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【連載小説】俺様人生 vol.5「DT」

ぐっすり寝て起きた土曜日。

目が覚めるとアスカが隣にいて、ビクッとする俺。

そうだった、そういや泊めたんだった……


どうやらアスカも起きたらしく、布団をスリスリと頬擦りしている。

「おはよう」

と、俺が起き上がろうとすると、アスカが上に乗ってきた。

「ねぇ、レンくん、キスしたことある……?」

突然の出来事に対処できない俺。

「キス……しちゃおうか?」

そんな誘いに俺が乗るか!!


するんなら俺様から先にしてやる!!


俺はアスカをひっくり返し、ゆっくり口づけた。

女の子の唇って、柔らか〜!!

狭いベッドの上で押さえ込むようにキスをした。

そしたら、アスカが俺の手を下に持っていく。

おいおい、いいの?そんなことして。


彼氏いるんじゃないの?


でも、誘われてやらないのは漢じゃない。

俺は全く冷静だったが、据え膳食わねばなんとやら、とアスカに手を這わせた。


胸を触ろうとすると極端に嫌がるアスカ。

「胸は小さいから、コンプレックスだから、いや」

と言う。

脱がせようともしたが、極端に嫌がる。

仕方ないのでスカートだけを脱がせた。


ゴムは、オナホのときに使っていた余りがあった。これで安心。


それにしても、あれやだこれやだとわがままな関係の持ちよう。


が、俺はこれで晴れてDTを卒業したことになる。


卒業の感想は、オナホよりは、まあ、いいです。

だった。


だってアスカはそこは嫌、あそこは嫌、そこは触らないで、とやたらストップをかけてきて、冷静だった俺は更に冷静になった。

息子が萎えなかったことが奇跡のようだった。


アスカはというと、先程の余裕はどこへやら、ベッドの上で放心していた。


俺はアスカにシャワーを進めた。

アスカは

「わかった……」

と、ふらふらしながらロフトの階段を降りた。

危ないなと思った俺は、ロフトを急いで降りて、アスカを支えながら風呂へ向かった。


アスカはふらふらしながら入っていき、ものすごいスピードで出てきた。


タオルを置き忘れていた俺は、シャワーをとめたアスカに、入り口を少しだけ開けてタオルを渡した。


俺もシャワーを浴びる。

DTを捨てた俺、普段と何も変わらない。

DTを捨てたら人生変わりました!とか言う雑誌は、あれは嘘だな、と思う。


お昼を過ぎる頃、アスカは慌ててハニタンのところへ行かねば!

と焦りだした。


俺は見送りながら、もう二度と会うことはないだろうな……そう思った。


ところが次の日、日曜日の夜にまた彼女はやって来た。

仕事が終わってからすぐに来たらしく、入り口のインターホンを鳴らすと俺を待っている。


まさか来るとは思っていなかったので、俺は、アスカがアパートの入り口から自分の部屋まで来る短い間に着替えを済ませた。


「今日はハニタンのところに行かないんですか?」

「うん、今日は行かない。レンくんと遊ぶから」

そうアスカは言うと、またカラオケに誘ってきた。

俺は所持金が微妙だったから嫌がったんだけど、

「おねーさんが出して上げる」

というので甘えることにした。


アスカの車で山から下り、カラオケへ。

カラオケは日曜日とあって、割りと混雑していた。

受付をちゃっちゃと済ませるアスカ。

そのまま店で待機する。

アスカは待合室にあるスロットにご執心だ。


十五分くらいたって、アスカの名前が呼ばれる。

アスカはちょうどスロットがかかってしまっていた。

「何号室?」

「8号室……」

「これ終わったらすぐいくから、歌ってて!」

「はい……」


俺は部屋に入ると、リモコンなどを持ってきた。

しかし、一人で何を歌えと言うんだろう?

店員さんがジュースを運んできた。

軽く会釈する。


アスカはまだなのか?

俺は軽い苛立ちを覚えた。

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