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映画:あん

制作年:

2015年

制作国:

日本・フランス・ドイツ合作

キャスト:

吉井徳江 /樹木希林

千太郎 /永瀬正敏

ワカナ /内田伽羅

あらすじ:

街角にある小さなどら焼き屋「どら春」。やる気の感じられない店主千太郎が、黙々とどら焼きを焼いていた。どら春によく来る中学生ワカナは、いつも千太郎から無料でどら焼きの皮をもらっていた。

ある日、どら春で働かせてほしいと、高齢女性の徳江が店に来る。一旦は断る千太郎だが、徳江が置いていった”あん”の味に惚れ込んでしまい、一緒に働いてもらうことになる。徳江は熱心に千太郎へあん作りを教える。

次第にどら春は繁盛店へと成長するが、徳江がハンセン病の隔離病棟から来ているということが噂で広がり、人気はぱたりと途絶えてしまう。やるせない気持ちになった、千太郎とワカナは、徳江が暮らすハンセン病の施設へと向かう。

徳江が話した想いに、人として生きることを考えずにはいられない。

レコメンド(MAX5つ星):★★★★

感想:

母と映画館に行って鑑賞した作品で、涙は出ていないのに、胸が泣いている時のような感覚になりました。同じ地球上の日本に生まれながら、人はその形も身体の機能も何一つ自分で選んで生まれてこれたわけではないのに、別の世界の者として捉え扱ってしまうことが苦しくなりました。

病気に限らず、人は自分と異なるもの、マスと異なるものを排除したり区別しがちなものです。頭ではわかっていても、程度の差こそあれ、態度や言動に出てしまうことも、自分では気づきもしないレベルで人を傷つけていることすらあります。

作品中の徳江の言葉は、ハンセン病の立場だけでなく、人間として生きることと、人間らしく生きることを考えさせられる内容でした。映画を観て決して心が暗くなるわけではなく、むしろより良い世界のためにどう生きていくか思いを強くする作品でした。

自分に役立ちそうなこと:

・自分が生まれた形や環境は運命でなく偶然。

・自分の想像の範囲は狭い。相手の立場に立って考えられないことや、相手が何であるかわかっていないことすらある。

・行動して変わらないと思ったら何も動けないし、知ろうとするだけですでに変化。

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