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『郷土研究』を編集していた岡村千秋とある有名宗教者

 下記の神保町のオタさんのブログの記事を読んでいて綱島梁川の『梁川全集』の存在を知り、国会図書館デジタルコレクションで閲覧できるのでは?と思って調べてみると『梁川全集』は別巻を除いてなかったが、梁川の『書簡集』が閲覧できることが分かった。

この書簡集の中には、梁川が多くの人々に宛てた書簡が収録されているが、その中に岡村千秋の書簡が確認できた。岡村千秋は柳田国男の編集していた『郷土研究』という雑誌を発行したり、柳田が企画した炉辺叢書を出版したりと草創期の民俗学の発展に貢献をした人物である。岡村は柳田の兄・松岡鼎の娘と結婚しており柳田と親戚でもあった。『書簡集』上巻の「書簡貸與者氏名」によると、岡村は7通の書簡を貸し出したという。その中の2通が『書簡集』に収録されているが、2通とも1905年に送られている。梁川の書簡の内容は近況報告と手紙のお礼という簡単なものである。『早稲田大学校友会会員名簿』(大正四年十一月調)によると、岡村は早稲田大学を1907年に卒業しているので、梁川への書簡は岡村が早稲田大学在学時に送ったのだろう。現在、岡村は柳田周辺の人物として語られているが、それ以外の側面も気になるところである。

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