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結局、儚いものが一番美しい

会社で一番仲の良い同期と遊んだ、3連休初日。
久しぶりの快晴。待ち合わせ場所まで徒歩で向かった。太陽が気持ちいい。そして冬の風も心地いい。寒い冬のツンとした空気が、私は好きだ。気が引き締まるけど、どこか安心するこの冷たさが好きだ。


同期のRは、自他共に認める多動。
おしゃれで美しいもの、インテリア、美しくなること、あとYouTubeとゲームが好き。
これ以外のことも大抵興味を持って接することができる。私がコーヒーを好きだといいコーヒー屋さんに誘ったら翌日にはコーヒーの参考書を購入して読んでいたり、私が宝塚を好きだと言うとYouTube でしょうこお姉さんのエトワールを見てきてくれて良かったと感想をくれたり。
その許容範囲の広さゆえ自分の趣味に気兼ねなく付き合ってもらうことができる。
今日は、ずっと気になっていたカフェでのランチ、と、今日公開した映画版ウエストサイドストーリーに付き合ってもらった。

今日のカフェは街でもちょっと名の知れたところで、
シアトル出身のマスターと日本人の奥様のご夫婦で経営されている。
地元の人におすすめスポットを聞くと、必ずと言っていいほどこの店の名前が出てくるくらい。
インテリアのセンスがとても良く、Rも大満足だった。もともと気になっていたお店ではあるらしい。さすがカフェ巡りのために一人メルボルン旅をしただけはある。
どの飲み物も食べ物も美味しそうすぎて、たくさん頼んでしまった。
シナモンラテ、エスプレッソ、ポークサンド、胡桃のクロッカン
このカフェを満喫するために朝ごはんを抜いていたのであまりにも空腹で、食欲のままに注文した。
どれも本当に美味しい。写真を貼るので味は想像にお任せします笑

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一つあげるとすれば、ポークサンドのパンが格別に美味しい。フワッとオリーブの香りが漂い、一口齧るとふわふわしっとりの食感と酵母の香りが口一杯に広がる。パン好きにはたまらない。

ウエストサイドストーリー(以下、WSS)の上演時間は約2時間半。りさはびっくりしていたけど、ミュージカルでノーカットなら大体それくらいだよな。
あんまりネタバレできないのだけど、
WSSで初めて心が震えて泣いた。泣いたのは、Somedayのシーン。
この絶望のどん底で、それでも明るい未来、優しい世界は、私たちのユートピアは、きっとどこかにあるんだろうかと、人はそれでも希望を捨てないんやなと、なんかもう人間て愛おしいなと思った。

2番スクリーン(スクリーンて画面そのもののことやのになぜ映画はスクリーンがある部屋のことをスクリーンと呼ぶのだろう)に入った時、会社の後輩の男の子がたまたま隣の席で、
偶然すぎてびっくりしたんだけど、まあそれは置いといて、映画の後に3人でお茶することになった。
二人のWSSの感想を聞いて仰天してしまった。「評価は5点中2点。全然共感できないし、話の展開早すぎるし、最後バッドエンドだから。これ舞台で観たら違ったんだろうなー。」とのこと。確かに最後の感想は本当にそう。
やはり通常の映画は、人物の感情の切り替わりとか展開が丁寧、むしろそこが魅力だから普段観る映画とは違うだろうなって言うのは。本当にそう。
だけどバッドエンドだから低評価てどゆこと!?共感できないから低評価て…。アニータには共感できたらしいけど。
私は悲しいよ。。
映画見る前に、男の子にね、「WSSとか興味あったんや以外!」ていうと
「ミュージカル好きなんすよ」って言ってたのね。ミュージカル好きだけど展開急すぎて無理って、それミュージカル好きって言う、、、?
なんて、その子には口が裂けても言えないけど。笑
(よくよく聞いたら彼はインザハイツが好きなのでミュージカルが好きなのだとのこと。それはシンプルにインザハイツガ好きだね。笑)

ミュージカルを見慣れている見慣れていないで、こんなにも捉え方って変わるのかって驚いた。私はもうこのテンポに体が慣れているからすんなり、どの役にも感情移入ができるんだろうなぁって。
良く考えたら、ミュージカル俳優さんで尊敬できるのってそういう部分だなと改めて思う。
こんなに急な話の流れを、極めて自然にすっと入りこむように私たちに届けてくれるのだから。その気持ちづくりを演者さんがしていないと、こちらは絶対に置いてけぼりになってしまうから。

そしてバッドエンドの件については、好き嫌いはあるけど、決して評価すべきは結末ではないと思うかな。むしろ音楽性であったり演出とかの過程だよね。ミュージカルって基本的にそこでしかないと思う。あのナンバーを劇場で聴きたいから。話の筋も楽曲も覚えてしまったけど、あのシーンの俳優さんそれぞれの表現方法とか、演出家が違えば全く異なるものに見えたりとか、慣れたはずの演目がいちいち新鮮で、これだから舞台はやめられんわって話なのよ。結末では決してないのよ。

あと、結末にフォーカスして言えば
結ばれない恋ってさ、実際結構需要あるよね?あるよね???
「結ばれない恋こそが永遠の、真実の恋なんだ。だから美しい。」
これを、私は声を大にして言いたい。恋が成就してしまうと、その先は別れしかない完結したものになってしまう。だからこそ両思いだけど結ばれない、その純粋さ、儚さ、美しさがどれだけ尊いか…。
だからシェイクスピアだって三島由紀夫だって新堂冬樹だって池田理恵子だって、他にも多数いるはずの作家さんだって、結ばれない両思いを書かざるを得なかったわけだし、世が求めているものなんだろうなと思うのね。

当たり前のことを話すけど、結ばれないのは辛いし苦しいし胸を抉られるような気持ちになりますけど、でも、美しいじゃないですか…。
伝わってほしいなぁ。この感覚。

WSSの感想はそんな感じで、後はずーっと仕事の話。
同僚やからしゃーないけど、みんな、仕事好きよなぁ。私休日まで仕事のこと考えたいとおもわんもん。共通の話題それしかないだけなのかも知れんけど。
りさも後輩くんも、基本的には上司とか組織に対する不満がものすごく多くて、なんかすごいなぁって思う。
私は、自分自身と向き合うのに精一杯で、人に対して文句を考える余裕は全くない。自分がもっとこうなりたい。今日の自分はこんなことができた。そんなことしか考えられない。
だから、不満がある人は理想があるってことだし、視野が広いってことだし。明確なビジョンがあるって素晴らしいことだなと思った。

で、2時間も話すと、プチHSPの私は、
一杯一杯になってしまい、相槌を打つ元気も無くなってしまう。
たった数時間で話をまともに聞けなくなってしまう私は、集中力のない子供みたいだなと思う。
けど多分そうじゃなくて、そもそもWSSに集中力や感情を全振りしてしまった(映画の後のお茶は予定に入れていなかったのでその分の体力を残していなかった)のだと思っておこう。

あ、ちなみにこんなコテンパンに書いたけど、Rのことはちゃんと友達だと思ってます。真逆だからこそ面白いというか。

スーパーで半額になったお寿司をつまみにビールを飲みながら書くこの日記を、共感してくれる人が一人でもいるととても嬉しいな…。とりあえず、ミュージカル見慣れてるお母さんに電話して自己を正当化します。

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