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敵基地攻撃能力って、なんだ? 敵って誰だ?

敵基地攻撃能力って聞いたことがあるでしょうか?

そのままです。
敵の基地を攻撃する能力のことです。

自民党は今、防衛費をGDPの2%以上にすることを公約にし、
この平和国家日本が
敵基地攻撃能力を持つことを推し進めようとしています。

そこで皆さんに考えて欲しいことがあるのですね。
選挙の前ですから。

それは、「敵」っていったい誰のこと?ということです。

私の認識が間違っていなければ、
今、日本はどこの国とも戦争状態ではないはずです。

確かに国連の敵国条項は解除されていませんから、
第二次世界大戦の連合国側から見たら
日本は今でも「敵」なのですが、
我々から見て、世界に「敵」はいないはずなんですね。

では、「敵基地攻撃能力」とは、
いったいどういう能力を指しているのでしょうか?

ここでもういちど、「敵」という言葉を掘り下げたいのです。

敵の対義語は味方ですね。
つまり、敵という言葉は、この世を敵と味方という
二つの対立したグループに分断しようという概念です。

ですよね?

敵基地攻撃能力に賛成の人はもしかして、
アメリカが味方で中国が敵と思っているのでしょうか?
あるいは北朝鮮が日本の敵ですか?

ちょっと待ってくださいね。

勝手に妄想するのは自由ですが、
今のところ、日本に敵はいないはずですよ。
それなのに敵基地攻撃能力を持つんだ!と言って
ミサイルをどこかの国に向けたら、
その瞬間にその国を日本の敵だと、「勝手に」決めつけ、
相手にそうメッセージしていることにならないでしょうか?

福田元総理も発言しているように、
例えば中国と本気で戦争した場合、日本はまず勝てないでしょう。

アメリカと同盟国だから大丈夫?

アメリカは日本のために戦うのではなく、自国の利益のために戦います。
だから、仮に中国に対して一緒に戦ってくれたとしても
日本の国土を守ることが主目的ではないはずなので、
日本の国土そのものが焦土となることに関しては
なんとも思わないでしょう。

自分の国じゃないのだから、当たり前ですよね。

つまり、我々は誰とも戦争なんかしてはいけないし、
事実上できないんですよ。
日本の海辺を見渡せば、
数十基の原発が「撃ってください」とばかりに並んでいます。

その現実の光景がすでに、日本はどことも戦争ができないと
両手をあげているようなものです。そう思いませんか?

勇ましい気持ちになるのは自由ですが、
物騒なことを言って、他国を威嚇しないことです。
仮に戦争になったとして、その国に勝ったとして、
人と殺し合いをした後で、
我々は戦勝国として、笑顔で暮らしていくことができますか?

リアルに想像してみてください。

今の時代、小さな紛争は別として、
核兵器を向けあっている段階で、もう戦争は事実上できないのです。

した瞬間、終わりだからです。

他国との戦争に勝って、
その後の平穏な世界で幸せに生きるなどという戦後のストーリーが、
この地球には存在しないのですよ。

時間はつながっていて、ずっと続いていきます。

戦争という事象を考えるなら、
必ず「そのあとどうなるのか?」という事実と
ワンセットで考えなければなりません。

敵基地攻撃能力とは、その気のない相手に対して、
日本が勝手に「敵国認定する」というメッセージになります。
そしてそのようなメッセージこそが、不穏な空気を生み出す原因となる。

もし、どこかの国が日本を攻めてくると仮定するなら、
その前に「なぜその国は日本を攻めてくるのか?」
という問いを立ててください。

そのとき「あいつらな何をしてくるかわからないから」
という理由なはしです。
あるいは「○○人はそういうやつらだから」というのもなしです。

逆の立場でそう言われたら「ちがうだろ」と思うことは、
相手に対しても「なし」なのです。
だって、相手がそれを理由に攻めてきたら、納得いかないわけですもんね。

そして、国防ということは、国を守るということであるなら、
それはイコール戦争をしない、ということなのですよ。

いかに戦争をしないか。ここが国家の尊厳の見せ所です。
安倍政権以降の日本は、国家としての尊厳をかなぐりすて、
恥ずかしい国にどんどん成り下がっています。

弱っちくて、ダサい国に成り下がっています。

日本は資源のない小さな国ですから、
武力で戦争をして相手に勝つという方法は、ほぼ無理なのです。
ということは、どんな場面でも尊厳を保って、
戦争をしない、戦争という絶対悪をこの地球からなくすという態度でしか
事実上、国土を守れないのです。

安倍晋三さんや自民党の皆さんは「血を流す」という言葉が好きなようですが、
そもそも、相手も含めて誰の血も流させてはいけないのです。

敵基地攻撃能力は、専守防衛を
「自称・専守防衛」に変えてしまうものです。
こんなものが必要だと思い、賛同したくなるのは、
あなた自身が弱い人間だからです。

強くても、弱くても、恐らくその時が来たなら死ぬことでしょう。

それであれば、私はこの国土を無傷で防衛できる方法を選択します。
より勇気のいる選択です。

あなたが本当に日本を愛しているなら、
日本の国土の気持ちになってみましょう。
敵が来る!敵が攻めてくるかも知れない!と煽る人間こそが、
国を相手の攻撃に晒そうとする、国土の敵であることに気付いて欲しい。

戦争はなぜ起こるのか?
争いはなぜ起こるのか?

その問いを深めれば、そこにあるのは「猜疑心」です。
「疑心暗鬼」です。
つまり、本当の敵は人を疑おうとする自分自身なのですよ。

「お花畑」ではない。
そう揶揄する精神構造が、戦争を防げなくしていくのです。
本当の敵は、揶揄したくなる、その気持ちなのです。

そこが見えてくれば、
いろいろな課題を本当に解決する方法が見えてくるはずです。

それでも解決できそうにない場合、それはちがうことが原因です。
戦争産業の営利とかね。
それはもう、そもそもが嘘ということです。

さぁ、思考実験をしてみましょう。
「なぜ誰かが日本を攻めてくるのか」「それは誰なのか」
「そのあと、世界はどうなるのか」

果たして、何が見えてくるでしょうか。

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