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経済学と転売問題

皆さんこんにちは。今回は経済学から見た転売問題について解説します。一般の方々は資本主義の醜悪みたいなイメージが根強い印象です。しかし、経済学からの観点だと少し違った視点で見られるようになります。

転売問題について

最近、ネットオークションやフリマアプリの普及によって転売についての話題が注文されてきています。例えばチケット、マスク、フィギュア、ゲーム機などが高額転売されたことで有名です。一般認識だと気楽に転売されていい迷惑な話しだと思っているのが普通です。しかし、経済学からみれば"転売は必ずしも悪いとは言えない"のが経済学の認識です。

経済学の認識

では何故、経済学がそのような認識をすると、経済学では希少な資源を全ての人々に分配しないといけないことを前提にして研究します。その前提のもとでどのような方法で需要がある人に分配されるかが問題とされています。
例えば、アニメフィギュアが店に300体あるとします(供給側)。そして、そのアニメフィギュアを欲しがっている人が500人いるとします(需要側)。供給<需要の場合、欲しがっている人全員に商品を分配することができない。その場合、経済学では500人の中から最も欲しがっている300人を決める。つまり商品の価格を需要=供給までに値上げして、ある価値で買ってもよいと思った300人が商品を買える設定にします。

需要と供給-Wikipediaより

この行為に「金持ち優遇」とか「不公平」とか批判されますが、それ以外の方法がなく、仮に先着順や抽選でやったとしても、学校や仕事、交通関係の事情で並べない人々が出てきます。これでは、運が強い人だけが購入ができ、本当に需要がある人々が購入ができないことが起こります。これでは完全に不平等です。

希少資源を分配するには必ず不平等が生まれます。価格調整、先着順、抽選の中で比較的にマシな価格調整の方法が分配に適していると経済学の認識です。「誰もが安く購入するべき」とお気持ち表明する人がいるけど、実際に社会主義国家がそれを実行したが、需要と供給のバランスが崩れ、まともに供給することができず、人々が満足にサービス提供が出来なかったのです。こうした社会主義市場と転売が発生している市場は同じ構造をしています。

転売が発生しやすい市場は必ず需要と供給のバランスが崩れています。先ほど例に出したチケット、マスク、フィギュア、ゲーム機、限定グッズなどです。これらの商品は需要>供給になりやすく品薄が起こりやすい。転売はこれらの状況によって発生します。しかし、転売批判をする人達は「転売によって品薄が起きた」と主張しています。先ほども説明したが品薄によって転売が発生しているため、そのような実証はない。
転売発生条件についてまとめますと。
•需要が供給を上回る
•品薄状態
であることで、転売が発生します。

転売発生を抑制する方法

もし、市場に転売が発生し、それが望ましくないと考えるならば、対策するべきなのは供給側の改善です。問題は企業側があるので、企業が品薄状態を解決するために供給を拡大したり、値上げをすればいいのです。そうすれば、転売ヤーは高額転売をしても儲からないので、転売は自然消滅します。現に需要が落ち着き、供給が回復したマスクは転売なんてほとんど起きていません。

転売規制

転売ヤーに対して、「転売規制をしろ」と主張する人がいます。しかし、転売はどの商品が転売されるのか予想ができないことや、転売かどうか判断をするのも難しいので、規制することが難しいですし、間接的に一般的な消費も規制される可能性があります。仮に規制を実行したとしても、転売を監視するためにコストがかかります。特定の市場や商品のために、わざわざ国民の税金で使う必要性がありません。

そもそも転売は悪くない

需要や供給が不均衡の場合、企業側がそれを是正するために対応をします。しかし企業の事情でできない場合もあります。そうなれば、買うのが難しくなり、満足にサービスを消費することができません。そこで登場するのが転売です。例えば、転売ヤーが1万円の商品を5万円に転売しました。1万円から5万円に価格を上げた理由は、5万円でも10万円でも買いたい消費者がいるため、転売ヤーは高額転売しても売れることができます。つまり、転売ヤーは需要と供給のバランス不安定化を解消して、本来の需要と供給のバランスにすることができます。そして、転売ヤーは消費者の購入代行業者にもなり、仕事や学校、子育てなどで買う暇がない消費者の代わりに転売ヤーが代わりに購入して、需要がある消費者に受け渡すことができ、消費者の不平等を解消します。また、転売ヤーは貧困者の最適な商売にもなります。転売ヤーは必ずしも悪くないことがわかります。


以上。

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