見出し画像

③移住を決めた動機

今回は、自身の移住のきっかけや動機などについてお話しようと思います。


0.変わりゆくことに柔軟になること

社会的な状況の変化もありますが、人との出会いによって考え方が結構変わったという点が大きいような気がしています。大学を卒業してからほぼ東京にいたため、その環境に慣れてはいたものの、ひたすらにものや人までも消費しているように感じられる社会に疲弊している感覚がありました。そんな中で前の会社を辞め、漠然と東京で独立して設計事務所をはじめようと思っている時に、後ろ盾も何もない中で一体どうしていけば良いのかということを改めて考えました。そこで考えた行動指針の一つは、自身に大きな影響を与えてくれると思う人に積極的にコンタクトをとる、ということです。とてもシンプルですが、今まで会ったことのある人、そうでない人も含めて、想像力を巡らせるのです。
移住するきっかけがあったと前述しましたが、自分の場合はまさに古民家の設計を依頼されたことが全てのはじまりでした。正直申し上げますと、改修の設計などの経験はそれなりにありましたが、築年数の古い建物の改修設計は経験がありませんでした。
幸運にもそういったことを依頼してくれる方との出会いがあり、古民家の設計を進めていく中で、独立した考え方が少しはできるようになった時、自分でも移住にトライしてみようかなとふと頭に浮かびました。

古民家設計を始めるきっかけとなったAMARI(滋賀県長浜市)

移住を考えるようになった状況や動機は下記の3つが主にあり、現状では特段特別なことではないので当てはまる方も多いのではないでしょうか。社会的な状況の変化に併せて、子どもの頃などの生活環境や思い出からくるものが大きいなと考えました。

1.どこでも仕事ができるようになった

MARUMORI Lab オフィス

ポジティブな側面を捉えると、コロナ禍による変化は仕事のやり方を柔軟にしてくれたと考えます。現状戻りつつある傾向もあるかもしれませんが、みなさんそれなりの実感はあると推測できます。コロナ禍では私も会社員をしていたので、自身で締切をつくりアウトプットを行い打合せに臨むことができれば大きな問題はありませんでした。(工事現場などへは適宜現地へ向かう必要はありましたが。)移住を実行する最中でも仕事はある程度継続しなければなりませんし、そういった意味でもどこでもワークは生活全体を変える一つの大きな歯車になっています。四六時中仕事ができてしまうというデメリットも発生していますが。。今のメインの仕事場は、豚小屋を改修したもので、ブヒブヒ言いながら働いています笑。

2.大人にとっての遊び場をつくるライフワーク

子ども時代は、実家が山を切ってその上に家を建てたような住宅地環境だったため外で遊ぶことが多く、暗くなっても家に帰ってこないような生活をしていました。秘密基地をつくったり、庭中に水を流して土遊びをしたり、ザリガニを釣りまくったり、洞窟に入ってコウモリを捕まえたりとやりたい放題でした。両親の実家は農家で、家庭菜園なども手伝っていた記憶があります。それから社会人になり、東京で働いていた時は、どこか都会から逃避したい想いからか、登山などのアウトドアをはじめたりもしました。山登りなんて、子どもの頃父親に連れられて行って泣きながら文句を言っていた記憶しかないのに、それを趣味にするなんて思ってもいませんでした。子どもの頃の経験から、自然が好きだというのは身体に染み付いているようです。便利で住み慣れてきた東京に住み続けるというイメージがどうしても沸きませんでした。そのような自然に回帰したいという漠然としたことも一つの動機です。自らが子どもの気分に戻って色んなことを受け止めてくれるようなおおらかな場所。そこでこれからのくらしをひとつずつ新しく、取り戻すように耕せるような場所を求めていたと思います。
結果として敷地5000㎡以上ある土地を取得したため、有り余って管理に手が回らずヒーヒーしていますが。ただそういったスペース的な余剰がある豊かさというのは何にも変えがたい価値だと思います。

3.引き継ぎたいと思うもの

チーズ入り干し柿

社会人になってからはほぼ東京におり、13年くらいは都会で設計の仕事に明け暮れていました。そんな中で実家からたまに素敵なものたち(お米、果物、梅干し、ゆず胡椒、チーズ入り干し柿、多肉植物の寄植えなど)が送られてきて、そういった応援物資が何よりの支えのひとつでした。お手製のものも多くあり、そういったものを両親が元気なうちに引き継ぎたいなという想いも動機となっています。自然あふれる里山で採れる恵みを、様々な方々から教えを乞いながら生活の一部にしていきたいと考えています。今年は自宅や近くの山で採れた梅を梅干しにしました。時間をかけて人やまちにある資源をうまく重ね合わせて、自分でも次の世代に引き継ぎたいと思えるようなものごとをつくりだしていければなと考えています。
少し話はそれますが、土地に関しては宅地と、農地も併せて取得しています。農地の取得には農林課などとやりとりをして、営農計画などを出すのが一般的です。(ほんとうは田んぼも取得したかったのですが、稲作中でタイミングが悪く取得できませんでした。)全て自給自足というのは目指していませんが、半分でも、2〜3割とかでもいいから自給自足を目指す、そんなベースとなる土地が良いなと思っていました。それはこれまで起きてきた災害やこれからのそれに備える、精神的に安心感を得られる自活力みたいなものを鍛えていけたらなという思いからきています。

次回は、具体的なことから少し離れて、移住のくらしについて考えるもととなったもの・ことについて紹介したいと思います。

#宮城県 #丸森町 #移住 #移住相談 #地方の暮らし #二拠点生活 #古民家 #まちづくり #リノベーション #地域おこし協力隊 #地方移住 #空き家 #引っ越し #田舎暮らし

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?