【ありがとう】白井永地は無尽蔵のスタミナで前に向かって走り続ける

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 果たして白井永地は何人いるのだろうか?サッカーは11人対11人で行うスポーツであるため、白井は1人しかピッチにいないはずなのだが、2,3人いても不思議ではないくらい、どんなところにも顔を出す。無尽蔵のスタミナで、気の利いたポジションを取り続け、攻守にダイナミックに関わり続ける。常に電気を起こす発電機のような、豊富な運動量を備え、攻守にわたりピッチをアップダウンしてチームに貢献するダイナモそのものだ。

 底を尽きない運動量に目が行ってしまうが、基礎技術もかなり高い。止める、運ぶ、蹴るをそつなくこなし、何でも器用にやってしまう。2020シーズンから少しずつセットプレーにキッカーを任されるようになり、絶対的なキッカーだった上田康太が去った2021シーズンは、精度に磨きをかけて、質の高いボールを供給し続けた。

 政田での全体練習後に上門知樹(今冬C大阪に移籍)や川本梨誉(清水からの育成型期限付き移籍が延長)らともに取り組んでいた居残りシュート練習は印象的で、積極的にミドルシュートを打つ姿勢も強くなっていった。そんな彼の努力が実ったと言えるのが、ホーム琉球戦のゴールだろう。ペナルティエリア右でパスを受けると、左足のキックフェイントで相手をかわして、ニアハイに強烈なシュートを突き刺した。ゴールキーパーも反応できない完璧なコースに放ったシュートは、居残り練で取り組んできたブレ球シュート。練習の成果が発揮され、新しい武器を身につけたと言える瞬間だった。一緒に練習してきた3人でバックスタンドに駆け寄り、喜ぶ姿は今も印象に残っている。その後、ゴールネットを揺らすことはできなかったが、ブレ球ミドルシュートを試合の中でどんどんトライしていく。あまり気持ちを見せる選手ではないが、飽くなき向上心を内に秘めている。

 白井の向上心はファジアーノに留まらず、徳島ヴォルティスへの移籍を決断する。同じカテゴリーを戦うチームへの移籍に疑問を抱く声が聞こえてきて、自分自身も初めての番号入りユニフォームを購入した白井の移籍には寂しさが込み上げてきた。でも、来シーズンは相手チームとしてCスタに帰ってくることになる白井の決断を尊重したい。もちろん、ファジアーノとの試合ではあまり活躍してほしくないのが本音ではあるが、チームのために走り続ける白井の姿に胸を打たれた一人の人間として、白井の新しい挑戦を心の底から応援したい。

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