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滋賀から九州南端まで(8泊9日車中泊)

1.九州南端を目指す理由 

下の「赤目四十八滝 と 大台ヶ原の秋」では、新しい車の車中泊用カスタム(改造)が上手く行って、大台ヶ原のきれいな紅葉を楽しめたことを書きました。

今回は、もっと遠くの九州の南端の薩摩富士(開聞岳)まで、上の地図のように大津から陸路(一部、短距離フェリーを利用)で行って、長距離走破と長期車中泊に問題が無いことを確認することが、大きな目的です。

記事の構成

今回は日にちが8泊9日と長い(2022年11月9日~17日)ので、このnote記事では細かい説明を省いて写真の紹介をメインにしています。


2.あわじ島から栗林公園


明石海峡大橋
淡路島に渉ってから、橋を下から撮影したもので、天気にも恵まれ幸先良いスタートです。

栗林公園 商工奨励館
日本と西洋の建築様式が融合した明治の建物です。
モミジはすでに色付いていました。
北湖のニシキゴイ
鯉のエサが売られていて、池に投げるとこのような光景に

ここの造園には、昔の治水工事が関係していたようですが、その割には余裕ある造りに感心させられます。

一日目の車中泊地は、温泉施設「環の湯(たまきのゆ)」が併設されている「たからだの里さいた」という道の駅です。


3.満濃池と丸亀城

満濃池-1
約1300年前に造られた日本最大の人工の池で、後に弘法大師・空海が
当時最先端の土木技術で大改修を行ったと言われています。
満濃池-2
丸亀城天守
現存12天守の一つで、大きさはそれほどではありません。
関ケ原の戦いの少し後に築城され、まだ戦う城としての構造
(柱などが頑丈かつ修繕し易くなっている)となっています。
丸亀城のお城から南東に見える讃岐富士(飯野山)
これは火山ではなく、古い時代に浸食でこの形になったそうです。

このあと、ずっと西に移動して奥道後温泉「壱湯の守」で日帰り入浴し、松山市内の道後温泉本館は外から見るだけに留めました。

松山市内の路面電車
夕焼けに車体の色がよく映えてます。

フェリーで瀬戸内海の向かい側の山口県周防大島に渡ったあと、道の駅「サザンセトとうわ」で二日目の車中泊しました。
  

4.松山から周防大島

翌日は大島大橋から日本三大カルストの秋吉台、萩、須佐ホルンフェルスに向かいます。

瀬戸内の朝
潮流の速い大島大橋
最近では珍しいトラス構造で、橋脚の土台がコンクリート
ブロックではなく鉄骨構造になっているのが面白い。


5.秋吉台と須佐ホルンフェルス、元乃隅神社

昔、地理で秋吉台のことを習いました。でも訪れるのは初めてです。

秋吉台 むき出しの石灰岩
遠くに羊のように石灰岩の塊りが続きます。
写真中央の小さい森の後ろに、カルスト地形に特徴的な
凹部地形のドリーネが横一列に並んでいるのが分かります。

この窪地から雨水が浸み込んで地下に空洞(鍾乳洞)を作るそうです。


下の3枚は萩から須佐ホルンフェルスに行く途中の日本海です。
こんなきれいなところが有名ではないのが不思議です。これが東京近郊にあれば、大勢の人が押し寄せるでしょう。

このときは風景を独り占めしている気分でした。

手前の「野島」はきれいな円錐台形です。
野島が見える砂浜
海水が非常にきれいなのが分かります。


下の2枚は野島から東にある須佐ホルンフェルスと呼ばれる特徴的な海食崖です。

綺麗なストライプ状の岩が切り立った断崖を形成する須佐ホルンフェルス
ストライプ状のところを近写

海中での繰り返された地滑りの泥が積層したそうです。


下の2枚は山口県の観光ガイドに必ず出てくる元乃隅神社の鳥居です。
夕暮れ間近で人が殆どいません。

このあと、千畳敷高原キャンプ場で三日目の車中泊をしました。


6.角島大橋、唐戸市場、千仏鍾乳洞

四日目は下関の唐戸市場で朝食を食べようと、まだ暗いうちに出発し、途中の角島大橋に着いたのはちょうど夜明けでした。

角島側から本州側を見ています。

下は本州側から角島方面を見た様子です。


下3枚は下関の唐戸市場の様子です。
朝の8時で市場の駐車場がほぼ満杯でした。

朝食を摂った「よし」の前から場内を俯瞰
きれいなイトヨリ
2匹で600円は破格

この唐戸市場で朝食を食べたのち、関門トンネルを抜けて三大カルストの平尾台に向かいます。

三大カルストは先ほどの秋吉台と、下の記事で紹介した「四国カルスト」、それにこれから行く平尾台となります。

平尾台の巨大なドリーネ
露出した石灰岩
石灰岩は秋吉台のものより角が丸くて少し黒っぽくなっています。
地上に現れる前に以下で熱を受けた影響で黒いそうです。

この平尾台で特筆すべきは千仏鍾乳洞です。

下の看板の真ん中位に示された「奥の細道」から奥は鍾乳洞の中を流れる川の中を歩くこととなり、ちょっとしたケービング気分です。

鍾乳洞の入り口
入口の高さは120cm程度で、屈んで入りますが中は広くなっています。
奥の細道より先の鍾乳洞-1
奥の細道より先の鍾乳洞-2
この水の流れの中を歩いて進む
奥の細道より先の鍾乳洞-3
無料貸し出しのサンダルに履き替え、
きれいな水の中を進みます。

足下に気を取られて何度か鍾乳石に頭をぶつけました。
川の中を進むのは結構緊張しますし、同じところを往復するのにも関わらず、行きと帰りで景色が違っていて全く飽きません。

このあと、「ひがし背振温泉 山茶花の湯」で入浴と食事を済ませ、高台にある小さな道の駅「道の駅吉野ヶ里」に向かいました。


7.九州縦断

この日(五日目)は高速料金が割引になる日曜日で、かつ雨模様だったので、一気に鹿児島まで移動することにしました。

とは言え、高速道路をひたすら走るのは面白くありません。
と思って阿蘇外輪山の大観峰まで一般道を走ったところ、途中期せずしてきれいな景色に出会うことができました。

松原ダム湖(梅林湖)
山の上の雲が雪のようにも見え、
手前のおしゃれな橋梁と湖で、
一見スイスのようにも見えます。

大観峰から下ったあと高速道路を使って一気に九州南端まで行くと、天気も回復し笠雲を乗せた開聞岳(薩摩富士)を見ることができました。

夕焼け迫る開聞岳
天気が回復するときもたまに笠雲がかかるそうです。

この辺では砂むしの指宿温泉が有名ですが、そことは泉質が違う「鰻温泉」というその昔に西郷隆盛が療養したと言われる温泉で日帰り入浴しました。

4人で一杯になりそうな小さな区営鰻温泉(¥200 当時)ですが、受付のおばさんがとても気さくで、西郷隆盛がここに湯治に来たのも、こうした素朴さに惹かれたのかも知れません。

このあと、道の駅「いぶすき」移動し車中泊しました。


8.桜島、三和フェリー、雲仙

六日目は、鹿児島市内を通過して、出水市から天草、雲仙とフェリーを乗り継いでいきました。

早朝の桜島と日豊本線の電車


蔵之元港出航直後
遠くに見えるのが雲仙普賢岳か?

島鉄フェリーで島原まで移動し、雲仙温泉のレトロチックな「有明ホテル」(ゆうめいホテル)で日帰り入浴した後、土石流被災家屋保存公園で車中泊しました。

七日目は、再度雲仙温泉から普賢岳の平成新山へ行ってみました。

雲仙地獄の蒸気に包まれる雲仙九州ホテル.
蒸気に含まれるガスや水蒸気で建物が
ダメにならないか心配になります。
雲仙地獄の遊歩道
途中途中に石のベンチがあって、座ると地熱でお尻が温まります。


仁田峠第二展望所からみた平成新山
火砕流の跡が感じられる荒々しさです。
仁田峠第二展望所から見た雲仙仁田循環道路と愛車

山を下りて、雲仙市から長崎市に向かいました。

オランダ坂入口
坂が多い長崎ですが、このオランダ坂の始まり部分の傾斜は尋常ではありません。
横から見た坂の傾斜をご覧ください。(下の写真)
石畳の表面の摩耗具合から交通量が多かったと思いますが、
この坂を大八車が上がっていたのでしょうか?
周りの雰囲気に合わせたレンガ造りの病院になっているのは流石です。
戦前は「丸山」花街の見張り所、
今は普通の交番。
カステラで有名な福砂屋本店です。
今でもこの店構えで商売しています。

このあと高速道路で北に移動し、「天然温泉ばってんの湯」(¥700当時)で日帰り入浴し、道の駅「さいかいみかんドーム」で車中泊しました。


9.鍋島焼

八日目(最終日)は、鍋島焼の郷に寄って、湯布院からは「やまなみハイウェイ」で、フェリー乗り場の別府まで移動しました。

鍋島焼の郷、大川内山「畑萬陶苑」の店内の様子。
モダン鍋島と呼ばれる作品群ですが、その絵の描写力と色合いには驚かされます。


やまなみハイウェイから見た由布岳
とてもきれいな山です。

この後、別府からフェリーに乗船し、自宅に戻りました。


駆け足で8泊9日の様子を書いてきましたが、以上のとおり車中泊用にカスタムしたステップワゴンは、長距離移動も、8泊もの寝泊りも全く問題が無いことが実証できました。

自分で言うのも何ですが、この車中泊仕様は完成度が高いと思います。



ここまで長い記事をご覧頂き有難うございました。

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