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薬膳


薬膳とは、中医学の理論に従って、適した食材、生薬を用いて、健康の維持・増進、病気の予防・治療・回復を目指す食事のことである。


人間は自然と一体であり、自然の影響を受け、自然と調和することで健康が保たれている。春の新緑と共に気持ちが高揚したり、梅雨の湿気により頭が重く感じたり、食中毒など脾胃の調子を崩したり、夏に心の働きが盛んになり熱中症になりやすくなったり、秋に咳や喘息など肺の症状が出たり、冬に頻尿、腰膝関節が痛くなるなど腎の症状が出るなど、私達の気持ちや各臓器の働きは季節の影響を受けていることがわかる。


自然の食物が、私達を養い、健康を保ち、病を癒すことは、はじめに神がこの世界を造られた際に、そのようにデザインされたことからも分かる。


[創世記 1:29]

 神は仰せられた。「見よ。わたしは、地の全面にある、種のできるすべての草と、種の入った実のあるすべての木を、今あなたがたに与える。あなたがたにとってそれは食物となる。


[ヨハネの黙示録 22:2]

都の大通りの中央を流れていた。こちら側にも、あちら側にも、十二の実をならせるいのちの木があって、毎月一つの実を結んでいた。その木の葉は諸国の民を癒やした。


現代栄養学のように、糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維など食物の成分をバランス良く配合した栄養ドリンクやサプリメントを食べていれば健康で居られるのかというとそうではない。新鮮な食材の持つ生命力も私達の身体にエネルギーを与えてくれる。


食物には、寒性、涼性、平性、温性、熱性という5つの性質があり、私達の身体に作用する。例えば、夏野菜であるゴーヤやナスやトマトは、身体の熱を取る効果があるが、夏にこれらの野菜が採れるというのは、とても理にかなっているし、食物に生命力があるからこその作用なのである。


また、食物の酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味・ 痰味などの味にも効能があり、それぞれ作用する臓器が異なる。例えば、疲れた時に甘いものが欲しくなるのも、甘味は、脾に作用し、疲れを改善、虚弱を補い、痛みを緩和するためである。


さらに気の巡りを上げる作用、下げる食材がある。例えば、頭に気が停滞してしまうと、鬱になったり、興奮し不眠になるので、気を下げる食材によって精神を安定させることができる。気の巡りには香りが作用し、柑橘類の香りは気の巡りに作用する。


このように、全ての食材には、性質、味、作用する臓器がある。これらに季節や体調や体質、年齢を考慮した美味しい食事を食べることで、私達は心も身体も満たされ、幸せになり健康を維持できるのだ。

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