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民俗学研究者・小島勝治が編集していた雑誌『昔』を受け取る和泉の南要

 本は時間をおいて再読すると様々な発見があるということは私が言うまでもないことだが、以下で紹介した戦前の雑誌の寄贈図書・雑誌欄も再読すると様々な発見ができることもある。

近畿民俗学会のWebページには早逝した民俗学研究者にして統計学研究者である小島勝治(注1)の発行していた民俗学関連の雑誌『昔』が紹介されているが、この雑誌の部数や贈呈先を記載した小島作成のリストが写真付きで紹介されている。贈呈先を確認すると日本全国に贈呈されていらことが分かるが、私がnoteで最近取り上げた南要にも贈呈されていることが分かる。

南要は以下の記事で紹介したことがある。南は現在ではほとんど知られていない人物であると思われるが、民俗学が確立する時期の大阪の和泉周辺の民俗学、郷土研究関係者の間ではよく知られていた存在であったのだろう。

 ところで、小島の『昔』は2部内務省にも送付されている。以下の記事でも紹介した論文「国立国会図書館にない本 内務省納本雑誌との出会い」小林昌樹(『国立国会図書館月報』(673)、2017年5月)によると、図書は納本され検閲された後に図書館に委託されたが、明治30年以降雑誌はその中に含まれていなかったようである。小島の『昔』は廃棄されてしまったのだろうか。

(注1)小島勝治に関しては、たとえば以下の論文を参照。「統計学者小島勝治の残された課題」高橋伸一(社会学部論集 (52)佛教大学社会学部、2011年)


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