小説 ちんちん短歌 第26話『エモのスイッチをただ押しているようなつまんねえ尻振り』
令なる寒さが和らぎ、梅の花が咲くころになった。
村の農夫ら数名が、なんとなく区画を区切った泥濘に、穀物の種を蒔く。もう、適当に撒く。素人目に見ても、あきらかにダメな種の撒き方をしている。
建はその光景を、石の上に座りながら見ている。石の冷たさが、穿いているアフリカンパンツ越しにちんちんへ伝わる。
農夫は建の視線に気づくと、笑いながら語りかける。
「食わしてんだよ、鳥に」
「なんで。貴重なのに。米」
「そうでもねえよ。こんなもんバカ採れる。だから今のうちに鳥に食っても