もしも思春期ラブコメ界最強の作者が「終電を逃してしまった主人公と女の子」を描いたら『あそこではたらくムスブさん』
【レビュアー/松山洋】
モリタイシ先生が大好きです!
かつては『週刊少年サンデー』で『いでじゅう!』を連載され、その後は『レンジマン』を描かれ、『月刊!スピリッツ』で『今日のあすかショー』、現在はグランドジャンプで『ラジエーションハウス』を連載中の漫画家先生です。
『ラジエーションハウス』は2019年に月9でドラマ化もされたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
この『ラジエーションハウス』は現在もグランドジャンプ誌面で好評連載中です。これまたヒロインのアンちゃんがひたすらに可愛くて魅力的で物凄く面白い。
しかし、今回モリタイシ作品でオススメしたいのはこちらです。
『あそこではたらくムスブさん』です!
モリタイシ先生の作品の魅力はやっぱりラブコメなのですが、普通のラブコメとはまた違った魅力があるのです。
それは『いでじゅう!』でも『レンジマン』でもずっと昔から変わらなくって、徹底して思春期の少年(&青年)のモヤモヤとして極めて純粋な感情を、実に丁寧にかつ赤裸々に描かれています。
中でも『ムスブさん』はその最強クラスとも言えます。
連載の場を少年誌から青年誌(WEB連載)に移されてから更にそのパワーは上がっているように感じます。
みなさん思春期って覚えてますか?
ちょっと気になるあの子と目が合っただけで浮かれまくった中学生時代や、ちょっとしたすれ違いと偶然から、たまたま同じ電車で帰ることになったその瞬間が永遠に続く様な感覚を。
そうした思春期の少年&青年たちの「くぅ~」って思わずこぶしを握り締めてベッドの上で一人でのたうち回るような心地よい歯がゆさを、実に巧妙な物語表現とコミカルな表情で味わわせてくれるのです。
『あそこではたらくムスブさん』の最新3巻なんて「終電を逃してしまったムスブさんと主人公が一晩どうやって過ごすの?」ってエピソードをまるまる1冊使って表現されてますからね。(そしてもちろんたまらない展開になる)
ちょっと最近忘れてやいませんか?こういった思春期独特のモヤモヤやモニャモニャを。
モリタイシ先生はそんな純粋な気持ちをあっという間に思い出させてくれますよ。
ちなみにムスブさんが働いているのはコンドームを作るメーカーです。
ええ、ムスブさんは「あそこ」で働いているのです。(このへんは青年誌というかWEB連載ならではの設定、だけどやっぱりひたすらに女の子が可愛くて心がモニョモニョしますよ)
『あそこではたらくムスブさん』はサンデーうぇぶりで月一連載中です。
単行本も発刊ペースも年に一冊なので今からでも追いつけますよ。
ぜひ『ムスブさん』を読んで一緒にモニョモニョしましょう!