見出し画像

『ゲーテ詩集』(高橋健二訳)を読む

ゲーテ(Goethe, 1749 - 1832)の詩集。叙情詩を中心に代表的なものを年代順に配列している。『ウェルテル』や『ファウスト』もすばらしいが、やはりゲーテの魅力は詩にある。

幼な子でもすぐにわかる言葉で、世界の広さ美しさを歌い上げる。ときに読む人の胸をしめつけ、ときに人生の悲哀について思い起こさせる。栄光をつかんで倒れる英雄、若者から目をそらす少女のはじらい、緑の風景に戯れる子どもたち。ゲーテの言葉は魔法のように万物に彩りを与えてくれる。

《わたしが迷い、努め、
悩み、生きたことのくさぐさが、
ここでは花たばをなす花に過ぎない。
老いも若さも、
あやまちも徳も、
歌ともなれば、捨て難く見える。》

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?