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「生理前あるある:PMDD(月経前不快気分障害)って何?」を読んで(読書感想文#17)

ホルモンを含めた身体と、精神症状、そしてストレス。人の体・心・環境の関連性は本当に不思議で、その全てが大切なんだなぁと思います。

▼生理前あるある:PMDD(月経前不快気分障害)って何?/中安紀子著

PMDDは最近よく聞く気がして、生理前の精神症状が重いというイメージだけはあったので、精神疾患と関連あるかなぁと思って手に取ったのでした。「PMDD=月経に関すること、女性の体に関する健康の話だけれど、精神疾患も関係ありそう」という認識だったのです。

結論から言うと、PMDD(月経前不快気分障害)はDSMで「抑うつ障害軍」のカテゴリーに分類されるということで、関連あるどころか、まさに精神疾患でした。

内容は当事者の中安さんが、具体的な内容を平たく書いているので、イメージがしやすかったです。

精神症状が想像以上に強い

特に、希死念慮が強く出たり強迫行動が出たり。抑うつも日内変動があったり。かなりつらいだろうと思います。毎月の波で変動が来るのも大変です。ずっと鬱症状も辛いけれど、良いとき(しかも短い)と辛いときがあるというのは、安定しないからしんどいのではないでしょうか。

私自身について、この本を読む前に思っていたこととして、生理前は身体症状があまり出ず、精神症状が強めかなと「PMDDの軽いものなのかな」などと考えていました。ですが、正直この本を読んでみて、PMDDの方とは症状の程度が比較にならないなと思いました。

◆治療について
ちなみに婦人科もですが、精神的な症状の治療としては精神科・心療内科で対応するケースが多いようです。本書では専門外来もおすすめされていました。

感情に波がある女性は、月経周期と感情の関係性を記録してみるのもおすすめ

私はPMDDの当事者ではなさそうですが、それでも月経周期に伴う「精神的な揺れ」は、結構はっきりと認識しています。

大体、月経の1週間くらい前にイライラしがちで、普段は何とも思わない出来事に心が乱されやすくなります。そこからあまり気持ちの晴れない日が続き、月経数日前からはくよくよしがちです。ちょっとしたことでも傷ついたり、ミスを反省しだしたらずっと考え続けてしまったりします。

これが月経周期に伴うものだと気がつかない頃は、なぜ自分がイライラしたりくよくよするのか分からず困るなぁとは感じていました。アプリなどで記録をとるようになって、やっとここ数年で気が付いたところです。だからといって、何か症状が変わる訳ではないけれど、あぁしょうがないかと諦めがつくだけでも精神的には楽です。

著書の方もおすすめしていましたが、気分の変動に困っている方は、周期を記録してみると何かヒントになるかもしれないなと思います。

どうやったら改善するのだろうか

ホルモンバランスの変化、例えば妊娠・出産だったり、加齢に伴って、経過は変わるのかなぁ。医師の書かれた本ではないため、著者の配慮から医学的なことは避けていらっしゃる様子でした。

発症時期の記載で著者もストレスが強い時期だったと述べられていて、ストレス環境下で症状が強く出るというのは考えられるかなぁと思います。

でもこれは推測なので、参考文献で記載があった川瀬良美さんの「月経の研究 女性発達心理学の立場から」と、山田和男さんの「月経前不快気分障害(PMDD)エビデンスとエクスペリエンス」も読んだら、そのあたりが分かるのかな。またそのうち、読んでみたいです。

ここまでお読みくださいまして、どうもありがとうございました。


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