映画「グリーンマイル」
BSでやっていたのでなんとなく観てみた。もちろんタイトルくらいは知っていたが、内容に関してはまったく知らないし、観ていて「ああ、これってスティーブン・キングだな」と気づくくらいのレベル。勝手なイメージだが、「グリーン」という単語につられてだが、自然あふれる山奥の森の中で暮らす家族物語と思っていたが、まったく違うものだった。
原作は1996年発表、1999年映画化。日本での公開は2000年3月。188分にもおよぶ大作だが、観ていてまったく退屈しなかった。刑務所を舞台としているので「ショーシャンクの空に」と似た雰囲気だが、ファンタジー要素がある。「ショーシャンク~」もかなり衝撃を受けた映画のひとつだが、原作を読んでいたか読んでないかの違いもあり、「グリーンマイル」の方が目の離せないストーリーとも言えた。ほとんどの展開が予想できないし、裏切りがいつ来るかという緊張感もあった。「ショーシャンク~」ほどではないが、ほとんど女が登場しないし、閉塞感ある屋内で終始汗臭そうな男ばっかり映ってるが、そういう登場人物のバランスなどまったく気にならないくらい「人間」が濃く描かれていたことが印象的。映画や小説のおもしろさってものは、人間の魅力を感じてこそのものだなと思った。
物語の終盤、主人公の判断に違和感を感じる部分があったが、まさにその判断が報いとなって返ってくるようなオチだった。この8%ほど残ってしまう後味の悪さが、さすがだなと感じた。人の判断なんて完璧じゃないし、一貫しているわけでもない。それまで快調に進めてきたことでも肝心なところに限って余計な心配をして、パッとしない結果になることもある。そういう人間臭さが描かれていることが一番心に残った。