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むくろ人形の不思議な話7【目線の先】

2020年4月27日にした話。

「目線の先」

なんか、父が3日くらい前の夜に、変な体験をしていたらしいんですよ。

夜にスーパーで買い物してから、自転車で帰っていたそうなんです。ライト照らして、シャーッと。

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スーパーから家までの道のりに、横に並木が連なる通りがあるんですよ。

いつもは人通りのある道なんだけど、夜なのとこんなご時世なことも相まって、その日は自分と、向かいから来る自転車くらいしか人いなかったそうです。

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そしたら、急に背後から人迫ってくる気配と、直後に自分の頭上を、ヒュッて、鳥、よりもっと大きいものが通り過ぎた感じがしたそうなんです。

「えっ!?」

っと思って一瞬振り返ったけどなんもなくて、視線を前に戻した瞬間、道照らすライトの前を黒い影が横切って、右上に消えていったらしいんですよね。

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「うおっ!?」

って思わず声出して急ブレーキかけたら、なぜか向かいから来ていたおばさんの自転車も同じタイミングで

キイッ! 

ってブレーキかけて止まったんだそうです。

向かい合わせにライトで照らし合ってる。

同時に止まるなんて普通じゃないから、「(なんだこの人…?)」って向かいのおばさん見てたら

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親父の横の上空、並木の上辺りを顔面蒼白で凝視していたらしいんですよ。

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人通りもない通りで、2人同時に自転車停めてんのに、おばさんこっちに目もくれず並木の上辺りを凝視して、血の気引いてる。

20秒くらい互いに固まってて、親父ふと「ヤバい」と思って慌ててペダルに足乗せ直したら、その音におばさん我に帰ってこっち見て、親父もそれに気付いて目が合ってしまった。

おばさん、小さく首横に振ってたらしいです。「ダメダメダメ」って感じに。

親父は見上げずにすぐ自転車漕いでそこ離れたそうです。

よくわかんないけどおわり。

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