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戦前の蒐集趣味誌『北海蒐楽』について

 少し前の古本即売会で『北海蒐楽』という雑誌を見つけた。この雑誌はタブロイド紙の雑誌であるが、紙物のコーナーに入っているのではなく、本棚に並んでいる本と本の間に挟まっていた。以下にいくつか写真を掲載しておきたい。

表紙
寸法は22.9cm×15.7cm/ページ数は16ページ
奥付

この雑誌は切手を中心とした郵便関連の蒐集趣味誌のようだ。北海道の小樽で発行されており、創刊が1934年9月、編集兼発行人は上原芳太郎という人物である。私の購入にしたものは第5巻第6号(通巻第46号、1938年6月)であるが、以下に目次を掲載したい。

TOPIC
読者の便り 岡山 佐藤健太郎
郵便封皮の研究(中) 橘かほる
御挨拶 大原不老
初夏随想(上) 熊本 西尾四郎
通郵五分(赤褐色)に就て 大山正武
古アルバムの回想?(二) M生
昭和切手玉手箱 東京 田邊謙治
第四拾六回誌上交換会
小広告

第5巻第6号の目次

小樽で発行されていた雑誌であるが、北海道だけでなく他の地域からも投稿があることが興味深い。誌友の欄を確認すると、満州、朝鮮、台湾に在住していた購読者もいるようで、当時の外地にもこの雑誌の読者がいたことが分かる。当時の趣味誌の広い流通範囲を伺える。当時の趣味誌は寄贈図書一覧が設けられていることが多いが、この雑誌にも寄贈誌並交換誌御礼の欄があり、同時期に以下の趣味誌が発行されていたことが分かる。

切手趣味
伊勢蒐楽
漫歩
逓信之智識
趣味蒐集
鶴城
京都寸葉
趣味タイムス
趣泉人
蒐集趣味雑誌
趣味之港
趣味新聞
読書週報
スウィートランド

神保町のオタ様の以下の記事によると同時期に多くの趣味団体があったようで、『北海蒐楽』を発行していた北海蒐楽会も載っている。

 ところで、『北海蒐楽』はどこに所蔵されているのだろうか?私が調べた限りでは、国会図書館には所蔵されておらず、北海道立図書館、函館市中央図書館、小樽図書館に所蔵があり、特に函館市中央図書館にまとまってあるようだ。北海道立図書館には、1965年に発行された再刊第1巻第1号が所蔵されており、戦後に復刊されたことが分かる。図書館以外では東京の郵政博物館にも所蔵があるようだ。



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