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「児童虐待 親子という絆、親子という鎖」を読んで(読書感想文#65)

毒親、母子関係、アダルト・チルドレンときて避けて通れないのが児童虐待関連かなと思っています。

今まで怖くてなかなか読めなかったけれど、読んでみました。

▼児童虐待 親子という絆、親子という鎖/南部さおり著

虐待とは何か?概要を掴みたい方にも分かりやすい本だった

著者の南部先生は法医学に関する研究を行っている方です。

虐待を受けた方を臨床でケアする視点というよりは、法医学的観点から描かれているので、私のように生々しい描写に少し抵抗のある人にも読み易い本かもしれません。

事例がたくさん記載されていて、身体的・精神的・性的虐待等が分かりやすく整理されています。

しつけと虐待の違いとは?

●しつけ→身につけなければならない習慣や礼儀作法を、子供にきちんと理解させるために強制すること。
●虐待→子供に自分の感情を押し付けること。自分の意に沿わないことに怒り、苛立ちながら強制すること。

私は「強制」という言葉自体にちょっと抵抗があるけれど、それはさておき。同じ強制でも、しつけは「その子どものことを思う、理性的な行動」ということになるほどと思いました。

泣いちゃいけない、怒っちゃいけないは苦しくなる

◆なぜ子どもを「泣かせてはいけない」と感じてしまうのか?

戦時中、戦後に「泣いたら負け、歯を食いしばって頑張れ」という価値観があり、大人の当たり前になり→子にも強要するという流れができたから、の可能性があるらしい。

子が泣くと心をかき乱されるというのは、こういった文化が受け継がれていると。うーん、なるほど。
公共交通機関などで子どもが泣いたら、いたたまれない気持ちになる。これは文化的な圧力か。

◆子どもが泣く理由とは?

①欲求伝達、②感情のストレス解放、③感情を受け止めてもらうことで未練を断ち切る。

つまりどれも小さいころには必要なことということ。

また、怒りは二次感情であり、その下に悲しみや寂しさ、恥などの表出してはならない(と思っている)感情が隠れていること。

ネガティブな感情の抑制が、虐待の底にも流れている感じがしました。
例えば社会的背景もあり、子どもを泣かせてはいけないと感じた親が子を押さえつければ、しつけと称した虐待(特にここでは身体的虐待)となるということでしょう。

精神的虐待は想像以上に深刻

直接的な身体虐待も辛いですが、ネグレクト等の精神的虐待はかなり大きな影響を及ぼすということも分かりました。

身体的虐待はある意味つながりがあるけれど、精神的虐待はそれがない。
人との関わり方も分からなくなるし・・・。
育児放棄は本当に恐ろしいなと思いました。

他の書籍も読んでみたいけれど

理解を深めたい気持ちは強いのだけれど、この本を読んだだけでも正直頭が痛くてきつかった。
どうやって取り組んでいこうかな。迷っています。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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