君は砂丘を見たか④
色々忙しく危うく砂丘を見られないまま終わるところだった。
今晩内なる砂丘が自分を呼んでいる気がしたのでまた書き始めようと思う。
Day3
昼食で牛骨ラーメンを食べた後のお話。
レストハウスから外に出、謎のリフトを横目に目の前にこんもりとある小高い砂の丘に向かう。
大げさな階段がしつらえてあり、それを昇らないことには砂丘の実在は確かめられぬのだ。
…
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
いやはや驚いたね。
この旅の発案者ほどではないとは思うけれど、自分もまだ鳥取砂丘を"発見"していなかったから、そのへんの砂浜みたいなスケール感の、ちんけなものが出てくるのではないかと疑っていたのは他ならぬ事実だった。
それが、なんだこれは。
広大な日本海を背後にバカでかい"砂丘"があるでやんの。
その驚きに囚われながら、強風吹き荒れる中「馬の背」に進む。
Leica Elmarit-M 90mm F2.8
スケール感が日本らしくなくて本当に絵になる。
Leica Elmarit-M 90mm F2.8
「あの上まで競争しましょう」
そんな声とともに急斜面に向かって駆けだす人々。
そんな彼らのうちの2人も、今やもう社会人だ。
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
彼らの後を追い、本来想定された道ではない急斜面をよじ登る。
見てくれよりも急な坂で、中盤にはもう息が上がる。見た目よりも困難なことって、世の中にたくさんあるよね。
運動不足大学生に不可能なことは多いのだ。
そんな挫折感とともに望む日本海。
日本海に会いたくなったら、それはもう大人になったということなのだろうか。
強風の中"集合写真系サークル"として任務を果たし、下山。
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
見た目よりも遠かったね、君。
Leica Elmarit-M 90mm F2.8
思ったより強風は平気だった。
まだ考えられる構図もあったと思う。
しかしここでLeica SLくんがダウン。
ただのアルミ箱となった彼を抱えて、そそくさとハイエースに戻るのであった―
残った人々はまた集合写真を撮っていたようだ。
4人しかいなかったから、砂丘―SKYUの人文字で。
後で見せてもらったらSもKも裏返っていたのは笑い話だ。
戻ってきた人々とまた車を後にして、土産物を探しに行く。
各々が梨のお菓子やら酒やらを買い、砂丘での滞在が終了した。
そういえば今度持ってくると言われた梨の酒、飲むことがないまま去ってしまったなあの人は。
山陰で全ての目的を達成した車は、ひたすらに神戸に向かって駆ける。
その中ではフェリーの話とか、快活の話とか、夜景の話とかしたような気がするけれど、ほとんどは夢の中だったようだ。
…
起きたら港町にいた。
どうやら最後の晩餐となる餃子屋のあたりに着いたらしい。
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
雨の中迷いつつもなんとかたどり着いた餃子屋。
味噌だれをつけて食べるらしい。
新神戸から新幹線に乗る早帰り組とテーブルが別れたので、急ぐのを横目に一生はんなりしていた。チャーハン、モヤシ炒め、胡麻団子、杏仁豆腐。急ぐ気がないのは明らかだ。
味はとてもよかった。特にモヤシと合わせて味噌だれを絡めたときの味が信じられないくらい旨い。今日からでも浜松餃子は醤油を廃止して味噌だれにしていただきたいくらいだ。
はんなりしているわれわれの一方で、早帰り組を擁する隣卓はもう席を立っている。
ここで彼らとはお別れだ。
餃子屋の―しかも店内で別れるとはなんと締まりのないことか。
しかし凸凹旅の終わりとしては、ちょうどよかったのかもしれない。
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
早帰り組を新神戸駅まで送った2人の帰りを待つ間、観覧車に乗った。
悪いものではなかったけれど、雨上がりなこともあって水滴に覆われる窓。
晴れてるときに乗りたいものだね。
この観覧車一周の乗車が効用の単位になるのは、またあとのお話―
Voigtlander Heliar 40mm F2.8 VM
送りの2人が帰って来たので、合流してポートアイランド北公園に走らせる。神戸大橋がきれいに見える公園ということで、ずっと橋の宅になっていた。
Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28 ZM
Carl Zeiss Planar T* 2/50 ZM
一度橋めぐりの旅が必要だなと思わせる、そんな公園だった。
橋が見えるだけの公園で大分時間を潰し、神戸の締めくくりとして六甲山へ向かった。ひどく曲がりくねった道で、ハイエースでは運転したくない道だなと思った。
Leica Elmarit-M 90mm F2.8
そんな道を時間をかけて上ったものの、天気の負けが確実で途中の展望台でさらなる登山は断念された。木が茂った斜面にある展望台、名前を付けるくらいならしっかり刈ってほしいものである。
眺めも微妙、寒さも酷い、写真はそんな状況で一応撮った程度のものでしかなかった。
締めくくりとしては微妙ななかで、下山して三ノ宮駅で姫路に泊まる2人を降ろす。
残されたのはオタク3人とハイエース、時間は23時半を回るころ。
さて、彼らの頭の中にあるものとは一体...?
次回予告
日が明けても神戸を楽しみ尽くすオタクたち!!
その行動の全貌やいかに??
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カメラはLeica SL
Adobe Lightroom Classicで現像
以上です。
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