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おすすめのクジラの本【海獣学者、クジラを解剖する&晴天の迷いクジラ】

淀ちゃんがまだ元気だったころ、このツイートを見かけた。 なんとなく気になってKindleで購入。そのまま夜通し、後半ずっと泣きながら読んで、いい本だった…と思った後に、『あのツイートは作者さんご本人だった』と気づいた。 『晴天の迷いクジラ』では作者さんのツイート通り、なんでクジラが迷うのか、クジラを見守る地域の人はどんな悩みを抱えるのかを描いている。 でもこのちょっと前に、『海獣学者、クジラを解剖する』という亡くなってしまったクジラのその後が描かれた本も読んでいるので、2

5月に読む3冊

カワクボリョウさんの次に読む3冊の記事を見て、『積読から次に読む3冊を宣言したら確実に多少は積読消化できるじゃん!』と思ったのでわたしも次に読む3冊をご紹介してみます。選書基準は単純にわたしの興味です。 達人プログラマー ―熟達に向けたあなたの旅― 第2版今月のエンジニア本枠。 前の4月1日で5年目エンジニアとなったはずなんですが、いまだにエンジニアとしてどうあるべきか?みたいなのは全く見えてません。 何かの助けになるかもなあと思って4月中旬にお買い上げ。なかなか分厚そうな

プログラミングの時間を確保するための簡単なこと。 - TeamGeekを読んだ

メンターさんに推してもらったTeamGeekという本を読んだ。 チームづくりにおいて大事な要素だと言われる『HRT(謙虚・尊敬・信頼)』についての本で、これを実践するだけでコミュニケーションがスムーズになり、プログラミングの時間がたっぷり確保できるようになるという話。 新卒エンジニアにリーダブルコードとあわせて贈りたいくらい、エンジニアにおけるコミュニケーションの基本のキが詰まった厚くない本である。 HRT(謙虚・尊敬・信頼)はあらゆる社会的活動の基礎である昔の航空事故では

疾走感あふれる、忘れられた『平家物語』の物語 [平家物語 犬王の巻/古川日出男]

大好きなアヴちゃんが映画の主演やるらしい!うれしい!!原作小説があるらしいから買って金曜読もう!!!って思ったんですが、我慢できずに木曜に読んじゃいました。途中からすごい楽しくて、一緒に駆け抜けられる、そんな本でした。 あらすじ平家の宝を探して生きるイオの者である友魚。友魚はある事件で失明してしまい、紆余曲折を経て、琵琶の音とともに平家物語を語る琵琶法師となる。 時を同じくして、猿楽の家の産まれたのちの犬王。彼は父にかけられた呪詛によって、この世のものとは思えない醜い姿で産

書きたい人のための処方箋 - 『書く習慣』を読んで-

書きたくても書けなくて悩んでいる人のための処方箋だ!!と、思う本でした。 書く習慣ってタイトルですが『書く習慣をつけよう』という感じではなく、『書くことは怖くないよ!書こうよ!何を書いたらいいかわからない?それならね…』と誘いながら、書くことへのハードルをめちゃくちゃ下げてくれる本。最後にはハードルが5センチくらいになってる。 私は書くこと自体に抵抗は全くないんですが、公開するハードルが5mくらいの巨壁で、その巨壁が見事に粉々になりました。やったね! 最後に52のコツまと

海獣学者、クジラを解剖する をよみました

前のバッタの研究者の本読みましたが、バッタとはまた違う苦労を感じます。今回は日本の国立科学博物館に勤務されている方の本。 海の獣って、わからないことだらけクジラって見た目は知られているけれど、その生態はわからないことだらけ。 陸の動物みたいにカメラをしかけて観察とかも難しいし、望遠カメラとかも使えないし、川魚よりも行動範囲はずっと広いし、熱帯魚みたいに飼育するわけにもいかない。アシカやアザラシのように陸上生活も長い種は観察もできるし、イルカくらいの大きさであれば飼育もできる

同志少女よ、敵を撃て をよみました

情勢を解説する動画で紹介されていて、小説なら読んでみるか…と軽い気持ちで読んでみたら、かなり熱中度が高くて一気に読んで読みおわった後すごい噛み締めてた本。 あらすじ戦中ながらも、平和な田舎町だったイワノスフカヤ。猟師の娘であるセラフィマは今日も母と狩りに出かけていた。 彼らにとって猟とは、食肉を手に入れる手段であり、食害をする動物を減らす手段でもある。殺さなければ、飢えて誰かが死ぬ。だから殺す。そんな世界線で彼女は生きている。 しかし村に戻ると、様子がおかしい。 そっと

線は、僕を描く読みました

『空虚を現実で埋めていく』話だった。 講談社文庫公式の書評とあらすじがすごいしっかりしてると思うので先にリンクはっておきます。表紙もステキですよね。 あらすじ親が交通事故で急死してから無気力な日々を送っていた主人公、青山。ある日、友人の古前から展覧会の手伝いを頼まれ、そこで水墨画家の篠田湖山に出会い、誘われる形で水墨画を始める。 水墨画を通して、彼の人生は徐々に変わっていく。 これから読む人に知ってほしい情報作者の砥上裕將さん自身も水墨画家さんらしくて、作中で出てくる『

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?  よみました

なぜなんだ…と思ってぽちり。 なんでサイゼに行ったのか超努力して星付きシェフになり自分の店をもったはいいけどレストランの雰囲気はギスギス、生産性はガタガタで超大変!同じイタリアンで雰囲気GOODで生産性MAXなサイゼにバイトに行って、サイゼのやり方を学んじゃうぞ〜!という話。 サイゼの真似で生産性爆上がり!著者は徒弟制の世界で生きていたので、『弟子はシェフのやることを先んじて予見して動くもの』みたいな感覚が染み付いていた。が、スタッフはそこまでやってくれない。怒鳴れば怒鳴

祭火小夜の後悔 よみました

表紙がとっても好きな雰囲気!!と思ってお買い上げ。案の定お話も好きな雰囲気でした。 この本の素敵なところは『怪異は怪異である』ということ。 怪異系のホラー小説は『怪異を解き明かす』タイプも多いのですが、この本の怪異は『そういう生き物なんだな』くらいの感じ。野生動物のごとくやってきて、関わり合い、そして気づけば野生に戻っていく。自然現象のごとくやってきて、気づいたら終わっている。そんな感じ。 怪異がどうして発生するのか、どうしてそんな行動をするのかは解き明かされないし、何なら

イスラム飲酒紀行をよみました

前回の読書はバッタを倒しにアフリカはモーリタニアに行きましたが、今回はイスラム圏色々です。 前提としてイスラム圏の酒への扱いってどうなってんのを整理。 ・宗教としては飲酒も酒の売買も禁止 ・ムスリム以外が酒の売買をすることが禁止かどうかは国による  ・イラクやクウェートなどは国の法律で禁止されている  ・トルコは政教分離を掲げているので、比較的酒に寛容(本にも出てくる)  ・ドバイとかはライセンス制  ・ちなみに、日本でも深夜の飲食店での酒提供や酒の販売は免許制 という

バッタを倒しにアフリカへをよみました

よみました バッタ研究者の若い頃のノンフィクションストーリー。バッタの生態への言及はそんなに多くなく、博士・研究者という仕事のつらいところと、モーリタニアの文化の話が多め。 私が大学生の時、博士号をもってる教授本人に『修士まではオススメするけど、博士は絶対やめとき』と言われてました。分野違いはあるものの、この本を読むと博士直通は茨の道すぎてなるほどなーと思います。『いや、俺はこれで食べていくんだ!!』って覚悟ができていても、それでも食べていけるかギリギリの綱渡り。博士の道

魔法のコンパスを読みました

結構前にオススメされたけど芸人が書いた本でしょ?って思って読んでなかった本なんだけど、すごい面白かった。社会の『なんとなく、今までもそうだったから』で出来上がってる慣習を根底から覆していく本。学校とか会社行くのしんどいなと思うことがあれば読んでみたらいいと思う。その中から、私に刺さった言葉2つと、考えたこと。 仕事になるまで遊べ最後の方に出てくる言葉なんだけど、この本で語れることきっとここに繋がるんだろうなと思う。好きなことしか本気になれないなら、遊び=夢中になれることを仕