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久米龍川が編集していた雑誌『郷土藝術』の廃刊理由とその後

 拙noteでも度々紹介している久米龍川(谷川要史)(注1)が編集していた雑誌『郷土風景』(後に『郷土藝術』と改題)を私は蒐集しており、最終巻(4巻10号、1935年10月)のみ所持していなかったが、この度最終巻を入手することができ、めでたく全巻蒐集することができた。以下に最終巻の写真を掲載したい。

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冒頭には雑誌『食道楽』の広告が掲載されている。

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久米は編集後記で廃刊の理由を「経済的収支の償なはぬことにも依りますが、近来私の身辺が、一段と多忙を極めて参りましたので」と述べている。一方で「郷土藝術は廃刊しても、郷土藝術の会そのものは解散するのではありません」と活動の継続や今まで蒐集した資料を整理して出版する計画も述べていることから民俗学や郷土芸能の蒐集への関心が薄れたというわけではないと考えられる。

 しかしながら、久米が計画している資料集は実際に出版されたのだろうか。少し調べてみたが、久米龍川(谷川要史)や郷土藝術の会が発行、編集した民俗学関連の本は確認できなかった。上記のように久米は『郷土藝術』廃刊後の活動にも意欲を示しているが、実際のところ活動していたかどうかは不明である。

(注1)久米龍川=谷川要史に関しては、以下の記事で紹介した。



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