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性の民俗蒐集家・九十九豊勝が主宰していた日本土俗学会の会員たち

 以下の記事で性の民俗蒐集家・九十九豊勝の日本土俗学会のことを紹介したが、この団体に関連して国会図書館デジコレで確認できた内容を引用してみたい。崎山卯左衛門『中和郷土資料』(森島書店、1933年)には、民俗学研究者・澤田四郎作が「序四」を投稿しているが、澤田は「日本土俗学会大阪支部長医学博士」と紹介されている。

また、崎山も日本土俗学会に参加していたようで、『考古学』第4巻第5号(1933年)の「大和支部欄」という活動報告を崎山が投稿しているが、日本土俗学会について以下のように報告されている。

日本土俗学第八回例会 三月十二日午後一時から畝傍町建国会館で開催、支那台湾の廟寺奉納、納札、信仰物約二百点と拓本等を展観、土俗学徒の江馬務、野村伝四、九十九豊勝、今井啓一、崎山卯左衛門、仲川明、乾健治、矢野豊次郎諸氏外参加、前記諸氏の研究発表あり、中にも江馬氏の古代風俗史の研究は人目を惹いた。後で茶話会を開催、出雲人形、会誌、土俗行事写真等を分ち記念撮影を行った。尚当日会員徽章(銀製メダル)を頒布会規を決議した。(崎山卯左衛門)

崎山も日本土俗学会に参加していたようだ。他にも江馬務(風俗研究家)、野村伝四(方言研究者)、今井啓一(歴史研究者)、乾健治(考古学研究者)も参加している。日本土俗研究会は関西地域を活動を中心にしていたように思われる。余談だが、日本土俗研究会関係者の中で九十九、澤田、野村、乾、崎山は加賀紫水『土の香』に投稿している。以下の雑誌に私が投稿した「『土の香』総目次」にこのことも紹介しているので、関心のある方は確認してみて欲しい。

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