攻撃は強みを生かして一捻り〜第22節レノファ山口VSファジアーノ岡山/プレビュー〜


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前節共に勝利した19位レノファ山口(勝点19)と16位ファジアーノ岡山(勝点24)が迎える「プライドオブ中四国」の一戦。

 ダービーとまではいかないが、同カテゴリーでは唯一の中国地方に本拠地を構えるチーム同士の対決には少しでも盛り上がってもらいたい。

また、以下のような思いから初めてプレビューを書いてみた。




試合日程


明治安田生命J2リーグ第22節
2020年9月27日(日)19:00キックオフ
レノファ山口VSファジアーノ 
at維新みらいふスタジアム(山口)



過去の通算対戦成績


山口 2勝 (総得点8)
引き分け 3
岡山 4勝 (総得点10)

通算対戦成績ではファジアーノ岡山が勝ち越しているが、両チームの総得点にはそれほど差がない。ロースコアで試合が進むのかもしれない。


過去5試合の対戦成績


2020年6月27日 atシティライトスタジアム(岡山)

 岡山2-2山口

2019年9月1日 at維新みらいふスタジアム(山口)

 山口1-2岡山

2019年6月15日 atシティライトスタジアム

 岡山1-1山口

2018年11月4 atシティライトスタジアム

 岡山0-1山口

2018年6月9日 at維新みらいふスタジアム

 山口1-0岡山


過去5試合の対戦成績はレノファ山口が2勝、ファジアーノ岡山が1勝、2引き分け。岡山が負け越しているが、今節対戦する山口のホーム維新みらいふスタジアムでの直近の試合は2-1で勝っていること。フクダ電子アリーナのような特別苦手意識は無さそうだ。



レノファ山口の前節のスタメンを振り返る


画像1


 前節は4-4-2を採用。対戦相手のジェフユナイテッド千葉とは同じフォーメーション同士のミラーゲームとなった。

 山口のスタメン平均年齢は23.5歳。前節の岡山のスタメン平均年齢27.7歳と比べてかなり若いチームとなっている。

 左サイドでバックで起用されたDF橋本健人は慶応義塾大学ソッカー部から22年シーズンより入団が内定している特別指定の選手。内側でボールを持てる技巧派はMF田中パウロ淳一と柔軟なレーンの使い分けで左サイドを活性化させた。

 左サイドからの高精度クロスと積極的な仕掛けで攻撃を牽引するMF田中パウロ淳一は2試合連続アシスト中。ファジアーノ岡山の右サイドは堅実な守備が求められそうだ。 

 4-3-3や3-4-2-1などいろいろなフォーメーションを使って、前半戦を戦ってきたレノファ山口。そんな山口におけるフォーメーションはあくまでも選手の初期配置に過ぎない。どんな形であれ、霜田正浩監督が志向するボールを繋ぐサッカーは変わらない。

 スタメンを予想したいところだが、上記の理由から非常に難しい。霜田監督はコンディションの良い選手を起用してくるはず。

 しかし、ターンオーバーをしない限り、GK吉満大介、MF高宇洋。MF池上丈二、MF浮田健誠、MF田中パウロ淳一、FW高井和馬、FW小松蓮はスタメンに名を連ねるだろう主力選手であることは間違いない。



セットプレーで得点を決めろ



 レノファ山口は21試合を消化した現在の失点数は37。セットプレーからの失点は全体の32.4%を占めている。つまりセットプレーでの守備が弱点と言える。

 対するファジアーノ岡山は21試合を消化した現在の得点数は。セットプレーからの得点は全体の33.3%を占めている。セットプレーでの守備が弱点な山口に対してセットプレーでの攻撃が得意な岡山という構図になる。セットプレーで幸先よく先制したいところだ。

 そんな中で、MF上田康太が鍵を握りそうだ。彼の左足から放たれる美しい放物線を描いたボールはJ2での屈指の精度を誇る。セットプレーで得点するためにはキッカーの質が重要になってくる。山口の守備の穴をピンポイントで突くパスでのアシストに期待したい。

 また、前節山形戦ではコーナーキックはすべてインスイング(ゴールに向かって曲がるボールを蹴る)のキッカーを採用。第2キッカーであるMF白井永地のコーナーキックからのアシストはチームにとって好材料だ。


※データ元 football LAB






DFラインの背後を狙え



 レノファ山口は前節ジェフユナイテッド千葉相手にハイプレスをかけていた。2トップが相手DFラインへパスコースを限定しながらプレスをかけて、ミッドフィルダーやディフェンダーが連動して後ろから前に出ていくようにボールを奪いに来る。前と後ろが連動したプレッシングを実現させているのはハイラインだ。DFラインを高く設定することで、前線との距離を短くしてコンパクトにしている。

 狭いスペースでボールを扱うには高い技術が必要で、今のファジアーノ岡山にはショートパスを繋いで掻い潜る姿を想像しにくい。スタンダードな戦い方にはなるが、DFラインの背後を狙い続ける攻撃が有効になるだろう。

 そこで攻撃のキーマンにFW山本大貴を挙げたい。前節は収めるプレーを強いられ、持ち味を発揮できなかったが、裏抜けが得意な選手。相手DFラインと駆け引きを繰り返して、高い位置を取るサイドバック裏やセンターバックの背中を取るなどハイラインを出し抜く動きに期待したい。



2トップの連携で門を開けろ



 レノファ山口の前節を見て、チャンスになりそうなエリアがあった。それはセンターバックの間だ。山口のサイドバックは高い位置を取るから、背後が空きやすい。そこにフォワードが流れて起点を作る攻撃も十分効果的に働きそうだが、ここで提案したいのはSB裏を囮に使うということだ。

 ファジアーノ岡山は2トップの役割分担でCBの間を攻略したい。空きやすいSBの背後に一人が走ることで、マークについているCBを引き引き連れながらサイドに流れる。そうすることで、CB間の距離は広がる。ボール保持者はサイドに流れるFWではなく、CB間にポジションを取るもう一人のFWに鋭いパスを送る。CB間のFWが裏に抜けるように走れば、GKとの1対1を作れる。SB裏を囮に使うことでシュートシーンを増やしたい。


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サイドバック裏に流れてCBを釣り出す



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広げたCB間にFWが走り込んでパスを受ける



終わりに


 勝って連勝を3に伸ばしたいレノファ山口と勝って連勝したいファジアーノ岡山。リーグ前半戦、思い描いていた順位にはいないだろう両チームは勢いをつけるべくリーグ後半戦の初戦となる第22節は落としたくないゲーム。

 個人的には大学生活を送っている山口県と生まれ育った岡山県の対決。縁もゆかりもあるどちらのチームも良い成績を収めてほしい、可能であれば勝点3を両チームに与えたい。だが、そんな権限を持った人はこの世の果てまで探しても見つからない。

 28日から始める大学の後期授業に向けて地元岡山県から第2の活動拠点山口県に戻るため、9月27日19時キックオフのレノファ山口VSファジアーノ岡山の戦況を大学の友人と一緒にスタンドから見つめたい。


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