【勝因】『ラツィオの徹底した中央封鎖』~セリエA第25節ナポリVSラツィオ~

試合結果

2022-23 セリエA 第25節
3/3 28:45K.O. @スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
ナポリ(0-1)ラツィオ
67分 マティアス・ベシーノ

スタメン

ラツィオの徹底した中央封鎖

4位・ラツィオがリーグ戦8連勝中の1位・ナポリを撃破してリーグ戦3連勝を達成し、3位に浮上した。67分にマティアス・ベシーノがネットに突き刺した強烈なミドルシュートが大きなインパクトを与える試合となったが、ラツィオが堅牢な守備でリーグ最多の58得点を誇るナポリの攻撃をシャットアウトしたことが最も勝利を引き寄せる要因となった。

ラツィオは守備時に中央封鎖を徹底することで、ナポリの攻撃を迎撃していく。

守備の形は[4-4-2]と[4-1-4-1]を使い分ける。[4-4-2]は右IHのセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチがCFのチーロ・インモービレと前線を形成する形で、まずはナポリのパスが外回りになるように中切りのプレスを掛けていく。内側で起点を作ろうとする相手の中盤を消してからディフェンスラインにアプローチすることで、中央ではなくサイドに誘導した。

相手がサイドからハーフウェイを越えてきたら、ミリンコヴィッチ=サヴィッチは右IHのポジションに戻り、[4-1-4-1]のブロックを組む。このとき、ナポリがパスをつないで左右に揺さぶってきたが、中盤の5選手が横のスライドを徹底して行ってサイドからの進入経路を潰す。ナポリが両WGの推進力を生かしてゴールに向かってくるも、ラツィオは横のスライドを徹底することでSHとSBの二段構えで相手WGのドリブルに対応した。

サイド突破を封じられたナポリは、中央でのパス&ムーブによる攻略を狙う。しかし、ラツィオがスペースを与えない。IHのミリンコヴィッチ=サヴィッチとルイス・アルベルトが献身的に中央を閉じ続けた。相手のIHをマークするだけでなく、中央に立つことでスペースを埋め、サイドから斜めに入るクサビのパスもカットしていく。

ずっとスペースを埋めるだけでは防戦一方になるのだが、ミリンコヴィッチ=サヴィッチとアルベルトは相手のボールホルダーにプレスも掛ける。ボールにアプローチするために出ていき、中央を閉じるためにスペースを埋める。この動きを連続して行い、それに味方が連動することで、スペースを守れてボールにもプレッシャーを掛けることができる守備を築き上げた。ナポリが65%ボールを保持することになったものの、ラツィオが意図をもった主体的な守備でボールを持たせていたからだった。

ラツィオは徹底して中央を閉じる中で唯一のピンチは、ナポリがペナルティーアーク付近でのヴィクター・オシムヘンのポストプレーを起点にした攻撃を展開してきたときだった。しかし、CBとアンカーを中心に落ち着いて対応し、エリア外からのミドルシュートを打たせてピンチを最小限に留めた。

ラツィオは徹底した中央封鎖でナポリの攻撃力を削ぎ、67分に一瞬の隙を突いてマティアス・ベシーノのスーパーミドルシュートで先制点を奪った。そして試合終盤はナポリが波状攻撃を仕掛けてくるも、GKイバン・プロベデルの好セーブをはじめ守備陣が粘り強く守り切り、ラツィオが1-0で勝利を収めた。

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