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未解決事件簿11:弁護士への相談1~嘘の理由で「証拠保全」拒否、病院を擁護し家族の話は一切無視

これまで10回に渡って、医療事故(傷害)の具体的内容とその後の病院側の悪質な隠蔽工作について詳しくお話してきました。
 
この事件の内容、特に死亡後の隠蔽工作・完全犯罪のカラクリについて、皆さんは理解できたでしょうか?賢明な読者の皆さんはこの話は十分理解できているのではないかと思います。もし理解できない箇所がある場合には、コメントで質問していただければお答えしたいと思います。
 
病院側の完全犯罪を見破るのに、父の死から2年の歳月を要したということは前回お話しした通りです。従って弁護士に相談する時点では、父の死後の病院の隠蔽工作のカラクリについては何一つ解明できていませんでしたし、疑いの視点すら持っていませんでした。
 
僕たちは父の死から程なくして、殺人罪で医師を刑事告訴してほしいという依頼をするために、弁護士を訪問することにしました。医師とのやり取りの録音記録を文字化してコメントを付けた資料や、父の入院経過と医師説明内容を元にした分析資料を作成し、それを持参して詳しく説明することとしました。
 
また僕は弁護士への相談に先立って医療訴訟に関する書籍を数冊購入して精読しました。それによると病院から医療記録を入手する最善の方法は、任意開示請求ではなく民事訴訟上の正式手続きである「証拠保全」であるとのことでした。

任意開示請求の場合、カルテ等、医療記録を開示する法的義務は病院側にはないため拒否される可能性があり、また開示されるとしても窓口で請求してから実際に開示されるまでの期間に法的制限はないため、記録の消去や改ざんの時間的余裕を相手に十分に与えてしまうこと、また医療記録を網羅的に入手することが不可能であることなどが挙げられていました。

一方、「証拠保全」の場合、病院側に事前予告せず抜き打ちで行われるため、カルテ等医療記録の改ざんの時間的余裕を与えず、医療記録を網羅的に押収することが可能とのことでした。
 
この問題の病院は隠蔽体質の悪質な病院であることは明らかでしたから、僕たちの場合は任意開示請求ではなく証拠保全一択でした。
 

1回目の訪問:嘘の理由を付けて「証拠保全」拒否

1件目の弁護士は、Y総合法律事務所のF弁護士・H弁護士でした。
2010年10月1日、10月21日の2度訪問しました。
 
1度目の訪問で、僕たちは父の経過と医師説明内容について資料を提示しながら詳しく説明しました。

我々遺族、入院中の経過と医師説明内容を説明

特に医療事故によって生じた「心タンポナーデ」を隠蔽・放置して看取らせようとして回復不能の状態に陥り、それが原因で死亡した、刑法の条文で調べたところ、これは不作為の殺人罪に該当する、もう少し詳しく調べて、殺人の疑いで医師を刑事告訴したい、と話しました。

両弁護士、我々遺族の話を信じず

F弁護士は「医療事故を起こして医師が放置して死亡させることなどあり得ない。殺すのならもっと簡単な方法で殺すはず。あなたたちは頭がおかしい」と僕たちの話を頭ごなしに否定してきました。「本当なんです。これがその資料です」と資料を見せながら説明しましたが、両弁護士とも資料から目を背け、全く聞く耳を持ちませんでした。
 
「このような資料だってあなたたちが作ったものでしょう。それを信用するわけにはいかない」と弁護士は繰り返していました。「それなら病院から医療記録を手に入れて、それを分析したいと思います。同じ結果になるはずですが、証拠に基づいた説明しか信用できないということでしたら、それに従いたいと思います」と僕は答えました。

証拠保全依頼を拒否、任意開示請求を奨められる

そこで病院から医療記録を入手する目的で、F弁護士・H弁護士に証拠保全を依頼したい旨、話しました。
 
すると両弁護士とも難色を示しました。「それはできないですね。まずは病院の窓口に行って任意開示を求めて下さい」と言われました。
 
僕たちは病院側の対応の不誠実さについて説明し、大事故・大事件でもあることから、それを隠蔽されないためにも、法的に正式な手続きに則る必要があることを何度も強調しました。しかし両弁護士とも全く聞き入れてくれませんでした。
 
両弁護士は次のように説明しました。
 
「証拠保全手続きが認められるのは次の場合に限られる。
①     病院に任意開示請求に行ったが断られた場合
②     担当の医師がカルテ改ざんの常習犯であることを立証できた場合」

 
そしてまず病院に医療記録の任意開示請求をするのが第一歩、だから皆さんは病院に行って任意開示を求めて下さい、と言われ、1回目の相談は終了しました。
 

2回目相談までの準備
医療訴訟関連書籍の熟読・調査

僕たち家族は帰宅してから、次の相談までの間に医療訴訟の書籍をもう一度丁寧に読み込みました。「証拠保全」の必要条件として弁護士が言っていた上記の2つの条件はどこにも記載されていませんでした。弁護士は「証拠保全」を断るために嘘の理由を言っていたことになります。
 
弁護士が「証拠保全」を断ろうとした理由は判然としませんでしたが、両弁護士とも不自然に病院を擁護し、僕たちの話には一切聞く耳を持たないという、強いバイアスがありました。僕たちが訪問する前に病院組織から何らかの働きかけがあり、買収などの手段によって取り込まれていた可能性が高いと考えました。
 
医療記録の任意開示を病院に求めるのは得策とは言えず、弁護士に証拠保全を依頼したい気持ちに変わりはありませんでした。十分に書籍を読み込んだ上で再度、弁護士を説得すれば受任してくれる可能性も十分あるのではないかと考え、それに期待して次の相談に臨むことにしました。
 
そして2010年10月21日に再度訪問しました。

2回目の訪問:証拠保全拒否、病院を擁護し遺族を叱責


F弁護士、H弁護士ともに「また来たんですか」と露骨に嫌な顔をしていて、初めから嫌な気持ちになりました。
「それで病院に任意開示を求めた結果はどうでしたか?」とF弁護士は聞いてきました。
「いえ、していないです」と僕たちが言うと、「まだしていないんですか。
それじゃ、この期間、何をしていたんですか?」と非難
してきました。
 
「実は「証拠保全」について医療訴訟の成書を複数読むなどして勉強しました。そうしたら証拠保全を受任していただける要件として、先生たちの言うような、病院に任意開示請求をしたら断わられたとか、担当の先生たちがカルテ改ざんの常習犯であるということが立証できる場合、などのような要件は、どこにも記載されていませんでした。いえ、僕たちは別にF先生を非難したいわけではないんです。先生たちに「証拠保全」をお願いしたい、その一心で、こうして調べてきました。どうか僕たちの思い、分かって下さい」と頭を下げました。
 
F弁護士は腕を組み、「それは難しいですね。とにかく我々は証拠保全は受任できませんし、あなた方の主張も全く理解できません」と断固拒否していました。
 
僕たちは「医療事故によって生じた心タンポナーデを故意に隠蔽・放置してその解除が遅れたために回復不能の状態に陥って、最終的に死亡した」という経緯について改めて分かりやすくかみ砕いて説明しました。
 
「分かりやすい話だと思うんですけど、これでも理解できませんか?」と僕は尋ねました。
 
F弁護士は「分かりませんね」と言った上で、「でもその心タンポナーデとやらを、最終的には対処して、一時的にでも回復したわけですよね」と言いました。これは、「最終的にはやりましたよね(心タンポナーデに対して心嚢穿刺という治療をしましたよね、という意味)」という病院の循環器内科部長の医師のコメントと内容的には同じで、明らかに病院側をかばう発言でした。

何故、F弁護士が僕たちに敵対して病院医師をかばうのか、全く理解できませんでした。
 
「回復したとは言っても、意識は回復しませんでした。やはり心タンポナーデの解除が遅れたために、脳に大きな障害が残ってしまったのは明らかでした」と僕は説明しましたが、F弁護士は首を傾げるだけで、うなずきませんでした。
 
僕たちは、何とか助けてほしい、力になってほしい、と涙ながらに訴えましたが、2人の弁護士は、そんな泣き崩れる僕たち家族に追い打ちをかけるように、無情にも非難の言葉を浴びせ続けました。
 
「先生が故意に患者を殺したとか、治療できる状態なのに故意に放置したとか、そんなことあるわけがないじゃないですか」とF弁護士は言いました。

「あるわけがないことが実際に起こったんです。だからこうして助けてほしくて相談に来たんです」と僕たちは泣きつきました。

弁護士はそれには答えず「殺すなら、そんな面倒なことをしなくても簡単に殺せるじゃないですか。殺すとしたら、何故そのような方法で殺すのか、我々には全く理解できない。殺意を証明するのは難しいし、病院の先生に殺意があったとはとても思えないですよ。あなたたちはそもそも言っていることがおかしいですし、頭がおかしいです。おかしいのは病院の先生ではなく、あなたたちの方です。物を言うときは、ちゃんと常識を踏まえた上で、発言するように気を付けて下さい。我々は今後、法律相談も何も、一切お断りしますから、もう二度と来ないで下さい」
と強い口調で僕たちを非難・叱責しました。
 
単なる医療事故ではなく、これだけの大事件であるからこそ、僕たち家族は弁護士を頼って相談に行ったのに、その弁護士に鉄槌を下すがごとく痛めつけられ、僕たちは立ち直れないほどに傷つけられました。
 
おそらく、F弁護士たちの「狙い」もそこにあったのだろうと、後になって考えました。
後になって、僕たちが訪問する弁護士たちに対して、僕たちの訪問に先んじて病院側が手を回していたとしか考えられない状況が次々に判明していくことになったからです。

大事件であればあるほど隠蔽が容易という皮肉な構図


僕たちは非常に難しい状況に置かれていました。

この事件が単なる医療事故・医療ミスではなく、そこに「故意」が関わっていること、つまり刑法上は「殺人罪」であること、そしてこのような事件は前代未聞であることが状況を難しくしていました。

重罪を犯した者ではなく、それを話す者が非難される

「医師が患者を殺害した」というこれまで我が国に前例がない話をすると、弁護士は「そうか、それは大変だ」とはならず、逆に「そんなことがあるわけがない、あなたたちは頭がおかしい」となり、極刑に値する重罪を犯した医師の方ではなく、そのような話をする僕たち被害者の方を「頭がおかしい」と非難するわけです。
「分かってもらう」というハードルが非常に高いわけです。

この病院・医師は世間一般の誰もが信じないほどの前例のない超ド級の重罪を犯したわけですが、僕たち被害者がそのような大犯罪の話をしても誰も信じてくれず、逆に話し手である僕たち被害者の「常識」や「思考回路」の方が疑われてしまうというこの状況は、皮肉なことに犯罪者の病院・医師を守る鉄壁のガードとなってしまいました。
 
こんな理不尽なことがあるでしょうか。

 信じてもらうには客観的な物的証拠が必要

僕たち遺族が何度言葉で説明しても受け入れてくれないのなら、物的証拠、つまり医療記録を入手するしかないと考えていました。医療記録という客観的な証拠をもとに医師が殺人罪を犯したことを十分な蓋然性をもって立証できれば、信じられないことであっても、信じたくないことであっても、信じなければならなくなります。
 
僕たちはインターネットで医療訴訟に強い弁護士・団体を検索し、「医療事故研究会」に相談依頼を郵便で送ることにしました。
 
その結果、担当になった「弁護士」も、非常に厄介で手強い人物でした。
 
そのことについては、次回、お話ししたいと思います。
 
追記①:最終目標は病院・医師の実名報道
僕の最終目標はこの事件を明るみに出して、この病院・医師の実名報道を実現することです。
 
追記②:「フォロー」と「スキ」のお願い
この事件に興味がある、この病院・医師が許せない、この病院はどこの病院なのか気になる、実名報道まで見届けたいと思われた方は是非、「スキ」と「フォロー」をよろしくお願い致します。

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