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書籍:やめられない心 毒になる「依存」


題名:

やめられない心 毒になる「依存」

制作年:

2014年

作者:

クレイグ・ナッケン (著), 玉置 悟 (翻訳)

出版社:

講談社

レコメンド(MAX5つ星):★★★★

感想:

タバコにお酒、生活リズム、特定のことへの固執、ストイックなまでの自己ルール…数え上げればキリが無いほど、自分の生き方、人生の送り方に疑問と嫌気をつねにもって生きてきました。

なぜ、そんな嫌気の指す人生なのかと考えてみると、数年ほど前から「依存」という症状が的確に当てはまると感じていました。以来、依存に関する書籍や情報を集めては、少しずつ改善したり捉え方を改めたり・・。

これまで大きな変化はありませんが、情報として知っておいて良かったです。自分を殺さずに済んだ(自殺ということまではいかない、自己黙殺のような状態を指します)ので、本書もその一役を買ってくれたように感じます。以下、本書の中から新たな発見や心に響いたフレーズを原文どおりではない箇所もございますが、抜粋します。

・人は幸福を感じるときもあれば、それが去って寂しさや悲しさを感じることもある。が、それが自然なサイクルであり、人生。このサイクルを自分の力でコントロールすることはできない。

・人間関係が生じる他者は、自分が何かをしてほしいときに事情があったり、断ったりする。が、アディクションの対象である物や行動は確実な結果をもたらしてくれる。

・アディクションから回復しようとする人が打ち勝たなければならないのは、対象との関係ではなく内部にある”アディクション体質”。

・アディクションを行うと、不安、落ち着きのなさ、後ろめたさなどを感じることがある。ところが、内面の警鐘を否定する方法を身につけていくこともまた、アディクションが進む過程の一つ。

・アディクションが進むと、「本来のノーマルな人格」と「アディクション人格」が衝突する。が、勝つのは決まってアディクション人格。

・アディクション人格がコントロールを確立すると、アディクション対象にだけではなく、アディクション人格に依存し始める。

・何事でも手順が決まっている行動を繰り返していると、その行動へのかかわりがさらに強まり、その行動に関連する価値観が強化される。

・アディクション人格に支配されると、精神的な「死」が始まる。美しい夕日、あたたかい微笑み、楽しい笑い、親しい人たちとのお互いを支え合う関係など、精神性を育むすべてのものが意味を失っていく。

・自分のアディクションを満足させるために、自分の体すら利用し、自分を虐待している。

・快感を追い求めること自体が、結局は快感を味わう能力を破壊してしまう。むき出しの「快感への欲求」は、「意味を求める欲求」へと転換しなければならない。いくら快感を得てもニーズが満たされず常に飢餓状態にあると、快感追求型人格を作り上げる。

・アディクションから脱する方法は、意識を「アディクションに冒された自己」との闘いにではなく、かすんでしまった「本来の自己」に集中し、それをいたわり強化して復活させること。ダメになった「本来の自己」を再建して、自分自身と意味のある関係を築くことを目標にする。再建の第一歩として、自分をだまさず真実を見ること。ニセ者ではなく本物になる。

・アディクションから回復する努力を長く続けていれば、いつか、人生とは古い自分を更新して新しい自分に変えてゆく継続したプロセスであることを発見する。人間としての精神の大切さがわかるようになり、回復のための原則を忘れず、自分を再生し困難を跳ね返していくことを学んでいく。そういう生き方は、それまでのアディクションに満ちた生活では体験したことのない未知の世界。

・自然の世界はアディクションとは真逆の世界。味わってみて。

・アディクションからの回復の第一歩は自分に素直になること。

・回復のための行動を習慣化する。

・アディクションとは「死」に向かう旅。アディクションから回復するとは「生」を選ぶということ。

自分に役立ちそうなこと:

・自分を嫌いになる要素に自分をのっとられたくない。ならば恐れている状態に一度なって、自分を好きになっている状態になりたい。

・何が大切か、失いたくないものや人のことを考えて生を選びたい。

・すぐにアディクション化に陥ったのだから、脱するのも習慣化してしまおう。

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