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【映画感想文】リリー・フランキー『その日、カレーライスがききるまで』(ネタバレあり)

リリー・フランキーさんの映画を探していてたどり着いた。

タイトルだけ見て、先入観なしで見始めた作品だ。

リリー・フランキーさんは悪役もとてもよく似合うが、少し素朴なイメージのある役どころがよく似合うと思っている。
今回見た作品は、その持ち味をものすごく活かしている作品だったように思う。

✄- – – – – – ネタバレあり – – – – – ✄

土砂降りの雨。一人の男。

たったこれだけで舞台が出来上がってしまう。

このミニマムな舞台が非常に味わい深かった。

最初はどういうストーリーなのか、かなり手探りで見た。

ストーリーが進むにつれ、この男が子どもを幼い頃に亡くした、別居中の男性だとわかる。
それをじわじわとわからせてくるリリーさんの演技が深い。
雨がその哀愁をより際立たせている。

まさか本当に一人芝居で映画一本が終わるとは思っていなかったので、途中でこれは一人芝居の映画だと気づいた時にはとても驚いた。

使われるアイテムも、カレーとラジオ、電話、そして写真立ての4つだけ。
情景は雨が降っているだけ。

でもとても深い情緒を覗いた気分になった。

カレーを作って、それが出来上がるまでという短いようで長いストーリー。
この一日に彼の長い人生が詰め込まれているような深い映画だった。

映像の色味もよく、暗さや光の表現がとても好きだった。

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