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#45 『バルク』と蟹

2024年3月某日

「バルク」という概念が好きである。

バルク(bulk)とは、「体積、容量」「大量」「大部分」「積み荷」などを意味する英語だが、ビジネス領域では後に個別にばら売りする目的で大量にまとめて仕入れること、あるいはまとめて仕入れて販売される商品のこと。

シマウマ用語集「バルク」

要するに、バラバラのものをガサっとまとめて取り扱う、みたいな概念で「バルク買い(ガサっとまとめて買うこと)」とか「バルクワイン(樽ごと取引されるワイン)」みたいな表現もある。

さて、先日家族でふるさと納税で届いた蟹を食べる機会があった。美味しかった。その際、誰かがこんなことを言った。「ああ、私はこの"脚"のところばかり食べたいよ。なんならここだけでいい。」と。この主張には筆者も概ね同意するのだが、市場としては、おそらく脚がとれたりしていない「蟹まるごと一匹」の状態のほうが値がつくという事情があるだろう。たまに、「脚がひとつ取れてますけど美味しいです。」といったコピーで、蟹のアウトレット品が販売されていたりするが、価格が随分安くなっている(無論、消費者としては嬉しいのだが)。

そこで、である。折れた蟹の脚だけまとめて「バルク買い」させてもらう術はないのだろうか。できれば安く。脚ばかりを食べるとなれば、わが家における解体オペレーションの生産性向上も期待できるし、バーベキューなどのシーンでも取り回しが良さそうだ。「折れた脚1本」では価値がつかなくても、「折れた脚50本」であれば価値がつきそうだ。バルクの力である。さらに、利用シーンに狙いを定めれば「脚ばかり」というのはむしろ強みになるだろう。おそらく、漁師町などを訪れれば、そのようなパッケージでも販売されているのだろうが、日常使いできるチャネルがあるとわが家は嬉しい。

蟹が好きだ。蟹の足はもっと好きだ。
ほなら。

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