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仙台・松島旅行記(後編)

前編はこちら。

1月1日・4日目(扇谷と鹽竈神社)

天気予報は雪だったと記憶している。それでも日の出の時間帯は曇りになっていたし、天気予報の曇りはあてにならない。わずかでも可能性があるなら撮りに行く、でなければ宮城に来ている理由がなくなってしまう。

車は5時に予約したので目覚ましはその1時間前、午前4時にセットした。初日の出が拝めるよう祈りながら布団に入ったが、起きて外へ出てみると絶望的な雲の厚さだ。

それでも少しでも見えるなら、と一分の可能性に賭けて扇谷へ車を走らせる。着いたときには展望台下のスペースには車がずらりと停まっていたが、かろうじて隙間があったのでそこに停めた。

日の出まで30分以上時間はある。周りを見ればどの車も運転席に明かりが見えた。外に出ている人はまだ少ないようで、皆スマホで時間を潰しているようだった。

気持ち早めに車を出て展望台へ先行する。東屋の軒下には一人だけ待機している人がいたが、先日チェックしたポイントはまだ空いている。サンサーベイヤーで日の出の方向を再度確認し、1枚撮っておく。

水平線あたりは雲が切れているので、これは奇跡が起きるかもしれない。淡い期待が生まれた。

少しずつ車から降りた人が上ってきて、東屋には収まりきらないくらいの人だかりになっていた。

その5分後くらいから雪が降り始め、日の出の時刻になった。まだ太陽は水平線から出たばかりだが、これはもう無理だろう。

10分、15分と時間が経つにつれて、人が減る。それでもここまで来たら意地である。カメラを構える人がまだ残っていたのも大きい。

ぽつりぽつりと会話をしながら結局1時間近く粘ったが、太陽がはっきり姿を見せることはなく、少し薄くなった雲にぼんやりと輪郭が浮かび上がるだけだった。

失意の中仙台に戻ったが、雪はまだ止みそうにない。とりあえず昼飯を食わねば、と店を探したがほとんどの店は営業が2日からだった。仕方なく駅ナカのドトールで済ませ、どこに行くか思案する。

元旦だが天気は悪いし、人手も多くはないだろうと考え初詣に行くことにした。早朝に起きて運転しているのでハンドルを握るのは避けたい。電車で、かつ駅からそこまで遠くない神社を探したところ鹽竈神社が見つかった。

東北本線の塩釜駅から徒歩で15分と程よい距離。しかもマップの写真では鳥居から続く長い階段があり、撮りごたえもありそう。
次の電車まで20分近く待つことになるが、どうせ他に行くあてもない。のんびり移動して撮ってで良いだろう。

駅からの道は少々アップダウンがあったが、既に何人も通っているからかスリップしそうになることはなかった。とはいえ読み通り人はあまり多くない。
後で気づいたが仙石線の本塩釜も近いので、電車で参詣に来た人は分散されたのかもしれない。

弱まったり強まったりしながらも一向に止む気配のない降雪だったが、降っていた方がここはよかった。何ならこれももう少し大降りになってくれた方が、雪が降っているとはっきりわかる写真になっただろう。

境内に上がるまでは大変だったが、この登りのおかげで参詣者の口数が少なくなる。聞こえるのは周期的にマスクの着用を呼びかける警備員の声と、雪の降る音、雪が木々から落ちる音。

雨の音も割と好きな方だが、少し騒がしく感じることもある。その点雪は無音のようでいて微かに音があり寺社仏閣では雰囲気を引き立ててくれる。

たっぷり写真を撮ってから参詣した。賽銭は奮発して500円玉。5円玉も50円玉もなかったので仕方ない、ということもあるし、この旅のもう一つの目的が散財であることも理由ではある。

初日の出が撮れなかったので特段願うこともない。せいぜいが早くコロナが収まりますように、くらいだ。

あとはひたすら撮り歩くのみ。境内にはいくつか社があったが、全て回るにはエネルギーが尽きかけていた。前日から牛タンを食べられていないのが響いている気がする。

境内にあるカフェがテントで飲み物を販売していた。迷わず甘酒を買い、少しでも体を暖める。

靴下も手袋も二重にしていたが、靴は保温剤が入っているのでまだ耐えられる。一方で手の方は何度かアウターを外していたのでだいぶかじかんでいた。これも雪の日の醍醐味ではあるが、撮影に支障が出るので楽しんでもいられない。

凍った指先が少しマシになったのであとは撮りつつ仙台へ戻るだけだ。

鳥居前は居住者以外の車両が進入禁止になっていて、本塩釜方面には屋台が並んでいた。暖かい食べ物が欲しかったが、現金を出すためにまたアウターを外すのが億劫だったことや降り方が激しくなったので諦めて来た道を戻る。

車道は融雪剤で滑らなかったが歩道は完全に氷漬けになっている。進入禁止になっているのをいいことに、交差点まではずっと車道を歩いた。

駅ロータリーのバス停の屋根に入り、被った雪を落とす。最近職場の同僚が富士のカメラを買ったようで、その際我が愛機X-Pro3の値段を見て驚いたと言っていたが、こんなになっても安定して動作するための金額と考えればやはり安いと思う。

しっかり雪を落としてからラッピングクロスに巻いて駅舎に入る準備を済ませた。駅舎内は暖房がなかったので結露の心配はないが、それでも電車内は暖かいだろう。直接濡れなくても内部に生じる水滴にはさすがに弱いので、これだけは気をつける必要がある。

どちらかというとバッグの方が心配だったが、幸い浸水はしていなかった。というか溶ける前に凍ってしまったようで、布地に付いた雪はなかなか落ちなかった。

仙台もまだ降っていて、昼間は風もそこそこあったようだ。横殴りに吹いたのか看板に付いた雪が凍って張り付いてる。

ペデストリアンデッキは雪道を撮るのに適しているが、ソール・ライターのような写真はそう簡単に撮れない。傘を差す人が少ないということもあるか。

翌日の予報は曇り時々晴れ、しかも早朝から雲マークが並んでいたので早朝の車は取らず日の出は最終日に持ち越すことにした。


1月2日・5日目(青葉山、瑞鳳殿と壮観・大高森)

夕方から明日は晴れという予報だったので、午後から車を取り松島へ行くことだけは決めていた。午前はどう時間を使うか迷って行動が遅れたが、観光バス「るーぷる仙台」で回れる青葉山瑞鳳殿へ行くことにした。

前回は地下鉄と徒歩の組み合わせで青葉山へ行ったが、冬場、特に降雪後はバスの方が絶対に良いと確信。大して時間もかからないし路面凍結の影響もない。
市内を一筆書きのように走っているため回る順番はよく考えないといけないが、それさえクリアできれば有用な足になる。

内装も木目調の落ち着いた雰囲気で、普通の路線バスよりも乗っていて楽しかった。非日常を楽しむのが旅ならば、こういった演出は大当たりだと思う。

青葉山もP5Rに登場するので聖地巡礼しつつ、参詣を済ませる。残念ながら店は開いておらず、店主が外に立っているようなこともなかったがゲームでは夏だったので仕方ない。次は七夕祭りの時期に来るとしよう。

日差しがある中での積雪風景はなかなかに撮りづらいが、青葉山は降っている時よりも晴れている時に訪れたい。それは展望スペースの存在もあると思う。

何がいいかと問われると答えづらいが、青葉山からの景色は結構好きだ。都市部でありながら空が広かったり、川の手前と奥でガラッと風景が変わったりするところが気に入っているのかもしれない。

夜景を見たことはないので、次こそは夜に撮りたい。

一通り撮り終えたが微妙に時間が余っている。るーぷる仙台で戻ると駅まで40分近くかかるようなので、それなら瑞鳳殿にも行こうと決めた。徒歩で30分ほどだったので、撮りながら行っても1時間はかからないはずだ。

先に瑞鳳殿に行ってから青葉山に来ればるーぷるで楽に回れたのだが、これは完全に下調べ不足だった。積雪している青葉山の下りは前回でしんどい思いをしているが、逆に知っているだけマシとも言える。滑りそうになりながら慎重に歩く横を、地元民がランニングウェアで駆け降りていくのを見て同じ人間には思えなかった。

歩いて降りるのは確かに楽ではないが、面白いものを見つけられる機会は増える。溶けてきた雪が落ちて、日差しで輝くのは徒歩でなければ撮れなかった。
欲を言えばもっと構図にこだわって撮りたかったが、時間に制約がある以上仕方ない。

凍った池も綺麗だった。水草は時間が止まったように固まっていて、水中まで凍っていることが分かる。スケートくらいできそうだな、と思いながらも割れたら死ぬ怖さから手すりの雪を固めて投げるくらいしかできなかった。
雪玉は水面で砕けて、綺麗に散乱した。

30分以上かかったが1時間は超えない、微妙な頃合いで瑞鳳殿の近くまで来たが住宅街の奥に鳥居を見つけて寄り道してしまった。
神主が常駐していないと書かれていたが、参道はしっかり除雪されていて手入れが行き届いていることがわかる。

幸い参道の脇から伸びる道は瑞鳳殿の参道に繋がっているようだった。

途中小さな稲荷を見つけたのでTsushima式で手を合わせる。大きさといい完全にTsushimaの稲荷だった。

瑞鳳殿は綺麗だったが、ここは降っている時の方が良かった気がする。
来るならある程度積もった状態で、さらに降雪がある日の昼間だろうか。周りの木が高いので、雪の日は夕方だと光量が足りなくなりそうだ。

青葉山は公園になっているが、こちらは伊達家の墓所なので性質はだいぶ違う。こういう場所は雪の降る音があった方が風情を感じられる。

ここまで撮り歩いたが、気づいたら時間が結構押していることに気づいた。昼飯を諦めて予約した車に向かうか、予約時間をずらすか。
結局は金の力で両方を取ることにした。運よく参道にタクシーが止まっていたのだ。仙台駅まで1300円くらいと意外と安く済んだので、片道だけならタクシー移動も良いかもしれない。

車の予約時間40分前に駅に戻ることができたので、ゆっくり昼食を取ることができた。駅ナカで開いている店も多かったので、この日は久しぶりにガッツリ肉をいただく。

ロッケンキッチン」という店の前に仙台牛サーロインステーキのプレートが2500円と出ている。昼飯は決まった。
赤い小鉢に入ったステーキソースは付けなくても塩・胡椒で十分味がついていて、肉は柔らかいが脂のくどさはない。控えめに言っても最高である。

無事に腹も満たせたので車に向かった。この日の目的地は四大観の一つ、壮観・大高森だ。方角的に夕焼けの松島が撮れるはず。

大高森の展望台に行くにはハイキングコースを歩かねばならない。最初にある階段以外は未舗装で、日陰の部分は凍っている。それに加えて手すりがない部分もあり、滑ったら強制下山させられる。

慎重に歩いて展望台が見えてきた、という道が最悪の凍り方をしていた。凸凹のある上りでどうやっても足を大きく伸ばさなければならない。だが伸ばす先は凍っている。道幅は途中より広がっているが、相変わらず柵がないので下手すると強制下山するはめになる。
というかこの高さだと流石にシャレにならない。

背に腹は替えられない、というわけで途中四つ這いになりつつ何とか展望台に上がった結果がこれである。これを晴れというのは無理があるんでないかなー、とフラストレーションを溜めつつレンズを変えて構図を吟味する。
が、とにかく風が強くて寒い。降雪していても鼻水が出なかったのに、ここでは10分おきに鼻を啜るくらいには寒かった。
そして重要な装備を持って来ていないことに気づいた。

まず三脚用のプレート。これがないと三脚にカメラをセットできない。一日何のために三脚を担いでいたのか分からなくなる。
ひとまずL字ブランケットでこれはカバーできた。

次にヘッドライト。暗闇の中の行軍には欠かせない必須アイテムだ。デメリットはダサいくらいで、両手が空く、視界方向を照らせる、普通の懐中電灯より明るい等メリットしかないのだが、これがないと下山に危険が伴う。
つまりタイムリミットが当初の想定より早まることになる。

レンズを変え、方角を変え、とにかく色々撮っていると彩雲を見ることができた。これだけはラッキーだったが、見れただけで作品とするには環境や機材が厳しい。今回の旅でハーフNDフィルターが買う必要のあるもの最上位になった。

日没20分前くらいの石巻方面は綺麗に色づいていた。惜しいのはランドマークになる島や山がないことだ。

松島方面も空の色は良かったが、最後まで雲が消えることはなかった。夕焼け写真としては失敗である。

そしてこのあたりがタイムリミットだ。5分粘ると下山中に真っ暗になり、足元が見えなくなる。木々に囲まれた山道なので、マージンの設定を間違えると本当に生命の危機につながるのでここで無理はできない。

下山を始めたらちょうど登ってくる人と何人かすれ違った。ライトもなしでよく凍結したハイキングコースを登ってきたな、と感心するほかない。やはり地元だと違うのだろうか。

車を返すと小腹が空いて来たので駅ナカの「HUMMING MEAL MARKET COFFEE & BAR」でケーキセットをいただく。ついでにiPadへJPEGを移してこの日の撮れ高をチェックした。

大高森は仕方ないとして、午前中の青葉山と瑞鳳殿は悪くないものの良いとも言いづらい、微妙な出来だった。泣いても笑っても翌日で最後になる。
早朝に車を予約しているので、ケーキを食べ終えたらすぐ宿に戻った。


1月3日・6日目(扇谷の日の出と大崎八幡宮・仙台東照宮)

泣いても笑ってもこれが最後。旅先での早起きもだいぶ慣れたが、最終日は多少整理をしておかないと後が面倒くさい。ひとまずシャワーで目を覚まし、着るもの以外は全てしまっておいた。

2日ぶりの扇谷は元旦とは全く違う表情を見せていた。この日も既に三脚を立ててる同業者が一人、俺と同じくリベンジだろうか。

とにかくこの空模様なら日の出は確実に撮れるだろう。三脚をセットし、画角の最終調整を済ませ、後は数分おきにシャッターを切って刻々と変わる空の色を残していった。

今回はX-H1にXF90mmを付けて手持ち、X-Pro3にXF35mmF2を付けて三脚にセットという構成で挑むことにした。XF16mmも試してみたが、ここでは広すぎる。右の木はまだいいとして、左と上は流石に邪魔だ。
35mmだと少し切り取るようになったので、16mmから35mmの間がちょうど良いのだろう。

Pro3はレリーズケーブルでシャッターを切るので、H1は片手で保持して撮らなければならない。目はH1のファインダーから離せない上にPro3は三脚に据えると背面液晶が開かなくなるので、一度ファインダーでセットした構図から変えるのは大きなタイムロスになる。
サンサーベイヤーで何度も方角を確認し、構図を吟味した。

そろそろ顔を出すか、というあたりからシャッター音が止まらなくなる。人は少ないがそこそこ賑やかだった。

日陰になった島々は撮って出しだと潰れて見えるが、雪もまばらになっていたのでわざわざ持ち上げるほどでもないかもしれない。しっかり雪が積もって見えていればHDRっぽく撮るだろうか、とも考えたがそれでも俺はシャドーは潰してもいいかなと思ってしまう。

島々は写っているし、そこに何があるかは主題じゃない。シルエットになっていれば十分なのだ。

H1の方はAFポイントを縦横で分けて記憶する設定にしていたので、水平を撮ること以外はだいぶ楽に撮れた。F11、ISO400でシャッター速度は1/125。換算137mmを片手で構えているので、Pro3なら間違いなく手振れしているシチュエーションだがそこは初代とはいえ手振れ補正搭載機。
若干AFが迷うこともあったが、そこまでひどい動き方ではなかったので撮影はつつがなく進めることができた。

ここからは水面に陽の光が反射するまで定期的にシャッターを切っていく。
何枚くらい撮っただろうか。水平線から太陽が離れても少しの間撮り続けていたが、そろそろ白飛びが激しくなってきた。

同業の方も先に降りていったし、何よりチェックアウトがある。満足するものは撮れているので、悔いなく松島を後にした。

さて、チェックアウトも問題なく済ませたが帰りの新幹線は17時半だ。あと半日という、微妙な時間で何を撮るか。また「みのりカフェ」で軽食を食べながらリサーチした。

今回はサバと味噌のクリームチーズサンド。正直に言おう。前回来て存在を知ったときは未知の組み合わせに食わず嫌いをしていた。
だが他のメニューは既に食べたか、ボリュームが微妙なものが多い。素材はいいし、壊滅的な味ではないはず……!と決めたのだが、これが旨い。味噌が濃すぎないので適度な塩っ気がクリームチーズと合わさって、マイルドな味わいだった。

さて、これから仙台市外へ行くのは時間的にも万が一を考えた時にもリスクが高い。そういうわけでまた初詣に行くことにした。今回は仙台市内の東照宮と八幡宮だ。

まずは国宝「大崎八幡宮」から。仙山線の東北福祉大駅からそこそこ歩かされたが、神社近くの渋滞を見て電車移動で正解だったと確信した。

調べてみるとなかなかに長い歴史を持つ社のようだったが、斬新な三密対策?もやっていた。賽銭箱は門を通ったすぐ脇にあったが、ありがたみも何もないからか皆スルーして本殿で参拝していた。

鳥居は建て替えられているが、八幡宮の文字は建造当時のものらしい。これだよ、こういうものが見たかったんだ。
駐車場側の鳥居の方が雪を被っていて綺麗だったのは少し惜しい。

時間はまだあったが、露店で現金払いするのは気が引ける。テント内に設営されていた神社が出している甘酒は消毒液もあったので、この日も甘酒だけ飲んだ。

仙山線は基本的に単線なので早く駅に着いても待ち時間が長くなるだけだった。
山形まで結んでいるから仙山線なのか、と納得しつつ普段あまり撮らない電車を撮る。

待合室がなかったこと、駅舎内も寒くスマホを触る気になれなかったので撮る以外にやることがない。

仙山線の仙台行きに乗って3駅目が東照宮だ。国指定重要文化財である「仙台東照宮」もなかなかに古いようで、調べたところ1654年の創建らしい。江戸時代初期なので家康が没してからあまり時間を空けずに建てられたということになる。

印象に残っているのはやはりこれしかない。何の案内もないので、新たに造設されたのか感染症対策なのか分からない。ただ鳥居の手前にこれを置くのはずるいと思う。

社の規模はさすがに日光には敵わないが、よく手入れされた素晴らしい社であることは変わらない。

仙台駅に戻って少し遅めの昼食を食べる。晩飯は時間的に仙台で食べられないので、これがこの旅最後の仙台飯だ。

ということで「奥州炉端 センダイエキ天海」でランチの握りセットを頼んだ。1500円ほどでノルマに届かなかったこともあるが、握りでもランチセットのご飯がついてくる仕様だったので牛タンを追加した。
食べ終わった時は腹がはち切れそうになっていたが、海鮮と牛タンが食べられたのでこれ以上の食事はない。

食後は駅周辺をぶらぶらしてスナップを撮った。ランチ終了ギリギリの時間に入ったので、気がつくとあっという間に夕方になっている。

屋根の雪はまだ残っているが、道は除雪が済んでから積もることもなかったようで、いつもの仙台になっていた。まあ俺が知っている仙台は雪景色なのだが。

撮るものもなくなったので1時間前には改札に入っていた。前回入った店は残念ながら紙巻きが吸えなくなっていた。それでもここのコーヒーは気に入っている。

ビールのように泡立つカフェラテを飲んでから、ホームにある喫煙所で久しぶりに一服した。旅の間はホテルの部屋を禁煙にしていたこともあって、だいぶ量が減っていたけどもゼロにできるかはまた別問題のようだ。

最後に帰りの新幹線。iPhoneの方が照明のある屋内は楽かつ綺麗に撮れる。料理の写真はほぼiPhoneだった。


全旅程を終えて

これで長かったような、短かったような5泊6日の旅は終わった。
GoTo停止で迷いはしたが、旅が好きなやつはあんなもんがなくても行く、という主張に励まされたところは大きい。少しでも安く上げようという旅は、学生生活をバイトで潰したので経験できずに大人になってしまったが、貰えるものを貰っているのにケチくさい貧乏旅行をするのもアホらしい。
それが理由で1日1食は2000円以上かける、というノルマをつけた。大晦日と元日は店がやってる時間に間に合わなかったが、他の日は余裕でオーバーしていただろう。

何より帰って2,3日してから送られてきたカード利用額が一定値を超えましたメールは、覚悟していたとはいえダメージがデカかった。
だが金をかけなければ旨い飯も食べられなかったし、良い景色も撮れなかったのでこういう浪費は善なのだ。

東京に帰り、仕事が始まって2週間以上たって今回の旅行をこうしてまとめ始めた。年始から2週間たっても体調に変化はない。それどころかダラダラ書いてもう1ヶ月経とうとしている。向こうで貰ってきた可能性はもはやゼロと言えるだろう。

もちろん対策はしっかり取った。消毒ジェルは常に携帯し食事が運ばれてきたら改めて手指消毒したし、店舗入り口の消毒液は入店時と出店時の両方で使った。ホテルにはエレベーターホールにも消毒液があったので、ボタンを押したときはもちろん使った。
替えのマスクは1日2枚使える計算で余分に持っていったし、食事中に話しかけられたら肘で口を覆うかマスクを鼻まで上げた。一人旅という点も大きいだろう。

しっかり対策すれば旅行しても平気という証明、とまではいかなくても実例にはなるんじゃないだろうか。

夏は嫌というほど閉塞感を味わったが、年末に充実した時間を過ごせたのでトータルではチャラか、旨い飯を計算に入れるとプラスになるか。

仙台に決めたのは完全に思いつきだったが、行って正解だった。ありがとう仙台、ありがとう牛タン。

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