテーマで書こうと思ったけど、難しくて悩んでしまった。 気付いたら日曜日になっていて、一応毎週アウトプットするのが目標だからとりあえず頑張って書いてみよう〜という気持ち。 前回は、エチカのすきなところ1つめとして、世界はひとつだという考え方をまとめた。 そこから派生して、世界は必然的に今の形になっていること、私自身も世界の一部を担っているということを考えてみた。 エチカのすきなところ2つめ。感情を分析していること。 スピノザは感情

          なんとなくの感情にも原因があるよっていう話

          世界は一つという優しい思想(スピノザ「エチカ」)

          エチカは、スピノザという17世紀の哲学者が執筆した哲学書。 神様を定義しているので、宗教書とも言えるかも。ただ、そんなにスピリチュアルな感じはない。割と現代人の価値観にマッチする思想だと思う。アインシュタインも「スピノザの神を信じる」と言ったらしい。 私はスピノザのエチカがとても好きで、スピノザの思想を知ったおかげでかなり生きやすくなった。そこで、エチカの中で私が特に好きな考え方をいくつかピックアップしてまとめます。 ちなみに、今の私が解釈したエチカの話なので、スピノザ

          世界は一つという優しい思想(スピノザ「エチカ」)

          21世紀の歴史を読んで思ったこと

          まず、「21世紀の歴史」というタイトルが面白い。未来を予測することは難しいけど、歴史を学び、過去から現在、そして未来へとつながっていく流れを把握することはできる。21世紀の1/5が過ぎた今読んでも、まだ新しい。(一部は、もはや当たり前のことになっていて、それもまたすごい) 21世紀、人類が平和で幸福な世界を生きるためには、市場を適切にコントロールし、世界規模の民主主義を形作ること(「超民主主義」の実現)が重要らしい。 今話題のSDGs(持続可能な開発目標)などは、まさに超民

          21世紀の歴史を読んで思ったこと

          note再開する宣言

          インプットとアウトプットは3:7ぐらいの感じでやるといいらしい。 インプット大好き人間だから、アウトプットを心がけていきたい。 iPhoneのメモ帳に、本の感想やら、オペラ鑑賞の感想やら、もろもろまとめてるので、アウトプットの習慣がないわけではないんだけど…。 自分がインプットした事柄の中で、「うわー、これもっと早く知りたかった〜」とか、「はい、これを理解したからには、もうこれまでの自分とは違うぞ(えっへん)」みたいな気持ちになることも、たまにはあるので、そういうことは

          note再開する宣言