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世間知らずな会社員

私は一応、会社員である。
役職は事務であるが、基本的には窓口が私なので
一般的な会社で例えれば
受付・事務・総務・経理etc
一通りのことはぼんやり把握している。
いや、ぼんやりじゃダメでしょ?というのが社会なのだが
ぼんやりである。

前職が雑誌モデルと親の仕事を手伝う半ニートだったので
世間一般の常識がない私は
今の職場で、初めて世を知ったような気がする。

まず、契約書の押印のやり方がわからなかった。
ただハンコを押すだけなのに
ハンコが上手く押せず困っていた。どうしてもぶれる。
ここで訂正印というものを知るが、また押すのかよ
もどかしかった。
なので押印は慎重に、どの仕事よりも丁寧である。

押して押して押しまくる混沌。

そして、さらに私は朱肉と赤インクの違いが分かっていなく
同じ赤なんだからどちらでも良いのではないかと思っていた。
叔父に指摘されるまで知らず
非常識と言われたが
「こんなことどこで教わるんだよ!」と何度も訴えた。
一般的に大学を出て、就職し、最初の段階で教わるそうだが
接客業ならどうなの?
大学でてすぐにお嫁に行った子はどうなの?

お分かりいただけただろうか。

私に会社員としての基本的なことを教えてくれたのは
全てネットである。

なんせ引き継ぎがなかったものだから
手探りでパソコンを解析し
検索に検索を重ねてやってきたのだ。
信じられるのは人間よりパソコンの記録である。

そんな私も今の職場は8年になった。
この8年で祖母は死に、母も死に、叔父も二人死に、
不幸が重なったが
絶望的に悲しくても仕事があったから生きて来れたように思う。
それは金銭的な意味ではなく
やることを与えられたからである。
恐らく今の職場にいなかったら、私は母の後を追っただろう。
なので、今の職場には感謝してもしきれないし
会社員になったことで
多少は世の常識も分かってきたので
人間力は上がっている!はず!

#会社員でよかったこと