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人材育成で重要なこと~リーダーの重要ミッション~

長らく、組織開発・人材育成コンサルティングの仕事をしていました。

東南アジアで活躍される日系企業の東南アジア拠点長(社長)の方とお話しさせていただく機会も多々ありました。

「社会への永続的な価値創造をしていきたい」と考える方々は、組織を強くしたいとお考えになり、組織が強くなることで、その結果として売上・利益を伸ばせる組織になっていくというビジョンを描いておられました。

私もこの考えに、心底共感します。

社長の立場からすると、「採用と育成」はとても重要な職務の1つです。
決して人事部だけの仕事ではありません。

そして、採用と育成に加え、(社外への)ブランドコミュニケーションというのが、私は、リーダーの3大ミッションだと思っています。
(ブランドコミュニケーションについてはまたいつか書きたいと思います)

今日は、その3大ミッションの1つ「人材育成」について書きたいと思います。
 
私が人材育成の中で重要だと思うことは2つあります。

1つは、求める/求められる「基準」を「明確に」示すこと。
そしてもう1つは業務のモジュール化を促進するということです。


2つ目は、一見すると「人材育成」に関係のないことのように見えますが、人の力を伸ばし1人1人が活躍することを加速させるために必要な環境整備の1つです。

■基準を明確に示す


基準を明確に示すことに関連すのが、ウェイや行動規範などです。

これらは一般的に良いとされている行動基準ではありません。
その企業が目指す方向性に向かっていくために欠かせない行動や考え方をまとめたもので、1社1社異なります。

このウェイ・行動規範のの浸透ができるかどうかが、その後「自律・自走できるかどうか」を決定すると言えると思います。
 
最も時間を割くべきは、ウェイや行動規範の説明ではありません。

これらの基準にあった行動はどれかを示すことです。

私は、スタッフの行動を観察し、基準に合う行動をしている場合には、相手に伝えていました。
そして、メールの返事でも業務上の判断・返信とは別に、良かった点を理由も明確に書いて送るようにしていました。
 
求められる基準を理解し・実現できるというのは、仕事をしていく上での基本。基本を愚直にできる人こそ、お客様への価値提供もできるようになり、活躍の幅が広がると思います。
 
具体的にどのような行動がその「基準」にあっているのかを理解してもらうには、常日頃から、Yes/not yes (つまりno)を「具体的」に示すことが重要だと(とくにyesを!)思っています。
 
とても時間も労力も根気もいることですが、これはリーダーの重要な仕事の1つだと思います。

■オペレーション業務の仕組化・モジュール化

チームメンバーの成長・チームの成長に寄与する割合が大きかったと実感した取り組みの1つが、「感覚的に(言語化せずに)行われている業務を、言語化し、そして仕組化すること」でした。
 
当時私が置かれていた状況は、日系企業として海外拠点を出し始めたところで、組織内に経験者もいない。そして英語(全員にとって第2言語)でやり取りがなされる。さらに文化背景も様々。
そういった中で、誰が行ってもオペレーションクオリティが一定のレベルをクリアすることが最重要課題でした。

このような状況下ではなおさらのこと、そうでなくとも、今月入社した人だでもある一定レベル以上の結果がでるような「業務の仕組み化」は、とても重要です。
 
仕組化できない業務は改善の余地ありと、割り切って考えると、オペレーションはどんどんスリムにそしてどんどんシンプルになります。

この過程で、オペレーションのあり方をずいぶん見直しました。

そして、私の立ち上げた「仕組み化」ver1は、現在スタッフの手で進化中で、さらにさらにシンプルになっていきました。

そして、そういうプロセスを通して、人はスキルを得て、成長していく。
さらに仕事ができるという実感が生まれ、それをモチベーションにしてさらに進化していってくれます。

成長のはずみ車が回る瞬間です。
この正のスパイラルを生み出すことが重要になると思いました。

そして、モジュール化・仕組み化での大きな効用は、

「標準化できるところにマインドシェアを取られず、効率よくできる。その分、マインドシェアと時間に余裕ができる。だからこそ、人はクリエイティブなり、また創造性を働かせながらその人らしく活躍・貢献できる時間と意識を向けることができる」

という点です。

こちらの効用の方が大きいと思います。
 

そして・・・
この2つをやるために必要なもの。

それは、時間と労力と根気と、(誰かに任せるのではなくて)自分でまずはやってみようと思う意思と行動だと思います。

本当にご苦労も多い大変なリーダーのミッションだと思いますが、取り組み甲斐のあるものでもあります。

多くのリーダーの皆さんの第一歩を心から応援したいと思います。

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