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【東大フードロス助け隊】クラダシ突撃インタビュー① おトクに、気軽に社会貢献できるサービスって?

こんにちは、東京大学で「食」に関する問題解決に取り組むサークル、 Table For Two-UTです!
今回はインタビュー企画【東大フードロス助け隊】の第三弾として、株式会社クラダシ様にお話を伺ってきました。

イントロダクション:KURADASHIって?


皆さんは、<KURADASHI>というサービスをご存知ですか?
KURADASHIは一言で言うと、お得なショッピングと社会貢献を両立させられる、画期的なサービスです!


まずは、実際にこちらの公式サイトをご覧ください。↓
社会貢献型ショッピングサイトKURADASHI /www.kuradashi.jp

たくさんの商品が並んでいるECサイトですね。
よく見ると、定価6000円のお魚が2780円で売られていたり、そばとうどんのセットが定価12000円のところ3800円(!)だったり…。
思わず、「これ大丈夫なんですか⁉」と目を疑うような値引き率の商品がずらりと並んでいます。(笑)

でも、ご安心ください。ここまでお得な価格設定なのには理由があるんです。
KURADASHIでは、賞味期限が近くなってしまった、通常ならば廃棄されてしまう予定だった商品が販売されています。


メーカーとしては、商品の廃棄にもコストもかかるし、できれば商品を消費者に届けたい。
消費者は、手軽に、お得に、そしてもちろん安全に食品を購入したい。
これらのニーズをマッチさせたサービスがKURADASHIです!


さらに、消費者はサイトから商品を購入することでKURADASHIが提携している支援先の団体に寄付も行えて、一石三鳥です!


(支援先例↓)

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また、クラダシではこちらのKURADASHIの運営に加え、人手不足の農家に学生を派遣し、ロスになりそうな作物の収穫を手伝う社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」やフードバンクとの連携など、様々な活動を行っていらっしゃいます。
これらに関してもお話を伺ってきたので、お楽しみに!

それでは、さっそく本編に入りましょう。


①クラダシってどんな会社?


今回は、クラダシの新オフィスにご招待いただきお話を伺ってきました!
インタビューに応じてくださったのは、広報担当の小山さん(右)とインターン生の木村さん(左)。(以下、敬称略)

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TFT:それでは、インタビューの方を始めさせていただきます。
まず、クラダシは「社会貢献とフードロス問題の解決を同時に実現する」という理念のもと活動なさっていると伺っています。食品提供者、利用者、社会貢献団体の方々の3者全員にメリットがある形でサービスを提供されているという理解で間違いないでしょうか?


小山:はい。私たちは社会貢献を目的として事業を展開しており、その中でも「フードロス」を軸にサービスを運営しています。


TFT:社会貢献を行うことと、それをビジネスとして運用していくことは大きく違うことであり、それをどのようにうまく調整していくかは、やはり大きな課題だと思います。
クラダシはその点で新しいビジネスモデルを開発されていますが、どのようにこのモデルが立ち上がったのか教えていただけますか。


小山:もともとクラダシは、代表の関藤がどうやったら継続的な社会貢献ができるか、ということを考えて生まれたサービスです。クラダシの事業・サービスを展開する上で代表が特に大切にしているのは「経済性」です。
経済性を大事にすることで、持続可能な社会貢献活動ができると考え、あえて株式会社として仕組みを作り、活動しています。


TFT:会社として立ち上げてサービスを開始していく中で、大変だったことなどはありますか。


小山:クラダシは2014年7月に設立、2015年2月にサービスを開始しています。SDGsが2015年9月に採択され、クラダシはその7ヶ月前にサービスを開始しているのですが、先駆者であった分、クラダシのサービスや事業の仕組みを理解してもらうのに最初は苦労しました。
クラダシの話を聞いた当時の企業の方の反応は、「面白いけど、他に事例もないし…」というような感じで、代表も創業期を振り返って「100戦100敗だった」と話していました。
その後SDGsが発足したことで、「社長の言っていたのはこういうことだったんですね」「是非一緒にやりましょう」というように風潮がガラッと変わっていき、スムーズに話が進むようになりました。


TFT:問題に着目するのが早かった分、それに対して理解を得られるような風潮がまだ無かったという事ですね。


小山:そうです。現在は取引企業数も850社を超え、多くの食品事業者さんと一緒にフードロスを削減しています。フードロスの中でも、クラダシが取り組んでいる領域は食品メーカーなどのロスです。
賞味期限の切迫や季節商品、パッケージの汚れやキズ、自然災害による被害などロスが起きてしまう要因は様々あります。また、日本では食品を安全に売るための「3分の1ルール」という慣習があり、まだ賞味期限が残っていても、製造から3分の1の期間を過ぎてしまうと商品を卸すことができなくなってしまい、そういった食品の多くが廃棄されてしまうのです。


*「3分の1ルール」:食品メーカーと小売店との間の慣習。例えば、賞味期間が6カ月の商品だと、卸業者は製造日から数えて賞味期間の「3分の1」にあたる2カ月以内にスーパーなどの小売店に納品しなければならない。納品が2カ月より遅れた商品は店頭に並ばず、卸業者からメーカーに返品されたり廃棄されたりする。(朝日新聞デジタル2018年10月1日記事より)

こういった理由で消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品が実は大量にあって、そこを助けるための仕組みを作っているのがクラダシです。


TFT:いただいた資料の中にも、「1.5次流通」という言葉がありました。

小山:はい。私たちはクラダシの仕組みを「1.5次流通革命」と呼んでいます。2次流通が、メルカリをはじめとする「ちょっと使ったけどまだ綺麗で誰かに使ってもらえるものをシェアする仕組み」だとすると、クラダシは廃棄される予定だったものに新たな価値を付けて再流通させる「1.5次流通」と言えるのではないかと思っています。


TFT:それでは、クラダシで販売されている商品についてお伺いします。販売のターゲット層、例えばどういった方に購入してもらいたい、というのはありますか?


小山「全ての人」に使って欲しいです!現在は30代~50代の女性に多く利用されていますが、クラダシでお得に買い物しながら気軽な社会貢献ができるという仕組みをより多くの方に知っていただけたらと思っています。
クラダシは主に食品事業者さんのロスの削減に関わっているため、1つの商品の量が多い場合があります。そのため、クラダシを利用する人が増えることで、フードシェアの文化が広まって欲しいと思っています。弊社内でも、買った商品を社員で分け合ったりすることもあります。

TFT:おすそ分け文化というか。

小山:そうです。こうしたクラダシの思想を理解してくださって、人におすそ分けをするためにクラダシであえて量の多いものを購入したり、月に何度も注文してくださるユーザーさんも多くいらっしゃいます。

TFT:クラダシ会員のマイページでも、「あなたの購入した商品がこれだけの支援になりました」というのが表示される、ポイントカードのような画面がありましたね。これもリピート率を上げる工夫の一つかなと感じました。


(マイページでは、自分の社会貢献度がわかりやすく表示されている。↓)

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小山:そうですね。あと、「ただ安いからクラダシで買う」だけで終わって欲しくないと思っています。
もちろん「安い」というところからクラダシを見つける方は多いと思うのですが、「買い物をすることが社会にとって良いことになる」という、気軽に社会貢献ができるんだ、という感覚をぜひ持っていただけたらと。
なのでマイページでも、買った分がどれだけの支援になってるかっていうのが見えやすいようにしています。

TFT:我々TFTも、「食べることで気軽に社会貢献」がモットーとなっているので繋がりを感じます。

②新型コロナの影響は?


TFT: 次に、新型コロナウイルスの影響に関してお伺いします。今年のはじめ頃からコロナの問題が浮上し始めましたが、コロナ禍で新しく生まれたフードロスにはどのように対応されましたか。


小山:コロナに関する問題の一つとして、学校給食の食材のロスがあります。そこで、クラダシは農林水産省補助事業として「食べて応援!学校給食キャンペーン」「国産農林水産物販売支援キャンペーン」を実施しました。
小学校・中学校の一斉休校により余ってしまった学校給食用の食材や、新型コロナの影響で出荷が停滞してしまった食材をクラダシで販売し、送料を農水省からの補助で負担することで購入者は送料無料で購入できるというものです。(注・2021年2月現在は終了)
また、食品事業者とフードバンクとのハブ役を担う活動も行っています。
2019年10月1日の「食品ロス削減推進法」の施行や子どもの貧困問題の顕在化の影響で、フードバンクが注目されるようになりました。
しかし現状としては、企業側が協力したいと思っていても、食品をこまごまと分けると送料が高くついてしまう、また公平性も担保したいといった分配の問題や、各フードバンクの環境と送る食品のミスマッチなどの課題が多く残っています。
これらを解消するために、クラダシがハブ役となって双方の仲介をしています。リストの作成や送料をこちらが負担するため、企業は「どこに何個送ればいい」という需要をしっかり把握でき、結果として食品が無駄になりません。
今回はメーカーさんから、新型コロナの影響でレストランなどに卸すはずだったうどんが45万個ほど余ってしまったという相談をいただきました。そこで全国のフードバンクさんに連絡をとって、各フードバンクさんのそれぞれ欲しい分だけを、私達の基金で送料を賄ってお送りしました。
(『クラダシが食品メーカーとフードバンクのハブ役となり食品ロスを削減 株式会社クラダシのプレスリリース(2020年12月8日 10時00分 /prtimes.jp』)
木村:新型コロナウィルスの影響もあり、フードバンクの役割はより重要となっています。しかし、地方のフードバンクの多くは、規模小さく、資金等のリソースが十分でない団体ががほとんどです。そこで、クラダシがハブ役になって少しの量でも提供できるようにニーズの調整をしたことで、事態を改善できたと感じています。
小山:クラダシは、社会貢献を意識しているがゆえに、このような状況で自分たちにできることをスピーディーに考えて動ける組織だと思います。


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インタビュー前編はここまで!
広報の小山さんから、クラダシとはどういう会社なのか?そのサービスの根底には何があるのか?という事について、詳しく教えていただきました。


後編では、インターン生の木村さんから、大学生としての視点や「クラダシチャレンジ」での体験について伺います!
実際にクラダシチャレンジに参加してみたい方への情報も掲載しますので、是非続けてご覧ください。

お読みいただきありがとうございました!
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これまでのインタビューもこちらからどうぞ↓



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