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意図を持って広告を作ろう。広告表現が起こす「炎上」からステレオタイプ表現、広告の役割とブランドセーフティーを考えましょう。H&Mのケースから。


SNS上での「炎上」が引き続き話題です。


広告物での最近の炎上ケース


広告領域では三重交通が議論の対象になりました。
三重交通側が毅然とした対応をしたことが話題になりました。

広告の炎上の分析は進んでいる


広告的な炎上は実は実ビジネスに大きな影響をもたらさないことが多いようです。
サントリーの不買運動や、アンミカさんが主演した「ドン兵衛」を題材に日経クロストレンドがずっと追いかけています。


経営者の発言の炎上も


オイシックスの会長、社長の発言が株価をはじめとしたビジネスに大きな景況を与えるケースはあります。


広告的な炎上というよりは企業の責任者の発言と広報的対応の問題です。
企業とマーケティングの一要素である広告が切り離されてしまうようです。(特に日本では)消費者にとっては別のものとして認識されていると言えるそうです。

広告の役割を考える


今回の取り上げるH&Mのオーストラリアのケースです。
企業が提供する製品・サービスのプロモーターである広告が何ものであるか、事例にして考えてみます。


炎上した広告 livedoor 記事より

記事の内容を以下要約します。

H&Mのオーストラリアでのキャンペーン広告が「女児の性的対象化につながる」という批判を受け、削除および謝罪に至った事件に関する議論をまとめます。

1. 背景: 衣料品大手H&Mがオーストラリアで展開したキャンペーン広告に、子役モデルが登場。広告では、「Make those heads turn in H&M’s Back to School fashion」というコピーが使用され、通学バスを模したピンク色の空間で制服姿の少女2人が振り返っているシーンが描かれた。

2. 批判の内容: 広告は、女児を性的対象として描くことへの批判を受けた。批判は、オーストラリアの作家メリンダ・タンカード・リースト氏を含む複数のXユーザーからのもので、「女児の性的対象化」「ルッキズムの意識を植え付ける」といったコメントが寄せられた。

3. H&Mの対応: H&Mは広告を削除し、Xで「広告に不快感を感じた方々に深くお詫び申し上げる」と謝罪。今後の広告方針について再検討する姿勢を示した。

4. 識者の見解: 東北学院大学の小宮友根准教授によると、この議論は児童への性的虐待への懸念や女性が性的対象にされやすい社会状況への問題提起であり、広告の社会的影響力とジェンダー表現に関する深い洞察を要求する。広告に対する批判や議論は、ジェンダー平等や性差別に対する社会的認識の進化を反映している。

この事件は、広告表現の影響力と、社会的、倫理的責任に関する重要な議論を促します。消費者としては、広告の背後にあるメッセージを批判的に評価し、多様な視点からの議論に参加することが、より良い社会的理解とビジネスの進歩に寄与するでしょう。

「女児の性的対象化につながる」H&Mの広告に批判殺到→削除し謝罪
消費者は広告とどう向き合うべき?識者に聞いた

Chat GPTを活用したまとめ、太字は筆者

論点・争点はどこに?


批判を受けたH&Mの広告に関して、問題がキャッチコピーにあるのか、画像にあるのか、あるいはその両方に問題があるのかを明確にすることは重要です。以下にその点をハイライトして要約します。

問題の核心:

H&Mの広告が受けた批判は、主にキャッチコピーと画像の両方に関連していますが、これらの要素がどのように組み合わさって問題となったのかに焦点を当てることが重要です。

1. キャッチコピー: 「Make those heads turn in H&M’s Back to School fashion」は、新学期に向けてH&Mのファッションで注目を集めようというメッセージを伝えます。この文言自体が、特に少女が学校で「注目を集める」ことを促すと解釈され、批判の対象となりました。

2. 画像: 広告の画像は、通学バスを模したピンク色の空間で制服姿の少女2人が振り返っているシーンを描いています。このビジュアルが、キャッチコピーと組み合わさることで、「女児の性的対象化」や「ルッキズムの意識を植え付ける」といった批判を引き起こしました。

3. 組み合わせの問題: 批判は、キャッチコピーと画像が組み合わさることで、特に女児に対する社会的な視線や期待を強化することへの懸念から生じています。広告が意図せずに女児を「注目の対象」として性的なニュアンスで描いてしまうこと、そしてそれが社会的なステレオタイプや性差別的な視線を強化する可能性があると指摘されました。

この広告に対する批判は、キャッチコピーと画像の組み合わせによって、女児に対する不適切なメッセージが伝えられ、社会的な視線や期待が強化されるという点に集中しています。このような広告表現が、女児に対して不必要な外見への注目を促し、性差別的なステレオタイプを強化することへの懸念が表明されたのです。

「女児の性的対象化につながる」H&Mの広告に批判殺到→削除し謝罪
消費者は広告とどう向き合うべき?識者に聞いた

Chat GPTを活用したまとめ、太字は筆者

ステレオタイプの問題


広告表現に見られるステレオタイプについてが問題のようです。
ステレオタイプ=多くの人に浸透している先入観や思い込み=を刺激する表現は揉めやすいです。
昨年のヒルトンの炎上ケースもここに問題があったと思っています。


ヒルトンの「旅館見下し動画」大炎上も当然の理由 参照

ステレオタイプ表現とは

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