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⑤ローンの検討・資金計画

今回は古民家改修に関してのお金の話をしたいと思います。改修にあたり、DIYで少しずつ楽しみながら行うという選択肢もありますが、快適なすまいの質を考えるとプロにお願いして、できる範囲でDIYを進めていくのがベターだと考えます。そういう意味でも資金計画は初期段階できちんと検討する必要があります。


1.移住先ですぐに探さなければならないもの

第二回の記事で全体の流れについて書きましたが、古民家を内見する際にそのまちではじめにやっておくべきことが、銀行探しです。会社で融資を受けることを考えている人以外は、まずは住宅ローンを検討していきます。築年数が古い建物(旧耐震)は住宅ローンを受けられないのが一般的ですが、その土地の銀行によって全く条件が異なるため、トライしてみるべきです。今回は住宅ローンをベースとしてどのように資金計画を立てていったのかお話ししていきます。
私自身はこのプロジェクトで2つの銀行にいき住宅ローンの審査を受けました。(両銀行とも古民家改修でも住宅ローン可でした)ステータスとしては、個人事業主1〜2年目+会社員(勤続3年程度)でペアローンを申し込みました。結果としては、片方の銀行はOK、もう片方は主債務者が会社員であれば可でした。仮審査の際には、協力隊での活動内容などを記載した事業計画書も提出し、どんなくらしや事業を行いたいのか、ビジョンを説明したのは良かったと思います。(銀行にとっての安心材料の一つにはなったはず)
結果はともあれ、古民家探しと共に銀行探し、これが大事です。リフォームローンなどの選択肢もありますが、当初私が探した候補は融資金額が最大1000万円で、当然金利も高く、できれば避けたいところでした。もし住宅ローンが適用できない地方であればその予算でなんとかする方法を考えていく必要があり、見通しをたてて、資金計画に移りましょう。

2.予算組み、資金計画

MARUMORI Lab 資金計画

住宅ローンが通ることを前提として、資金計画について考えていきます。こちらが最終的な収入と支出の図です。収入に関しては、住宅ローンと手持ち金をベースにし、補助金などを考慮します。補助金については工事完了後でないと入ってこないため、その分は手持ち金で補填する必要があります。またスケジュール的な問題で土地取得費用に関しては手持ち金で支払っています。これ以外にも引越しやそれまでの生活費等も考慮しておく必要があります。補助金に関しては役場で相談すると良いです。今回は町の補助金と、断熱改修の補助金を受けました。
土地建物取得に関しては持ち主さんとやりとりを行い、不動産会社などを挟んでやりとりしていく必要があります。紆余曲折ありましたが、協力隊に着任することも決まっていて後には引けない状況でしたので、今後予想外にかかってくる経費やリスクなどを合わせて説明しました。
金額に関しては、言い値の場合もありますし、地域によってまちまちです。特にない場合などは、固定資産税課税標準額※1を基準にすることが多いようです。(今回もこれをベースに取得金額の打診をされました)持ち主さんや空き家バンク運営者、不動産会社の方などにもくらしのビジョンを共有し、理解してもらうことも大切です。
※1…税率をかけて算出した固定資産課税台帳に登録されている評価額

土地取得範囲

一番難しいのは、土地を取得する段階で、ある程度改修工事の内容を考えて予算組みを行っておくことだと思います。ローン審査と平行になりますが、設計者・施工者を通して概算を出してもらい、見通しを立てる必要があります。改修工事の内容も、Aプラン・Bプラン・Cプランというように、金額に合わせた案をいくつか準備しておくと安心です。今回は設計を自ら行っているため、その辺りの費用は0円です。
また、手持ち金は多いに越したことはありません。改修工事ですので、開けてびっくり!などはよくあります。不測の事態に対応できる余裕をみておく必要があります。加えて、工事に対して施主支給※2をすることで経費を削減することも可能です。440万円ほど施主支給して、100万円程度は工事費が浮いています。ただし、こちらに関しては施工会社によってどこまで対応してくれるか異なりますので、事前にきちんと確認しておくべきです。慎重に確認しながら発注作業をしないと、誤発注しても自身の責任になってしまうリスクを負わなければなりません。私自身は勉強も兼ねて、ありとあらゆるものを発注しました。フローリング、塗装剤、照明、コンロ、換気扇、エアコン、水洗金具、バスタブ、薪ストーブ、浄化槽などなど。一瞬誤発注をしてしまい、冷や汗をかきましたが、修正できたのでセーフでした。
※2…施工会社の代わりに​​設備・建材の発注業務をすること

3.新しい選択肢としての古民家改修くらし

工事内容については追って詳細を書こうと思っていますが、工事する部分に関しては屋根と柱・梁などの躯体だけを残してスケルトンまで解体し施工をしています。断熱性能をきちんと確保するためにはどうしてもそこまでする必要がでてきます。自身の計算ですが、結果として断熱等級6程度(地域区分4)で、冬でも朝3時間程度エアコンを回せば寒くても15°Cを下回ることはありません。今まで住んできた東京の賃貸マンションに比べてもはるかに暖かく、ゆったりとしたくらしができています。それを見込んでも、トータル4000万円以下で実現できました。
また、住宅ローンも最長の40年で組んでおり、月々の返済は7万円程度です。東京で暮らしていた際は駐車場代を含めてその倍以上はかかっていたので、生活のベースにかかってくる負担も大幅に減りました。

都心と比較したモデルケース

都心(今回は仙台)でのくらしと、里山でのくらしを金額と同スケールの図面で比較してみました。
皆さんはどちらが良いでしょうか?
仙台でマンションを買うより安く実現でき
生活空間面積は2倍あり、快適
庭に至っては言わずもがなです

MARUMORI Lab 春の庭

これからのくらしの新しい選択肢として、古民家改修くらしが現実感を帯びてくるのではないかと思い、リアルな実体験の数字を使いました。昨今の工事費高騰によってハードルが高くなりつつありますが、それは新築も同様です。比較してみると、思いのほか里山くらしにも惹かれませんか?

次回は、、、まだ決めてないのでお楽しみに笑

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