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写真で見るコーヒーの収穫サイクル

今回の記事ではコーヒーの収穫サイクルについてポストしたいと思います(約3000文字)。

コーヒーはナーサリー(育苗施設)で育てられ、選抜を受けた後農園にデビューします。こちらの流れは、別の記事の中でも文章にしていますのでよろしければ参照ください。

https://note.com/tik190/n/n9f3abe604a9d

コーヒーの苗は農園に移植された後、2~4年で収穫が可能になります。その後、20年以上コーヒーチェリーを実らせます。そしてたいていの品種、地域では一年ごとのサイクルで収穫期があります。

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収穫期には写真のように、コーヒーの木に赤いチェリーが実を結びます(黄色の場合もあります)

「コスタリカの例」

今回はコーヒーの木が一年の中でどうやって花を咲かせ、結実し、成熟し、収穫されるのかを、コスタリカのコーヒーの木の一年を見ながら写真とともに、確認していきたいと思います。

コスタリカには雨季と乾季があり、雨季は5月~11月、乾期は12月~4月です。今回は収穫がひと段落した2月からの流れを追いかけます。

コスタリカの農園訪問も、記事にしていますので興味があれば見てみてください。

アルサシア農園訪問: https://note.com/tik190/n/nc4131b5353bc

DOKA農園訪問: https://note.com/tik190/n/n6729f38fd4b1/edit

*コーヒーの木の開花には、雨季と乾季の切り替わりが影響を与えています。そのため一年に複数回雨季がある地域では、収穫期が複数回訪れます。

*写真は状態がわかりやすいように、コスタリカ以外で撮影したものも使用しています。

「2月~4月:剪定」

この期間にはコーヒーの木の剪定を行います。剪定はコーヒーの木の生産性を高めるために非常に重要になってきます。理由は二つあります。

①コーヒーの木は10m以上の高さまで成長するため、選定をしないと樹高が高くなりすぎ収穫が困難になる。

⇒下の写真は収穫時に、人が木に登り、たわませることによって収穫している様子です。このように、木が成長してしまうと収穫の際には木に登っての収穫が必要となり、手間も増えるうえに収穫作業の危険性も高まります。

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コーヒーの花はその年に新しくできた節にしか咲かない

⇒先程の一つ目の理由、樹高を調整というのは想像できますが、二つ目の節の話は分かりにくいので、写真を見ながら説明していきたいと思います。下の写真は、コーヒーの枝から花が咲いている状態です。

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コーヒーの花は葉っぱと同じ部分から生えているのがわかりますでしょうか。これが枝にある節です。

節はコーヒーの花、葉っぱ、そして枝が生じる起点となります。そして基本的にコーヒーの花は直近の一年で新しくできた節から生じます。

コーヒーチェリーは花が結実してできるものなので新しくできたコーヒーの節が多ければ多いほど花が増えます。そのため新しい節が増えれば増えるほど収穫量をたかめるチャンスがあります。

なので2月~4月の剪定の期間に既存の枝をどの程度切っていくか。新しい枝をどの程度増やすのかを考え、コントロールすることが収穫量に大きく影響を与えます。

「4月~6月:開花」

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乾期から雨季への移り変わりの5月から、コーヒーの木に花が咲き始めます。

コーヒーは随時花のつぼみを枝に準備していますが、これらのつぼみはそのまま開花せず雨を待ちます。

雨を浴びると降雨から3~10日すると、花を開かせます。特に、乾期から雨季に切り替わったタイミングの初めの雨によって、一気に開花が進むため、その雨のことを「ブロッサムシャワー」と呼んでいます。

花が咲き乱れる農園は、コーヒーの花から広がるジャスミンのような華やかな香りを、農園中で感じることができます。

「7月~10月:成熟」

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こんな緑色のチェリーの子供が、どんどんと成熟することによって、下の写真のように真っ赤なチェリーに成長していきます。

これらの写真を見るとコーヒーチェリーが節からしかできないというのが視覚的にもよくわかるのではないでしょうか。

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コーヒーの花は受粉の後散ってしまいますがその後9か月ほどかけてコーヒーチェリーは成熟していきます。

花が結実し、成長していく様子を横一列に並べた下の写真も分かりやすいと思います。

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一番左の花つぼみが開花して受粉すると緑色の小さい果実ができます。

この緑色の果実の中は種のもとになる部分はありますが、まだ明確に種の部分と果実の部分は分かれていません。
時間をかけて緑色から赤色に変化する中で、少しづつ種が成熟し、果肉の部分も甘く果実として成熟していきます。

この成熟にかかる期間は標高が高いほど長くかかり、標高が低いと早く収穫することが可能となります。

標高が高いと成熟に長い期間が必要なのは間違いありませんでしたが、標高差によって成熟の進み方に差が生じる理由に関しては、統一されていないようにも感じました。

日本でコーヒーの勉強をしていると、標高が高いほど寒暖の差が大きくなるからだ、と書いてある教科書もあります。

しかしながら現地のアグロノミスト(農園技術者)の方の説明では、空気の濃度が薄くなるため、チェリーの成熟に時間がかかると考えています。

いずれの考え方にしても、時間をかけて成熟したコーヒー豆は豆の密度が高くなり、複雑な香りとなるのは間違いありません。

よくコーヒーの自家焙煎のお店などに行くと、「豆がカタイ」なんて話をしていますが、フレーバーを引き出すためにきちんと火を通さなければいけない、密度の高い豆のことを「カタイ豆」と呼んでいるようです。

「11月~1月:収穫」

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上の写真は、パナマでイエローゲイシャを撮影したものです。

節の説明が分かりやすいかと思い、掲載しました。写真右手、枝の先の方はたわわに実がなっているにも関わらず写真左手の幹に近い部分には実がほとんどなっていません。

この境目が今年新しくできた節か、それとも去年すでにチェリーがなった枝か、の境目になっています。

11月ごろから標高の低い地域では、収穫が始まってきます。
小農園は自身の手で収穫しますが、大規模な農園ではピッカーが出稼ぎにきます。

収穫に関わるピッカーのお仕事に関しては、グアテマラのフィラデルフィア農園の記事をポストしたときに触れているので、そちらの記事もご参照ください。

今回はコスタリカの例を挙げてみましたがコーヒーの収穫時期はコーヒー生産国によっても変わってきます。以下具体的な例でみていきます。

「地域によって異なる収穫期」

コーヒーの生産国は世界に62か国あります。その中でも代表的な地域の収穫期を見ていきたいと思います。基本的には北半球は10月~2月、北半球では4月~9月にかけて収穫されることが多いです。

グアテマラ:11~2月
コスタリカ:11月~1-2月
コロンビア:9~12月(メイン)
      4~5月(ミタカ:サブクロップ)
*コロンビアは南部と北部でメインとミタカが逆転します。
ブラジル :5月~8月
ケニア  :10月~12月(ファーストクロップ)
      6月~8月(セカンドクロップ)
インドネシア:10月~2月(北半球)
       4月~9月(南半球)

普段のコーヒーライフではあまり使わないかもしれませんが、お勉強する際などに参照ください。

ちなみに収穫期が分かっていると、どれくらい新鮮なお豆かを確認することもできます。
北半球と南半球での大体の時期だけ抑えると、マニアックなコーヒーライフの一助になるかと思います。

今回はコーヒーの1年間を追いかけて見ました。

今日もコーヒーと共に心豊かな一日を!

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