見出し画像

鯵のたっぷり野菜甘酢ソース添え

中医学の脾とは、横隔膜の下の腹部のあたりのことで、胃や膵臓も含まれます。脾は、食べ物を消化し、気・血・津液(身体の水分)を生成し、運びます。このため脾が弱ると、気の巡りや血の流れが悪くなり、痰が発生しやすくなります。脾は、乾燥を好み、湿を嫌うため、梅雨の時期は、脾が弱くなりがちです。

脾は、統血を司り、血が血管外に漏れ出ることを防ぎます。このため、脾が弱っていると、歯ぐきから血が出たり、鼻血やアザができやすくなります。

脾は、筋肉と四肢を司ります。このため、脾が弱ると筋力や手足が弱ってしまいます。脾の健康状態は、唇に現れるため、唇の色や荒れで、脾や胃の健康状態が分かります。また、女性の場合は、脾が虚弱すると不正出血や水のようなおりものがあります。

脾は思い悩んだり、憂い過ぎると機能が低下するため、脾を健やかに保つには、あまり悩まず、温かく消化の良いものを摂るのがおすすめです。

【薬膳のポイント】

脾の働きを良くするために温性と気の巡りを良くする必要があるため、温性・甘味・香りのあるものを選択します。温性の鯵と、玉ねぎ、パプリカ、にんじんの組み合わせで消化を促進します。また、湿は脾の働きを低下させるため、カルダモンパウダーの香りで湿を取り除き、利水滲湿類の茯苓粉と薏苡仁粉により体内に蓄積された余分な湿を排出します。

【材料】2人分
鯵・・・・・・・・・・・正身180g
           (中代2尾)
パプリカ・・・・・・・・60
玉ねぎ・・・・・・・・・50g
にんじん・・・・・・・・30g
茯苓粉・・・・・・・・小匙2
薏苡仁粉・・・・・・・小匙2
カルダモンパウダー・・小匙1/2

調味料・たれ・ソース類
黒砂糖・・・・・・大匙1
醤油・酢・酒各・・大匙2

材料


【作り方】
1.鯵は、3枚おろしにします。
2.茯苓粉と薏苡仁粉とカルダモンパウダーをビニール袋に入れて、鯵にまぶす。
3.玉ねぎとパプリカとにんじんは、細切りにする。
4.フライパンに油を入れて、鯵をこんがり焼く。
5.鯵は皿に盛る。
6,鯵を取り出したフライパンに、玉ねぎ、パプリカ、にんじんを入れて炒め、調味料をすべて入れて少し煮詰める。
7.鯵の上に玉ねぎ・パプリカ・にんじんのソースをかける。


出来上がり


【各食材の性質】
鯵:温裏類 温、甘/胃 温胃和中

パプリカ:理類 熱、辛/心、脾 温中散寒、開胃消食

玉ねぎ:理気類 温、辛、甘/脾、胃、肺、心 理気健脾、和胃消食

にんじん:養血類 平(微温)、甘/肺、脾、胃、肝 健脾化滞

茯苓粉:利水滲湿類 平、甘、淡/心、脾、胃 健脾寧心

薏苡仁粉:利水滲湿類 涼(微寒)甘、淡/脾、胃、肺 健脾滲湿

白豆寇(カルダモンパウダー):芳香化湿類 温、辛/肺、脾、胃 化湿行気、開胃消食

脾の働きを良くし、感染症やがんに負けない身体を作ります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?