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国体選手じゃなくて国スポ選手になりました後編

クロスカントリースキー競技で国スポに出場した記録(ほとんどごはん日記)。今回から国民体育大会ではなく、国民スポーツ大会に名称変更されました。
前編はこちら↓

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2/21(水)
レース2日前。毎回だがあんまりレースの実感がない。1時間ほど練習して宿に戻る。スキー板の手入れをする。

雨と雪が混ざってベチャベチャとした天気。傘を持っていなかったので、スーパーまで走った。それでもずぶ濡れになった。体力を温存するために練習時間を短くしているのに何をしているんだ。

昼ごはんはスーパーで買ったデカデカ焼き芋とプレーンヨーグルトと冷凍葡萄。素に近いものが好きな私は、こういうごはんがいい。朝晩は宿泊場所でバイキングなので、昼ぐらいは普段の質素な食生活に近いものが食べたくなる。コーチ陣に言ったら、もうちょっと選手としてちゃんとしたものを食べなさいとか言われるのかな。

焼き芋はドンキホーテの焼き芋が美味しい。プレーンヨーグルトの私的ナンバーワンはビヒダス。冷凍葡萄はあんまりこだわりないけれど、セブンイレブンの白葡萄が値段の割にいっぱい入っている。

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2/22(木)
男子のレース日。宿泊場所で休むという選択肢もあったんだけど、速い人たちの滑りを見たくて会場に行った。昨日までと打って変わって、軽いもふもふの雪が降っている上めっちゃ寒い。応援していると、手足が凍るようだった。監督が靴下用カイロをくれた。ありがとうございます。めっちゃ嬉しかったです。でもカイロが負けるぐらい寒くて、宿に帰ってきてからあったかくなり始めました。

すごいんだこれが。男子のレースが。

高校生も大学生もゴール直後に崩れている人はもうたくさんいたし、そのままそこで泣いている人もいた。応援していて楽しかった。その瞬間は寒さも忘れていた。

あとそういう強い学校の選手や、小さい頃からスポーツをやっているような選手は応援ありがとうございますって何度も何度も周りに言っていた。よくわからない県の役員の方、他の選手の保護者の方、チームメイトやコーチ監督みんなに向かって頭を上げている姿が印象的だった。

ちなみにレース応援していたら昼ごはんは15:00とかになってしまった。また冷凍葡萄食べた。あと今日は干し芋食べた。干し芋はコンビニではセブンイレブンが美味しいけれど、業務スーパーで売っている3袋セットの方が美味しい。平たいタイプよりスティック状のものが好みです。

何だか寒いところに長くいたせいか、眠い。

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2/23(金)
レース日。昨日も寒かったけど今日も寒い。マイナス6℃とかそこらへん。昨日と比べると、コースはかなり滑りやすい状況になっていた。

スタートが近づくにつれてだんだん嫌だな、あぁ始まっちゃうなあというもやもやした気持ちと、緊張感や高揚感でわくわくする気持ちが混ざり合う。レース前としては、がちがちになりすぎずかと言って気の抜けた感じでもなくいい感じだった。

当たり前っちゃ当たり前だけど、国体は私が今シーズン出た大会の中でもかなりレベルが高い。だから今日の目標は、ひとりでも抜かすことだった。クロカンスキーは基本的に数十秒間隔で順々にスタートしていく。自分より前にスタートした人をひとりでも抜かせればビリ回避、ということを目指していた。速い人はいっぱいいるけど、雰囲気に飲まれず圧倒されず怖気付かず、去年よりもいい順位がとりたかった。

レース中、応援の声が聞こえてくる。これってすっごい力になる。自分の名前が呼ばれると、同じチームの誰の保護者かわからないけどスピードをあげようという思いが湧いてくる。

後から動画で確認したら、周りの速い選手に比べると圧倒的にへなちょこな滑りをしていたが、その時はもう一生懸命だった。必死で呼吸して手足を動かしていた。焦りすぎては結局ばたばたしているだけで終わってしまう。結果としては下から1/5ぐらいの順位だったけど、個人的な目標は達成したのでOKということにした。

終わってLINEを開くと、ライブ中継を見ていた母親からメッセージが入っていた。こうやって現地に来なくともその空気感が伝わるのっていいなって思った。

表彰場所前では、豚汁が振舞われていた。レース後に身体に染み渡る。さつまいもなども入った具沢山の豚汁だった。昨日振舞われていたものを食べ損ねたことを後悔した。美味しかった。美味しすぎて食べ終わるとこっそりまた列に並び、結局3杯も食べた。

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2/24(金)
レース2日目。リレーの日。

前日のミーティングでリレーメンバーの発表があった。コーチ陣がみんなで顔を突き合わせて
「なんでこんな迷わせるようなタイムで帰ってくるのかな~笑」
と悩んでいた。だから名前が呼ばれるのかどきどきした。

最後の最後に名前が呼ばれた。アンカーだった。

アップでコースをまわっているとき、私が出なかったら滑るはずだったメンバーのことやその表情を思い出した。この競技はきついけど、そんなこと言ってられない。

結局私の県はトップから遅れをとりすぎて、繰り上げスタートとなった。バトンがつながらなかったことが悔しかった。それでも、なんとか繰り上げスタートのチームの中では1位でゴールし、全体としても順位をひとつあげることができた。

小学生からこの競技をやってきたチームメンバーがこの大会を最後に現役引退し春から就職するという。花束を受け取って泣いていた。私は、大学生になって始めたスキーだけど、人生のほとんどをスキーとともに過ごしてきた選手にとってはこういう区切りは大きなものなんだろうなと思う。

最後の片づけが終了して、集合した時コーチから言われた言葉は、
「君たちがスキーをできているのは、ご両親のおかげだからありがとうと一言伝えてください。それだけで、親はわかるから。」
ということだった。

そして監督からは、
「スキーの競技生活を終えても、それぞれの場所でこの経験を生かしてほしい」
と伝えられた。

事前合宿と大会期間で1週間ほど、あっという間のような長かったようなふわふわした時間だった。

次の大会もこのままの勢いで頑張るぞー!

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