十年間邦楽洋楽ありとあらゆる音楽を聴いた22歳のマイベスト10曲!
十二歳の頃から二十二歳の今まで、ビートルズに始まり結構な数の曲を聴いてきたつもりだ。
僕の音楽の大きな判断基準は、耐久性(自分の中で色褪せずに残っていく曲)である。今回は、何回聴いても色褪せない、むしろ輝きを増す曲を選んだ。
僕が僕であるために
僕は尾崎が嫌いだ。重くて、イタくて、聴いてるのが苦しくなってくる。イマイチ共感できないところを感じると気持ち悪い罪悪感が込み上げてくる。”こ〜の支配からのっ?”みたいに聴いてる者にレスポンスを強いてくるところとか本当に無理。でもこの曲はある種の諦観というか、落ち着きがあってすっと入ってくるし、何より歌詞がヤバい。1バースごとの輝き、全体を見た時のストーリー性、全てが完璧で非の打ち所がない。ここまで完成度の高い歌詞はこれから現れないんじゃないか。
音楽ではよく”カリスマ”という言葉がよく使われるが、僕にとって真のカリスマと言える人物はそう多くない。ちなみに僕の3大カリスマは、ジョンレノン、ジミ・ヘンドリックス、カートコバーンだ。(マイケルやフレディ、エルビスはどっちかっていうとパフォーマー)
じゃあ日本人にカリスマはいるか?と言われると、個人的に一人しかいない。それが尾崎だ。
Don't let me down
ビートルズってとにかく名曲が多いんですけど、その中で最も僕にとって重要な意味を持つのは意外や意外この曲なんです。
これ、ビートルズの曲だけをグルグルしているだけではただの悲しい曲だなで終わるんですけど、ジョンのソロ作品を聴き、彼の見ている世界がなんとなく見えてきた後に聴くと途端に輝きを増すんです。
伝説の屋上ライブのバージョンがやっぱり最高です。ビリープレストンのキーボードとブルースギターが曇天の寒空に染み渡るのがもう。。
Cream soda
音楽好きの皆さんならきっと、あの頃のよくわからない感情を表現してくれてる曲をそれぞれ持っていると思う。僕にとってのそれがこの曲だ。こんなノスタルジックで爽やかな曲を僕は知らない。
余談だがここ近年、昭和の終わり頃に生まれた世代(現在40から50歳ぐらい)に向けた作品をちょこちょこ見かける。カルテットやNetflixのFirst Loveなどはその典型例だ。これらの作品、勢いはないが何か心に残るものがある。
この世代は、”バブルの日本”の記憶がありつつ、自分がいざ社会に出てみればその恩恵に預かれなかったといういわば不遇の世代である。この世代が抱える行き場のなさの受け皿となるような作品が今大いに求められているのだ。この曲は98年、丁度彼らが青春時代を生きた時代の曲だ。氷河期世代が抱える行き場のなさの受け皿的作品の主題歌にこの曲を是非とも使ってほしい。きっと最高の作品になるはずだ。
All along the watchtower
アーティストには基本的に天才しかいないのだろう。だが、これを聴いてしまうと天才の称号はジミヘンにこそ相応しいと思わざるを得ない。天才というより、宇宙が地球に与えてくれた奇跡、といった方がいい。
ジミヘンは松本人志に非常に近い——そういえば彼の凄さが少しは伝わるだろうか。なぜなら、このジミヘンはギターサウンド、松本人志は現代のお笑いという世界観において、(そのカリスマ性も相まって、)決して絶対ではないが、やはりこれが絶対正義なんじゃないかと思わせるような、ある種の模範解答を提示したという点で共通するからだ。
お笑いに”ダウンタウン以前以後”という言葉があるように、ロックには”ジミヘン以前以後”という言葉がある。彼が登場する以前、66年前半までのギターと、67年以降のギターは明らかに音が違う。皆さんが”ロッケンロール”という言葉を聞いた時に連想する、あの”ギュイーン”という音は彼が生み出したものだ。
ちょっと前にセカオワの深瀬が、「今時、まだギター使ってんの?」と言っていたが、未だにギターにこだわる人が多いのは、突き詰めればジミヘンがいるからなのだ。ほら、芸人も未だに松本人志を崇拝してるじゃん。それと同じだ。
曲の話に戻る。この曲はもう、何から何までずーっとぶっ飛びなのだが、僕が好きなのはやっぱりソロ。ギターソロと言えば天国への階段やホテル・カリフォルニア、コンフォタブリ・ナムが上位にくるが、個人的にはこれ一択。世界で一番充実した20秒だと思う。
どんなときも
改めて聴くといい曲だな〜ってなる曲は沢山あるが、この曲は特にそれが強い。とにかく色褪せない。90年代J-POPを代表する名曲だ。槇原敬之という人間を知れば知るほど輝きを増す。
歌詞もメロディーも好きなんだけど、この曲、サウンドが地味にすごいと思う。
今聴いても全然古くない!という訳ではない。むしろメチャクチャ時代を感じる。でも他の同年代のJ-POPと比べてそれぞれの音がしっかり聴こえて、終始しっかりとしたグルーブ感と緊張感を感じることができる。時代を感じさせるのに古さは感じさせないというなんとも不思議な曲だ。
1979
ボーカルが気持ち悪い。ジャンルも取り敢えずオルタナという分類しかできず得体がしれない。しかし、紛うことなき傑作だ。
90年代洋ロックは、(少なくとも日本では)5つのバンドの独占状態にある。カリスマ性を求めるならニルヴァーナ、アート性を求めるならレディへ、オシャレでクールな曲ならレッチリ、ロックが聴きたいならオアシス、わかりやすさならグリーンデイと、大体の需要は彼らによって吸収されてしまう。(最近マイブラとかソニックユースが注目され始めたけど)R.E.Mとかスマパンは全然語り草にならない。
僕はただ良い曲を聴きたい訳ではない。芸術を通じて自分の良くわからないマニアック感情を言語化してほしいし、簡単には理解できない新しい世界を開眼させたい。そんな僕の欲求にこの曲はピッタリハマった。
この曲を敢えて分類するなら、サバービア(郊外)ロックと称するべきだと思う。都市(シティポップ、AOR)でも田舎(カントリー、フォーク)でもない郊外に住み、ビルも自然もイデオロギーもない殺風景で無為な人生を送ってきた人間達の諦観と空虚感がここにある。
Flower
邦楽好きな人はわかると思うが、98年頃に邦楽は大きな転換点に入る。小室ブームの終焉、宇多田ヒカルの登場、そしてヴィジュアル系その他数々の名盤。
この頃(90年代後半)って、(オウム、震災を経ての)酒鬼薔薇聖斗事件や山一證券とかの大手金融機関の破綻、就職氷河期があって、いよいよ日本ヤバくね?的な空気が出たことで、本当の意味でバブルが終わったときなんですよ。
そもそもラルクはcureを始めとするニューウェイブやオルタナといった、日本では流行るハズのない音楽性を核に持つアーティストだが、この時代独特の空気に加え、優秀なソングライティング能力と、hydeという絶対的フロでントマンの存在によって強引に当時の若者の心を奪ってしまった。
そんなラルクの真の全盛期が、一般的に言われる98、99年よりも前、初期サウンドの集大成である96年であることを知る人は意外と少ない。その中でもフラワーは、大衆性と芸術性を最高のレベルで兼ね備えた邦楽史上に燦然と輝く名曲だ。
Nowhere man
ジョンレノン第2章の幕開けだ。今までロックアイドルとして全世界を風靡したジョンは、64年にフォークの神様ボブディランと出会い決定的な影響を受ける。そして今まで秘めていた自らの内面を見つめ直し、この名曲が生まれた。
氷の世界
邦楽好きの中で、歌詞がいいアーティストの話をするときに真っ先に名前が挙がるのが陽水だ。世界観から言葉選びまで、ただの”良い歌詞”に止まらない異次元のレベルに達している。その中でもこの曲は圧倒的にぶっ飛んでる。
僕はビートルズをきっかけにずっと洋楽を聴いてきて、正直邦楽を見下していた。しかし、初めて買ったアルバム「氷の世界」を聴いて、ああ、日本にもすごい奴がいるんだな。と思った。
印象的な歌詞はやはり、”人を傷つけたいな”だろう。思えばこのフレーズが僕が歌詞にこだわるようになった原点だと思う。
個人的に井上陽水に惹かれるのが、彼確か、医学部目指して浪人しまくってそれ諦めてアーティストになってて、僕もメチャクチャ浪人してメチャクチャ病んだんで、この氷の世界に込められた衝動性とか狂気とか超わかるんですよ。ホント、毎日吹雪吹雪氷の世界だったよ...(今もだけど)
Good vibrations
現時点での僕のベストソング。これ以前には使われていなかったであろう独特のサウンドが見事に重なり合い、見事なグルーヴ感を形成している。緊張感が途切れる所が一瞬たりともない奇跡の曲。
大滝詠一に大きな影響を与えたビーチボーイズ。大滝詠一も素晴らしいアーティストだし大好きだが、やはりブライアンウィルソンの見ている世界はそれよりも数段深遠である。
この頃のブライアンウィルソンの世界観は、村上春樹とかなり近いと個人的に思っている。失った恋人と共に過ごした輝き、そして喪失感をここまで表現できるものなのか...脱帽である。
コメント欄でご指摘頂きましたが、女性アーティストが入ってません。。(正直あんま聴いてないです)候補としては宇多田ヒカルのautomaticとか相対性理論とか、carpentersの青春の輝きとかがありました!
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