初秋的相遇、最後的平安
つい最近のこと。
新宿でたまたま出会ったその香港人は、私がまもなく香港を訪れるつもりであることを知ると、嬉しそうな様子で、差し上げたいものがある、と言った。彼は私を近くのセブンイレブンに連れていくと、懐から取り出したUSBメモリをコピー機に挿し入れ、その場で印刷した小冊子を私にくれた。
この手づくりの小冊子には、著者の名前も奥付もなく、ただ、2019年10月から11月までの香港の記録である旨を伝える簡素な表紙がついている。彼は私にとって必要なものをくれたのだと思った。
だから