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写真で見るコーヒーの木の成長

今回の記事では、コーヒーの木がどのようにコーヒーチェリーを生らせるまで成長していくのかを、写真とともに、時期を追いながら見ていきたいと思います(約2000文字)。

ちなみに、コーヒー豆は下の写真のように豆ではなく、コーヒーになる果実(コーヒーチェリー)の種です。

種ですので、生豆を湿度のある場所に十分な間隔をあけて置き、土をかぶせれば自然と発芽します。

コーヒーは、発芽してから3~5年で収穫できるようになります。

*成長にかかる期間は地域によっても違いますので一例として挙げています。

「2~3週間後:芽が伸びる」

コーヒーチェリーの中には、1対のコーヒー豆が入っています。この生豆は、土に撒いてから2~3週間後に、にょきっと根が出てきます。

根っこは地面に根を張りながら、コーヒー豆を押し上げていきます(写真はパナマで撮影したもの)。

「6週間後:子葉が開く」

6週間くらいかけて、土の中から茎が顔を出します。それが小指と薬指に挟まれている状態です。

この状態、ちょっとマッチ棒のように見えませんか? 現地では「ホスホリート(マッチ棒)」と呼ばれたり、ヘルメットをかぶった兵士のようにも見えるため「ソルジャーズ(兵隊)」とも呼ばれています。

この後、写真で一番左に移っているように、コーヒーのからの中から子葉が現れます。
使用は普段見ているコーヒーの葉のシェイプとは大きく異なり丸っこい形をしています。(写真はパナマで撮影したもの)

子葉:植物の種子の中にある最初の葉である。形は成体の葉と異なることが多い。

「2か月後~:初期葉ができ、葉が増える」

2か月ほどすると「初期葉」が出てきて来ます。

下の写真の、右から三つ目のポットを見ると、子葉の上に初期葉が出始めているのが、ちらっと見えるかと思います。

このように子葉と初期葉がある状態が、蝶のように見えるために「バタフライ」と、呼んでいます(写真はアルサシア農園の苗)。

「4か月後~:苗の選別」

子葉は、その後散ってしまします。でも初期葉の後は、どんどんと新しい葉っぱが茂っていきます。

4か月も経つと、下の写真のように枝が生え始めます。
この時に苗の大きさ、葉の色、全体の形をみて優秀な苗を選別します(写真はDOKAの苗)。

「1年後~:農園へ移植」

1年ほどたつと、健康的な葉と根を備えた若木が、ポッドから農園へと植え替えられます(写真はルワンダ、フイエで撮影した移植したてのコーヒーの木)。

「3年後~:コーヒーチェリーの収穫が始まる」

3年ほどたつと、コーヒーの木は成熟して、毎年実をつけるようになります。この後コーヒーの木は20~25年ほど収穫できます。

コーヒーの木の寿命は、100年程度ありますが、30年以上たった木は生産性が低くなるので、区画ごとに計画的に苗を作り植樹をしていくことが、農家の収入を最大化に必要になってきます。

「農園の管理」

この期間を過ぎても木自体は生きていますが、コーヒーチェリーの収穫量が年々減ります。

ハワイ島KAU地区で撮影したコーヒー農園、区画ごとに剪定、植え替えを管理し、収穫量が最大化するように維持している。

エチオピアのコーヒー農園、収穫量が下がってくると植え替えは行っているが、区画管理、樹齢の把握などはあいまいなことが多い。

これが種子から、コーヒーの木としての一生が、終わるまでのサイクルです。

「C.A.F.E. プラクティス」

計画的に植樹を行うことで、コーヒーの生産性も上がり、農家の収益も上がります。
私のごり押ししているC.A.F.E. プラクティスでもコーヒー農家が継続的に収益を上げるために、以下のような項目があります。

長期的な視点での生産性:CG-EM3-2 農園が設立から25年以上経過している場合は、コーヒー栽培面積の5%以上で植え替えやリノベーションする

こうやって植え替えが進み、安定してコーヒーが生産されるのは、収入が安定する農家にとっても、様々な地域のコーヒーを楽しみたい、我々にとってもうれしいことです。

「まとめ」

今回は、コーヒーの木の一生を追いかけてきました。

どれくらいの期間をかけて収穫できるようになるのか。どのようにすれば収穫性の高い農園になるのか。
そんなことを思い出しながら、今後もエシカルなコーヒーを飲みつつ、現地を応援していきたいと思う今日この頃です。

違う記事で、1年の中でどのようにチェリーが成長していくのかを追いかけた記事も、リリースしますのでご参考になればうれしいです。

コーヒーと共に良き一日を!

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