見出し画像

竹内不死鳥という人物について

 竹内不死鳥という人物が以前から気になっている。なぜこの人物が気になっているかというと、田中緑紅が発行していた『郷土趣味』に頻繁に投稿しており、名前が印象的な人物として記憶していたからである。先日、真鍋昌賢「『郷土趣味』から『民俗芸術』へ―竹内勝太郎論にむけて」(『国立歴史民俗博物館研究報告』第165号(国立歴史民俗博物館、2011年))で竹内のことが詳細に論じられていることを知って、早速この論文を確認してみた。論文のタイトルでネタバレになっているが、この論文によれば、竹内不死鳥は詩人・竹内勝太郎であり、竹内は緑紅と深い交流のあった明石染人(国助)とも交流があったという。竹内は作家・富士正晴に大きな影響を与えた人物として鶴見俊輔が言及していたのを読んで知っていたが、竹内不死鳥と同一人物であったことに驚いた。上述の論文によれば、竹内は『郷土趣味』だけでなく、以下の記事で紹介したことのある『民俗芸術』にも投稿していたようだ。

 竹内の書簡は一部が富士正晴『竹内勝太郎の形成 手紙を読む』(未来社、1977年)に掲載されていたり、日記は富士正晴が発行していた『VIKING』に翻刻されたものが連載されていたりと資料が豊富なので、これらを読むことで民俗学史の今まで知らなかった一面が見えてくるかもしれない。

よろしければサポートをよろしくお願いいたします。サポートは、研究や調査を進める際に必要な資料、書籍、論文の購入費用にさせていただきます。