小次郎

小学校の教員を志す学生に国語科教育について教えています。また、社会人の方々・管理栄養士…

小次郎

小学校の教員を志す学生に国語科教育について教えています。また、社会人の方々・管理栄養士や看護師を志す学生に論理的思考・表現の在り方についての講義も行っています。

マガジン

  • 中学校:光村図書の国語科教科書で教える唯一のこと(論理面)

    光村図書はもちろんすべての教科書において、その多くは「論理的思考・表現力育成」のための教材です。これらの教材を用いての国語科の授業は全国語科の授業の70パーセント程度になることでしょう。しかしこれらの教材を分析してみると教えるべきことは「たったひとつ」しかありません。この「たったひとつ」のことを、小学校の国語科で学習した「10個」のことを踏まえて意図的・計画的・系統的に繰り返し繰り返し教えていくことになるのです。このマガジンでは、その「たったひとつとは何か」「それらをどのように教えていったらよいのか」について具体的に述べていきます。 *前提として、小学校の国語科の学びについて述べたマガジン『光村図書の国語科教科書で教える10のこと(論理面)』を読んでおいてください。この理解がないままこのマガジンを読んでも意味がありませんし、おそらく何を言っているのかサッパリわからないことでしょう。

  • 小学校の国語科の授業④ 説明文編(何を教えるのか 構造面)

    マガジン「小学校の国語の授業 理論編」を読み、さらにマガジン「論理的思考・表現の在り方(構造編)」及び「論理的思考・表現の在り方(内容及び実践編)」を読んでからこのマガジンを読んでください。 つまり、この3冊のマガジンの理解がないと「小学校の国語の授業で説明文を教えることの意義」や「その方法論」は全くわからないものとなります。時間はかかるでしょうが、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 小学校の国語科の授業⑥ 説明文(何を教えるのか 順序)

    マガジン「小学校の国語科の授業 説明文編」では中学年以降の論理構成(「主張」展開するための論証の構造)を基盤とした授業の在り方について述べてきました。低学年の「読むこと」の指導事項の中核は「順序」です。筆者は「『順序』は論理構成のことは中核とはならない。より大切なことがある」と定義づけています。よって、その指導の在り方も示さなければ本NOTEの意味がなくなってしまいますので本マガジンを書くことにしました。 なお、「順序」の定義の詳細につきましてはマガジン「論理的思考・表現の在り方(「順序」とは何か 編)」ので、まずそれをお読みになってから本マガジンをお読みください。

  • 小学校の国語科の授業⑨ 古文編

    『竹取物語』の授業では、その冒頭である「いまはむかし ~ いとうつくしうていたり」を暗唱させられてきたのではないでしょうか。 もちろん、音読や暗唱も重要なこととなります。それによって、古来よりの日本語の持つリズムや響きの心地よさを実感でき、日本語のよさを味わうことができるからです。 しかし、それだけでよいのでしょうか。古文の目的は、それに「親しむ」ことです。具体的に言えば、指導の結果それが日常の読書の対象になることと言えます。音読や暗唱だけでは児童は「読書をしよう」とは思わないでしょう。その内容を知り、面白さを知らなければ読書の対象にはならないのです。 では、どのようにすれば面白さを知ることができるのでしょうか。本マガジンでは、今まで述べてきたマガジン「小学校の国語科の授業 物語編」「小学校の国語科の授業 説明文編」を基に考えていきたいと思います。

  • 国語科学習指導案の作成マニュアル

    新学習指導要領の実施に伴い、国語科においては今までの学習指導案の書き方は通用しなくなりました。評価の観点が変わったからです。この機を捉えて、しっかりと学習指導案の書き方を確認することが大切です。 校内研修で訪問する際には学習指導案を頂きますが、その中には筋が通っていないものも多くあります。たくさんの時間を割いて作成したのにもかかわらずこれでは意味がありません。 教育実習において一番労力を使うところが学習指導案の作成でしょう。私は多くの実習生を担当してきましたが、その指導案は徹夜して作成したにもかかわらず「いちからやりなおし」になるものがたくさんありました。 指導案作成には「原理・原則」があるのです。これさえ理解していれば簡単に作成できるものなのです。作成に多くの時間を割くよりも児童生徒と実際にふれ合うことが大切なことは言うまでもありません。 指導案は短時間で筋が通ったものを作成しましょう。

最近の記事

  • 固定された記事

① 国際化社会と日本人

昨日の生活を少し思い出してみてください。何人かの外国の方と接した人も 多いのではないでしょうか。外国の方と接しないまでも、外国語の表現にふれなかった人はいないのではないでしょうか。 日本では国際化社会到来と言われるようになってきました。私たちの生活は、外国との関連抜きでは考えられなくなってきました。日々の食事についても多くが輸入されたものでありますし、仕事面においても外国との関係性なしでは成り立たないものも多くなってきました。 しかし、これは日本ばかりのことではありません。地

    • ビジネス会議は小5の国語力で十二分

      1 新たな概念の学習より小学校国語の復習を  KJ法、SWOT分析、イシュードリブン思考、PREP法、SDS法等々、現在のビジネス会議は、何やら諸外国から輸入してきた新たな概念を勉強しないと成立しないような思い込みに陥っていなっていないでしょうか。そしてまた現実の会議においては、それらを使いこなすことが目的となってしまっていて、会議そのものの目的が希薄になっていないでしょうか。  筆者は現在、大学の教育学部において小学校教員を志す学生向けに国語科指導の在り方を講義しています。

      • 国語コーナー③

        • +5

          順序の活用

        • 固定された記事

        ① 国際化社会と日本人

        マガジン

        • 中学校:光村図書の国語科教科書で教える唯一のこと(論理面)
          0本
        • 小学校の国語科の授業④ 説明文編(何を教えるのか 構造面)
          3本
        • 小学校の国語科の授業⑥ 説明文(何を教えるのか 順序)
          6本
        • 小学校の国語科の授業⑨ 古文編
          6本
        • 国語科学習指導案の作成マニュアル
          18本
        • 小学校の国語科の授業③ 物語編(どう教えるのか)
          7本

        記事

          ⑫ 具体的なカリキュラムの実際(4年生版)

          ⑫ 具体的なカリキュラムの実際(4年生版)

          ⑪ 具体的なカリキュラムの方向性

          先のマガジン『カリキュラムマネジメントの在り方Ⅰ』では、志木市立宗岡第四小学校の実際の各学年のカリキュラムの具体を示しました。 3年生のカリキュラムマネジメントの実際|小次郎|note 1・2・4・5・6年生のカリキュラムマネジメントの実際|小次郎|note 各学校の教育課程をより充実させていくためのカリキュラムマネジメントにおいては、本マガジンで今まで述べてきたことが最重要となります。 つまり、まずは全クラスに「国語コーナー」を設け、「『全ての教科の目標』を達成させる

          ⑪ 具体的なカリキュラムの方向性

          ⑩ 1・2年生の「国語コーナー」の実際

          ⑩ 1・2年生の「国語コーナー」の実際

          ⑨ 1・2年生の「国語コーナー」の内容

          ⑩の記事では、1年生『くちばし』『うみのかくれんぼ』『じどう車くらべ』の学習後と、2年生『かんさつ名人になろう』の学習後の「国語コーナー」の具体を示します。 1年生『くちばし』は「論理的順序」である「外見から機能へ(見えることから見えないことへ)」、『うみのかくれんぼ』も「論理的順序」である「既知から未知(知っていることから知らないことへ)」、『じどう車くらべ』も同じく「論理的順序」である「一般と特殊(普通のことから特別なことへ)という順序を学習します。 2年生『かんさつ

          ⑨ 1・2年生の「国語コーナー」の内容

          ⑧ 1・2年生の「国語コーナー」の在り方

          マガジン『小学校の国語科の授業⑥ 説明文(何を教えるのか 順序)』で述べたように、低学年の「読むこと」の指導事項の中核は「順序」です。 小学校の国語科の授業⑥ 説明文(何を教えるのか 順序)|小次郎|note そして、その順序とは「具体的な事実の配列の在り方」であると定義しました。 ③ 具体的な事実の配列に限定すべき「順序」|小次郎|note さらに、順序には「時間的順序」「空間的順序」「論理的順序」があり、「論理的順序」には「原因から結果へ(結果から原因へ)」「主要

          ⑧ 1・2年生の「国語コーナー」の在り方

          +3

          ⑦ 4・5・6年生の「国語コーナー」の実際

          ⑦ 4・5・6年生の「国語コーナー」の実際

          +2

          ⑥ 4・5・6年生の「国語コーナー」の内容

          ⑦の記事では、4年生『アップとルーズで伝える』5年生『言葉の意味が分かること』6年生『笑うから楽しい』の学習後の「国語コーナー」の具体を示します。 4年生『アップとルーズで伝える』では10個の中の4個目の「『なか』の対比を学習します。 ⑪ 他7個で指導すべきこと(4個目6個目について)|小次郎|note ⑫ 4個目と6個目の授業実践の在り方|小次郎|note 5年生『言葉の意味が分かること』では6個目の「『まとめ』の対比」を学習します。 ⑫ 4個目と6個目の授業実践の

          ⑥ 4・5・6年生の「国語コーナー」の内容

          ⑤ 3年生『こまを楽しむ』学習後の「国語コーナー」

          ⑤ 3年生『こまを楽しむ』学習後の「国語コーナー」

          ④ 各学年の「国語コーナー」の在り方

          全教科の目標達成のための言語活動を支える「論理的思考・表現の在り方」は10個しかなく、それは「『ぼくのお父さん』」との違い」として表出されると述べてきました。 各学年の「国語コーナー」の在り方は、記事③で示した『ぼくのお父さん』と新たに国語科で学習した説明的な文章教材を並べて掲示し、その「違い」を視覚的にわかるようにしていくことが原則となります。 例えば、マガジン『光村図書の国語科教科書で教える10のこと(論理的思考・表現)』の記事⑤「10個の中の基本となる3個」において

          ④ 各学年の「国語コーナー」の在り方

          ③ 全学年全教室に掲示される「ぼくのお父さん」

          ③ 全学年全教室に掲示される「ぼくのお父さん」

          ② 各教室に「国語コーナー」の設置を

          では、どのように全教科の目標達成のための言語活動を支える「論理的思考・表現の在り方」を示していけばよいのでしょうか。 宗岡第四小学校では、各教室に「国語コーナー」を設けることによってこの課題を解決していきました。 マガジン『光村図書の国語科教科書で教える10のこと(論理的思考・表現)』において、小学校において指導すべき「論理的思考・表現の在り方」は10個しかないと述べてきました。 そして、その10個は「「論理的思考力・表現力」の最も根幹となるものの発展であると定義しました。

          ② 各教室に「国語コーナー」の設置を

          ① より簡単にわかりやすく

          マガジン『カリキュラムマネジメントの在り方Ⅰ』では、国語科の学びを基盤としていくことの重要性について述べてきました。 それは、全ての教科の目標は言語活動を通して達成させるという枠組みがあり、その言語活動が可能となる言語能力は国語科を通してはぐくまれるというのがその理由です。 マガジンⅠでは、その具現化について研究している宗岡第四小学校の実践を紹介してきました。 この発展としては、「より簡単に」「よりわかりやすく」全教科においてカリキュラムマネジメントを行っていくためにはどう

          ① より簡単にわかりやすく