【速報】『高い強度と激しい切り替えの命運を握ったここぞの質』~グループA セネガルVSオランダ~

試合結果

2022 FIFA カタールワールドカップ
グループA
11/21 25:00K.O. @アル・サマーマ・スタジアム
セネガル(0-2)オランダ
84分 コーディ・ガクポ
90+9分 デイビー・クラーセン

スタメン

マッチレポート

攻守の切り替えが目まぐるしく、ピッチの至る所で激しい球際の争いが繰り広げられる。ハイテンションな試合だった。

先に仕掛けたのはセネガル。ボール奪取から縦に早い攻撃でゴールに向かった。9分、敵陣で強烈なプレスを掛けてボールを奪い、間髪を入れずに縦パスを供給してサールが反転からシュートを放つ。これは枠を越えるも、勢いのある攻撃は“エース”マネの不在を感じさせない。

2大会ぶりの出場となるオランダはセネガルの攻撃を冷静に対処する。ファン・ダイク、デ・リフト、アケの3バックが高い集中力と強度を発揮し、簡単にシュートを打たせない。さらに外切りのプレスに加えてデュンフリースとブリントを含めた5バックが低めのラインを設定することでセネガルのスピードを吸収して鉄の壁を築く。そして素早くて力強いカウンターでゴールに向かった。17分に右サイドのクロスにブリントが飛び込むも、ヘディングシュートは枠を外れた。

FIFAランク18位のセネガルはFIFAランク7位のオランダを相手にしても全くひるまない。守→攻の局面で相手を上回り、スペースが広がるうちに前線のスピードを生かした攻撃を狙う。25分にサールが左サイドから切れ込んで右足を振り抜く。巧みなフェイントでデ・リフトをかわしてPA内でからシュートを放ったが、ファン・ダイクにブロックされた。

とにかく両チームの攻守の切り替えが速い。オランダがシュートを打った次の瞬間にはセネガルが敵陣深くまで進入している。1秒たりとも気の抜けない展開で試合が推移していく。

その中でもデ・ヨングの存在感が際立つ。推進力のあるドリブルで自陣から一気に相手ゴール前までボールを運んでカウンターを加速させたと思えば、巧みなターンで相手のプレスをいなしてビルドアップを落ち着かせる。40分にはデ・ヨングがドリブルで持ち上がり、右サイドに展開。デュンフリースのパスをヤンセンが落としてベルハイスが左足でシュートを放ったが、わずかに枠を越えた。

一進一退の攻防が続く中で、ファン・ダイクとクリバリという両チームに所属する今大会屈指のCBがゴール前の守備を引き締めたことで前半はスコアレスドローで終了した。

後半も強度の高いプレーの連続で時間が経過していく中で、オランダが右サイドから縦への突破を図る。デュンフリースが馬力のあるドリブルを仕掛け、トップ下のガクポも流れていく。53分、ガクポが蹴り込んだCKにファン・ダイクが頭一つ抜けて競り勝ちヘディングシュートを放つ。しかし、これは枠を越えた。

70分には両チームが動く。オランダはヤンセンに代えてケガで離脱していたデパイを投入し、セネガルは負傷したディアロに代えてヤコブスを入れた。

アクシデントによる交代を強いられたセネガルだったが、素早いショートカウンターからチャンスを作る。65分、ドリブルで持ち運ぶデ・ヨングを2人で挟み込み敵陣でボールを奪うと、ディアッタのスルーパスに抜け出したディアがPA右から右足を振る。強烈なシュートがニアサイドに飛ぶも、国際試合デビューを飾ったGKノペルトに弾かれた。しかし、セネガルにさらなるアクシデントが巻き起こる。メンディとイドリサ・ゲイェと共に中盤で高い強度を発揮していたクヤテが担架に乗ってピッチを後にした。代わりの選手を投入するまでの間は10人で戦わなければならない。相手よりも1人少ない状況にもかかわらず、自陣での集中した守備からロングカウンターを発動させる。サールが左サイドから駆け上がっていき、パスを受けたイドリサ・グイェのシュートが枠を襲ったが、これもGKノペルトの好セーブに遭った。

オランダは78分にクラーセンとコープマイナースを投入し、中盤に強度とダイナミズムを加える。セネガルの素早いカウンターを防ぎながら、デパイが起点を作って幅と深さを使った攻撃を仕掛けていくと均衡を破る。84分、デパイのボールキープからデ・ヨングが左サイドからDFとGKの間に鋭いクロスボールを供給し、走り込んだガクポが頭で流し込んだ。ついにオランダが先制に成功した。

リードを許したセネガルはサイドの裏を突いて反発した。しかし、枠内に飛んだシュートはことごとくGKノペルトにストップされてしまう。90+3分には右サイドからのクロスにディエングが頭で合わせるも、枠を捉えることができず。

8分のアディショナルタイムはオランダがコーナーフラッグでのキープに時間を費やしていたが、終了間際に一瞬の隙を突きクラーセンがこぼれ球を押し込んで勝負あり。

高い強度と激しい切り替えがぶつかり合った一戦は、攻守におけるここぞの場面で質を発揮したオランダに軍配が上がった。



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