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torutoru
2020年8月5日 22:15
「真夏の果実って、私のことだよ?」満点の星の下、4人乗りのレンタカーがアクセルをふかす。ひょんなことから大学の友達に誘われて、誰もいない夜の海へ走り出していた。2:2という男女比の黄金比率に加え、夜の浜辺へのドライブと、大学生ぽい夏を恥ずかしくも満喫してしまった。靴を脱いで浜辺を歩いたり、足だけ海に入ってはしゃいだり、嫌われない程度に女の子に水をかけたり。振り返るだけでも顔が赤くなり
2020年6月14日 20:34
「あー、暑いですねえ…」春と夏の間の、名前がない季節。梅雨が始まる前の、初夏のフライングみたいな季節。雨気と暑気が入り混じった、うだつの上がらない季節。 話すことがないときに、気温と天気の話をしてしまうのはどうしてだろう。夏は「暑い」、冬は「寒い」、「晴れですね」、「雨ですね」、微妙な関係の男女の会話の行き着く先は、これに尽きる。Siriやアレクサでもスムーズにできるやり取りだが
2020年6月8日 21:32
「おっきくなったね」彼女は同じマンションに住む二個上の先輩。小さい頃はよく遊んでもらったらしいのだが、どうも記憶が曖昧だ。彼女が都内の私立中学に進んでから、遊ぶこともなくなった。たまにエレベーターや部屋の前ですれ違うと挨拶をする程度だった。そんな彼女が、部屋の鍵を開けようとした僕に急に話し掛けてきた。マンションの六階の廊下。慌てて振り返る。シンプルに驚いたし、なぜこのタイミングな